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想創人
2004年6月〜2005年9月
Creator's Stage
映像アーティスト VJ MASARU(VJ マサル)
stage024
■DVD Infomation
『BLUE FLOWER』
『BEHIND』
高い技術力と独創的な感性からスタイリッシュな映像の世界を生み出す、映像アーティストのVJ MASARUさん。見る人の心にその時、その都度、新しいメッセージと感動を伝える、そんな「深い」世界を持つ作品の数々。今回は、TV番組やCMからコンサートのステージ映像、広告デザインのアートディレクションまで多岐にご活躍されているMASARUさんに、お仕事への姿勢や夢を実現する秘訣についてお話を伺いました。
子供の頃に受けた「夢と感動」、その原点に立ち戻って。
映画好きだった父に連れられて見に行った、ディズニー映画の『トロン』。 初めて見るCGの世界は子供心に衝撃的でした。実写では不可能なカメラワーク、作れないものが創れてしまう3Dの世界……それ以来SF映画にやみ付きになりました。そのうち「自分でも動くものを作りたい」と思うようになり、小学校の卒業祝いに、当時出始めたばかりのコンピュータを買ってもらったんですね。今考えると、テレビゲームに毛の生えた程度の当時のコンピュータで、子供の僕が必死になって作れたのは、かもめがパタ……パタ……と動く程度のもの(笑)。でもそれが僕の原点です。
芸術家である父の影響で、当然のように「自分も芸術家になるんだろうな」と美術や映像の勉強を続けるかたわら、20代前半までは興味あることには何でも挑戦しましたね。ダンスにはまって、ダンサーとして舞台のワールドツアーに出たり、MTVのVJを務めたり。やりたいと思ったら、とことん追求するタイプなんでしょう(笑)。

でもそんなときに、MTVの番組内で視聴者からのある質問を受けたんです。「VJ MASARUさんは、ビデオジョッキー(司会者)のVJなんですか? ビジュアルジョッキー(映像)のVJなんですか?」って。ドキッとしましたね。「喋りもやり、踊りもやり、映像もやり……でも本当に自分がやりたいのはどれなの?」って。そのとき原点に立ち戻り、「そうだ。映像がやりたかったんだ! 映画やCGの世界から与えられたものを今度は自分が与えたい!」っていうことにやっと気付いたんです。
人との大切なつながりが、物創りへのエネルギー。

「映像アーティスト」と言っても、その範囲は仕事によって違います。大体の映像内容まですでに決まっていて技術的に映像に落とし込んでいくだけの場合もあれば、簡単なコンセプトだけ決まっていてストーリー立案や素材集めからやる場合もあります。

極端な場合は、モデルの演技指導やカメラワーク、照明まで手掛けることもあります。大掛かりなプロジェクトになるとスタッフやアシスタントと分担してやるのが一般的なんでしょうが、僕はほとんど全部一人でやってしまいます。最後の作業的な部分まで自分の手でやるのが楽しいんでしょうね。おかげで納品前は何日も徹夜しちゃうのですが(笑)。
やはり、何もないところから誕生させる「物創り」は想像以上のエネルギーを必要とします。「感性」は誰に相談できるものでもないですしね。壁にぶつかった時には“好きなことを仕事にしたハズなのに……”というジレンマを感じることもあります。でもそれ以上に、大切な人とのつながりを与えてくれる仕事だと思っています。思わぬ所で「マサルさんですか?」て声をかけられるだけで、嬉しいものですよね。「あ〜、僕の作品見てくれた人がいるんだ〜」って。「マサルさんの作品見て映像をやりたいと思いました。ありがとう」なんてお手紙をもらうと、やっていて良かったと思います。人とのつながりが世界をドンドン広げてくれて、また一つ仕事の幅も広がっていくように思いますから。僕にとっては人との出会いが、物創りへのエネルギーです。
自分で枠を決めてしまわず、いつも「型破り」でいたい。
「え〜、こんなこともやっちゃうの?」という分野でも、結構やってみちゃうんですね(笑)。僕からは想像もできないようなGIRLYな女性向けサイトとか、若い女の子たちが大好きなキャラクターのCGとか。技術的にも、「それは不可能でしょう」と思われているような従来の概念を打ち破ることに、これからもどんどん挑戦していきたいですね。
「オペレーターではなくクリエイターを育てたい」という気持ちから、予備校の講師をしていた時期もありました。技術的な面ばかりをあまりにも重視しすぎると、その作品は何かの模倣でしかなくなってしまうんですよね。もっと思い切って枠をとっぱらってほしいって。生徒たちには、よく「もっともっと好きなことして遊びな!」と言っていました。遊びの引き出しが多い人ほど、感性豊かな個性的な作品ができると思います。

僕自身、たくさんの方と出会う度に、新しい発想や価値観が自分の中に生まれます。あるアーティストの方の全国ツアーに付いて、ステージ映像を担当したことがあったんです。こちらは「いちスタッフ」という気持ちで仕事させていただいていたら、そのアーティストの方は私に子供のような悪戯をしてみせたり、仕事の打ち合わせどころか「今日のマサルの気分でやって!」と全面的に信頼してくれたり……。それまでは、仕事をするときは「仕事をする自分」を作っていたところがあったんですよね。でも、その方にお会いして「背伸びしなくていいんだ、自然体で行けばいいのか」って、すごく楽な気持ちになって、それ以来仕事に対する姿勢が変わりました。もちろん自分の作品にも大きな影響を与えたと思います。
遊びから見出す心のゆとりが感性を育む。
技術を学ぶことはもちろん大切ですが、それ以上に感性を育てることが大切だと考えています。「勉強ばっかりやりすぎると、型にハマって感性は止まる」というのが僕の持論。確かに目の前にたくさんの仕事があると、遊びに出るのって勇気いりますよね。
でも思い切って出るんです! 公園でボーッと空を眺めてもいいし、普段やらないようなパチンコで妙にドキドキしてみてもいいし……、そうすると気持ちがリセットされてその後の仕事が効率よく回るんですよね。作品には、心の余裕が一番。「どうやってもアイデアが出ないっ!」という時もありますよ、もちろん。そういうときこそ、机から離れてみて、掃除なんか始めちゃったりして、そんな瞬間にふと閃いたり。
特に、好きなことを仕事にした僕にとっては、仕事と遊びの境界線が微妙なんですね。好きなことをやっているはずなのに、仕事としてやっていると決して楽しいことばかりではない。だからこそ、「遊び」の部分は映像の一切のことを切り離して、トコトン遊ぶ(笑)。心が軽くなったときに、ふ〜っと、何かを「感じる」ことがあるんです。その感じる心を大切にしていきたいです。
text : Kaname Nogami
 

Biography&Profile
映像アーティスト VJ MASARU (VJ マサル) VJ MASARU (VJ マサル)

ダンサーとして14カ国を回るワールドツアーの舞台、ラジオのDJやMTVのVJを経験後、映像アーティストとして本格的に始動。その高い技術力と型破りな世界観が高い評価を得て、現在はTVやCM、大手企業の広告アートディレクションなど幅広く活躍。2005年には自身の映像作品『BLUE FLOWER』と『BEHIND』の2タイトルをリリース。

TV朝日『やぐちひとり(C)』オープニング映像&ロゴデザイン
ラッキィ池田オフィシャルサイト』制作&デザイン

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