日別アーカイブ: 2015年2月4日

あいさつの在り処/タキ

【タキ】:霧と霜にかすむ朝、陽が傾きかけた午後、玄関先の旧道を近所の小学生たちが集団で登校・下校していきます。全校生徒30人足らず……運動会ほか行事では父兄(祖父母)+中高生(卒業生)が大活躍する……そんな集落。

畑仕事のタキに「おはようございまーす」、「こんにちはー」と、元気に声をかけてくれる子ども達。思わずこちらも笑顔であいさつです。自分が子供の頃にはあたりまえだった情景……もはやよく想い出せませんが……

先日まで暮らしていた人口密集地では、道を譲られて会釈くらいはありますが、知らない人にいきなりあいさつなど論外。こちらから声をかけようものなら即不審者認定……そんな空気と距離感。それはそれである意味気楽ではありました。

人の少ないいなかに引っ越して、けれど街中(人口100倍以上)の時よりはるかに人と会い言葉を交わし助けられているこの不思議。「賑やかさ」・「便利さ」と「豊かさ(特に心の)」は別物なのだと、今さらながら実感です。もちろんそこには「不便さ」や「不用心さ」、時には「煩わしさ」がセットであり、合う合わないもあるのでどちらがどうとは言えませんが……幸いユキタキにはとても馴染む、恵まれた環境に身を置くことが出来ています。

運動会(ユキタキも選手で数種目出ました!)で子ども達に優しい眼差しを向けながら、「20年後の集落が心配」と呟いたおばあさん。5年に一度まわってくる神社の御役を終え、「この次は生きてるか分からんからな」とカラカラ笑ったおじいさん。

いろいろ考えさせられる、集落の日常です。