海の彼方

2017-07-14
2016 Moolin Films, Ltd.

80年を超えて探し求めるアイデンティティー。
人生最後の里帰りの旅。石垣島から、台湾への帰郷。

沖縄石垣島の台湾移民の歴史は、1930年代、日本統治時代の台湾から約60世帯の農家が移り住んだことに始まる。その中に、玉木家の人々もいた。
台湾から最も近い「本土」だった八重山諸島(石垣島を含む10の島々)で、88歳になる玉木玉代おばあは、100人を超す大家族に囲まれていた。そして米寿を迎えたおばあは娘や孫たちに連れられて長年の願いだった台湾への里帰りを果たす。しかし、70年の歳月がもたらした時代の変化は予想以上に大きく…。

【introduction】
1930年代、石垣島へ渡った台湾移民
台湾人とも日本人とも認められず時代に翻弄された、ある一家の3世代にわたる人生と記憶の軌跡――

本作『海の彼方』は、沖縄県八重山諸島に移民した台湾人「八重山台湾人」を主なテーマとした、黄インイク監督の長編ドキュメンタリーシリーズ企画「狂山之海(くるいやまのうみ)」の第一弾。
石垣島に住む台湾移民一家、玉木家の人々中心に、これまで日本や台湾でもあまり知られることのなかった八重山台湾移民の歴史に触れながら、3世代にわたって歴史に翻弄されながらも生き抜いてきた玉木家の「家族愛」にも迫り、観る者に忘れていたものを思い出させてくれるドキュメンタリー作品。
本作は、台北映画祭2016にノミネートされ、2016年9月末から台湾劇場公開を果たし、この夏、日本でも公開が決定となった。

<アワード・受賞歴>
2017 大阪アジアン映画祭 特別招待作品部門 入選
2016 台北映画祭 台北映画賞最優秀ドキュメンタリー賞 ノミネート
2016 韓国DMZ 国際ドキュメンタリー映画祭アジアコンペティション部門 ノミネート
2016 ハワイ国際映画祭 入選
2016 サンディエゴアジアン映画祭 入選
2016 ニュージーランド オークランド国際映画祭 入選

8月12日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
公式サイト

キャスト

玉木玉代、玉木秋雄、登野城美奈子、玉木美枝子、吉原美佐子、玉木茂治、志良堂久美子、玉木文治、玉木慎吾、登野城忠男

スタッフ

監督・プロデューサー:黄インイク
共同プロデューサー:山上徹二郎、劉蔚然
ナレーション:玉木慎吾
撮影:中谷駿吾
音楽:中堀海都
編集:黄インイク
音響効果:殷偉智、施嘯天
サウンドミキシング:杜篤之、杜亦晴
製作:木林映画
共同製作:シグロ、Atom Cinema
提供:木林映画、シグロ
配給・宣伝:太秦
協賛・後援:台湾文化部、リウボウ、台湾新聞社
台湾・日本|2016年|日本語・台湾語|カラー|123分|16:9|5.1ch|DCP|ドキュメンタリー|原題:海的彼端

レビュー

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国境って何だろう

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:jupimar2017-09-18

人が代々住む土地。為政者が変われば国名も変わる。 台湾は日本統治の後、第二次世界大戦後、中国による弾圧(二・二八事件)で多くの台湾の人々が殺されたという。その時代に日本・石垣島へ逃れた台湾人家族のヒストリーを描いたドキュメンタリーでした。 人種差別、貧困と闘い、生き延びてきた女性玉木玉代さんの厳しい人生に涙します。 移民に優しくない日本という国制度を考えました。