レビュー
人間ドラマ&サスペンス
イラン映画というフィルターなしで見て欲しいです。 一風変わったサスペンス。犯人は誰なのか、なぜ事件が起こったのか、どっちの方向に行くのか観客をドキドキさせる展開に最後まで注視です。 劇中劇、アーサー・ミラーの「セールスマン」がそのまま映画のタイトルです。深読みさせる内容、もう一度見たくなりました。
テヘラン在住の若い夫婦エマッド(シャハブ・ホセイニ)とラナ(タラネ・アリドゥスティ)は、ともに地元の劇団に参加しながら平穏な生活を送っていたが、ある日突然、強引な建設工事のせいで住処を失うことに。夫婦は上演間近の舞台の準備に忙しく、不安を感じながらも足早に新居を決めてしまう。
そして迎えた舞台初日の夜、夫よりもひと足早く帰宅したラナが正体不明の侵入者に襲われる事件が起こる。この事件以来、ショックから立ち直れないラナと、エマッドの感情はすれ違い、夫婦仲は険悪になっていく。やり場のない思いを募らせるエマッドは、ついに自力で犯人特定の重要な証拠を得るがそこに現れたのは…。
第89回アカデミー賞で一番の話題となった作品『セールスマン』。入国制限への抗議から、イラン人である監督と主演女優が授賞式へのボイコットを表明し、連日大きくニュース報道された。その渦中にあって見事に外国語映画賞を受賞し、国境や信教を超えて作品が高く評価されたことに世界中が胸を熱くした。
本作で、アスガー・ファルハディ監督は二度目の受賞という快挙を成し遂げ、今や世界的に最も新作が待ち望まれるフィルムメーカーのひとりと言っても過言ではないだろう。
イランには今なおイスラム文化指導省による検閲制度が存在するが、ファルハディ監督はその創作上の厳しい制約をものともせず、人間や社会がはらむ多様かつ複雑なテーマを鋭くあぶり出す。
シャハブ・ホセイニ/タラネ・アリドゥスティ
監督・脚本:アスガー・ファルハディ
2016/イラン・フランス/124分/ペルシャ語/ビスタ/原題:FORUSHANDE/字幕:齋藤敦子
イラン映画というフィルターなしで見て欲しいです。 一風変わったサスペンス。犯人は誰なのか、なぜ事件が起こったのか、どっちの方向に行くのか観客をドキドキさせる展開に最後まで注視です。 劇中劇、アーサー・ミラーの「セールスマン」がそのまま映画のタイトルです。深読みさせる内容、もう一度見たくなりました。