秋の運動会と餅まき

「え~!!?何コレ。ちょっと、タキさん。見てよコレ。」

「うわ~。なんで? 名前があるやん!」

何気に見ていた地域の小学校の秋の運動会のプログラム。 選手名簿(地域参加の部)に名前が載っていたのだ。小学校の運動会なんて、社会人になってからはスッカリ疎遠。
地域の活動行事として、こういったものがあることを知らなかったので、めっちゃくっちゃ驚いて、
「想定外の出来事」に最後は夫婦で大笑いした

もう1年も前のお話。

小学校の生徒数が少ないので、運動会は地域の人も参加で開催されているそうだ。
参加をお尋ねしてから選手選びしていたら大変なので、集落の長が勝手に選手を配置して
出られない人は後で連絡を入れる方法で、選手が決められるとのこと。

久しぶりの運動会だったので、興味津々で私たちは出場した。
仕事を忘れてみんなと一日、身体を動かし声援して最後は一緒にご飯を食べる。
子どもの頃に戻ったような一日だった。

で、今年は2回目の運動会で、やはり私は選手に選ばれていた。 20歳からの競技に名前があったので、ハードな競技だったらどうしようと緊張しながら集合場所に行ったら同世代が多くて少し安心。なんとか無事に参加することができた。

しかし、リレー競技に出ているお父さんたち。絶対私よりも年上なんだけれど、トラック一周を中学生に負けない速さで走りきるのでスゴイと驚いた。 私はもう10年以上、全力で走った記憶がない。「100メートル、何秒で走れるのだろうか?」とそんなことが気になり出したら

「絶対、どっか痛くするから、急に試すのはやめとき。」 と、間髪でタキさんに突っ込まれた。

「せーへんよ。多分、走られへんもん」 正直、7キロほど体重を落としてからでないと走るのは無理だ。

さて、話は変わって、地域の行事の際、ほとんど必ず「餅まき」がある。子どもから高齢者まで、エキサイトできる楽しいイベントのひとつだが…。

ひとりっ子で育ったせいか、私は幼少の頃から大勢にまじって何かを取るという動作が苦手。 小学校の修学旅行でジンギスカンを数名で食べた時のこと、肉を奪い合う友人たちをポカンと見ているだけで終わった。 しかたないので、生のキャベツを食べた記憶がある。

高校の修学旅行では、鍋料理。やはり肉と海産物の奪い合いに混じれず、白菜と豆腐を食べていたら、 隣の友人が「なにボヤボヤしとん?うちが入れたるわ」とガンガン私の器に、苦手な牡蠣を入れてくれた。 牡蠣が食べられないので困ったけど、気に掛けてくれる友人に嬉しくなった想い出でもある。

そんな私は餅まきでもやっぱり、圧倒されて立ちすくんでしまう。それでも、記念に持ち帰りたいので2つ(私と主人の分)取ることを目標にしている。

今回も目標の2つを拾い、ぼやっと見ていたらタキさんは上手に餅をゲットしていた!

夕方、集落での打ち上げの時に、餅まきの話になって聞かれた。

「中村さんは、いっぱいとれた?」「2つだけ」 「それだけ!? 一杯とったから、あげる」

結局、分けてもらって、15袋(餅30コ分)くらいになった。 じつは、毎回集落の誰かしらが、手ぶらの私に沢山分けてくださるのだ。

「○○さんからもらった!」 自慢する私に

「ホント、(心も食べ物も)豊かだよね」 とタキさん。

自分でとった餅より、分けてもらった餅の方が嬉しい気持ちになる。沢山あるものを分けてくれる、そんな集落での暮らしぶりに  コミュニティを大きな家族としてみる温かさを感じる今日この頃だ。

IMG_5917.JPG沢山のお餅。帰ってから刻んで冷凍した。お好み焼きに混ぜて食べるつもりだ。