修道士は沈黙する

2018-01-12
2015 BiBi Film-Barbary Films

スタイリッシュな映像美とミステリアスな展開に目が離せない!
ドイツの高級ホテルを舞台に繰り広げられる社会派ミステリー

バルト海に面した高級リゾート地ハイリゲンダムで開催されるG8財務相会議の前夜、国際通貨基金専務理事のダニエル・ロシェは各国の財務相に加えて、異色の3人のゲストを招いて自分の誕生祝いを開催する。会食後にロシェはゲストの一人、イタリア人修道士ロベルト・サルスを自室に呼び、告解をしたいと告げる。翌朝、ビニール袋を被ったロシェの死体が発見される。自殺か他殺か?告解を受けたサルスは口を噤む。
警察の極秘捜査が続けられる中、発展途上国の経済に大きな影響を与えかねない重要な決定を発表する記者会見の時間が迫ってくる。各国財務相の政治的駆け引きに巻き込まれたサルスは、ロシェの葬儀で自らの思いを語り始める。
「ローマに消えた男」のロベルト・アンドー監督が、再びトニ・セルヴィッロと組み、ダニエル・オートゥイユ、コニー・ニールセンら国際的俳優を起用した、形而上的ミステリー。

2018年3月17日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
公式サイト

キャスト

トニ・セルヴィッロ/ダニエル・オートゥイユ/コニー・ニールセン/モーリッツ・ブライプトロイ/マリ=ジョゼ・クローズ

スタッフ

監督・原案・脚本:ロベルト・アンドー
原題:Le confessioni /字幕:寺尾次郎
後援:イタリア大使館/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
共催:イタリア文化会館/ミモザフィルムズ
特別協力:イタリア文化会館
協力:ユニフランス
2016年/イタリア=フランス/イタリア語・仏語・英語/カラー/108分/シネスコ/ドルビーデジタル
配給:ミモザフィルムズ

レビュー

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日本では決して生まれない映画を観ることの醍醐味を味わう

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:むらさきのつき2018-01-28

キリスト教と経済 幻想の上に成り立っている…かもしれない現代社会へ 唯一鉄槌をおろせるのは おおいなる存在の「沈黙」だけなのかもしれない ロベルト・アンドー監督『修道士は沈黙する/Le confessioni』イタリア文化会館で行われた試写会で鑑賞 日本では決して生まれることのない社会派ミステリー映画 私的には かなりおススメの1本♪ 一筋縄ではいかない 非常に見ごたえのある  知的でスタイリッシュな社会派ミステリー 修道士が核となる物語なので キリスト教と経済の関係性が理解できていると この作品、より深く楽しめる 予告動画を初めて目にした時 修道士と経済 永遠なる矛盾 「水と油」の世界を描く結末がいったいどうなるのか 公開されたら絶対観に行こうと思っていた作品は 今月鑑賞した作品の中(この後にもう1本邦画が控えているけど)で、私のベスト1間違いないと記録しておこう ヨーロッパの豪華演技派俳優らの競演は  目と思考を楽しませてくれたし 「物質主義vs精神主義」を扱っているのにも関わらず 作家&劇作家でもあり、オペラや演劇の演出家でもある 監督のロベルト・アンドー氏の創り出す映像はとても美しく 終始一貫ミステリアスでエレガント イタリア映画独特のノスタルジー雰囲気も漂い シュールな笑いも忘れられてないところもGood! 出演者のアンサンブルはお見事! この作品の鍵となる人物 疑惑の死を遂げる国際通貨基金の専務理事ロシェを演じたダニエル・オートゥイユ氏、修道士役のトニ・セルビッロ氏の演技はホント素晴らしかった 映画鑑賞後、この作品のコトを考えると 自然に自己を振り返っていることに気がつく だから  原題は単数形でなく複数形なんだろうと理解 この日は映画終了後に 監督のロベルト・アンドー氏と小沼純一氏のトークもあり、作品についての多くの話を聞けたのはラッキー これから鑑賞される方もいるのでFBにはこの時の話は投稿しませんが、彼の話を思い返しながら今度は劇場で観直してみようと思う 追記: 今回の試写状の美しさは…群を抜いていたなぁ これ、手元に残したかったT^T