蝶の眠り

2018-03-22
2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA

中山美穂、5年ぶりの主演作!
女性小説家が選んだ人生最終章は、美しいラストストーリー

50代でありながらも美しく、若い読者にも根強いファンを持つ、売れっ子の女流小説家・松村涼子(中山美穂)。作家として成功し、満ち足りた生活を送る涼子だったが、遺伝性のアルツハイマーに侵されていることを知り、人生の終焉に向き合うことを余儀なくされる。
“魂の死”を迎える前に、小説を書く以外に何かをやり遂げようと、大学で講師を務め始めた涼子。ある日、大学近くの居酒屋で、韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会い、ひょんなことから涼子の執筆活動を手伝うことになる。作業を進めるうち、現実と小説の世界は混沌として交差して行き、二人も徐々に惹かれあっていくのだった。
しかしアルツハイマーは容赦なく進行していく。愛と不安と苛立ちの中、涼子はチャネとの関係を精算しようと決意するのだが、その思いはチャネには受け入れがたく、二人の気持ちはすれ違っていく…。

【introduction】
女性小説家の心打たれる人生最終章。透き通るような美しさの中山美穂が文学的世界へ誘う

高齢化社会にあって、アルツハイマー病や認知症といった病気と、どう向き合って人生の最後を終えるのか。これはいま多くの人たちが直面する人生の課題だ。自らの余命を知る女性小説家が、最後に自分の尊厳を守り、残る人たちに美しい記憶を残そうと静かに行動した人生最終章。50代前半で、まだ美しさを保つ主人公涼子は、華やかな日常の裏で、次第に自分をコントロールできなくなっていく恐怖と、一人で死に立ち向かう寂しさを抱えていた。しかし、作家を目指す一人の青年チャネとの出会いにより、自分が何をなすべきかを心に決める。互いの気持ちを量りながらも、2人の思いはすれ違っていく。年の差を超えた究極の愛がテーマの本作は、恋愛を凌ぐ人間愛を考えさせるストーリーでもある。
遺伝性アルツハイマーを患う主人公涼子役には、実に5年ぶりの映画主演作となる中山美穂。自身の年齢より年上の女性小説家の役を見事にこなし、ラストシーンの無垢で透き通るような表情は見る者の心を揺さぶる。
韓国人留学生役には『コーヒープリンス1号店』のキム・ジェウク。幼少期に日本で生活していた経験を持ち、本作でも完璧な日本語での演技を披露している。メガホンをとったのは、『子猫をお願い』で鮮烈な長編映画デビューを果たした韓国屈指の女性監督、チョン・ジェウン。本作では作家を主役に配し、彼女の住む家や書斎へのこだわり、日本文学をリスペクトした劇中劇など、斬新な表現方法で監督ならではの才能とセンスを印象付けている。
また、初の劇映画音楽に取り組んだ新垣隆の叙情的な音楽、きめ細かく臨場感あふれる撮影が作品を一層儚く美しい“愛の記憶の物語”へと昇華させている。

5月12日(土)、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
公式サイト

キャスト

中山美穂 キム・ジェウク / 石橋杏奈 勝村政信 菅田 俊 眞島秀和 澁谷麻美 / 永瀬正敏

スタッフ

監督・脚本・原案:チョン・ジェウン
ストーリー・劇中小説:藤井清美
企画・製作:山上徹二郎 坂本敏明 イ・ウンギョン
プロデューサー:山上徹二郎 イ・ウンギョン 山口幸彦
製作:シグロ、キングレコード、ZOA FILMS
制作プロダクション:シグロ
2017/日韓合作映画/日本語/112分/5.1ch/DCP
配給:KADOKAWA

レビュー

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主人公の"クロワッサン"風暮らし方も見所

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:radiogaga2018-04-18

50代の作家独り暮らしの暮らし方がとってもすてきで、こんな家に住みたい、こんな書斎(偶然の図書館)が欲しい、着物をこんな風に寛いで着てみたい、と参考になります。 中山美穂さんがオトナの女を具現化していて、オトナだなーと憧れます。