母という名の女

2018-05-21
Lucia Films S. de R.L de C.V. 2017

第70回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞
メキシコの気鋭ミシェル・フランコ監督が描く衝撃のミステリー

海沿いの家に二人で暮らす姉妹。17歳の妹・バレリアは妊娠しており、姉・クララは離れて暮らしている母親・アブリルを電話で呼び寄せる。お腹の中の子供の父親は、クララが経営する印刷所でアルバイトしていた17歳の少年・マテオ。姉妹の元に訪ねてきたアブリルは、クララやマテオと会話を重ね、バレリアの不安を和らげるように接し、母親に不信感を抱いていたバレリアも徐々に母を信用し、そして無事に女の子が生まれ、カレンと名付けられる。
バレリアの代わりにカレンの世話をしているうちに独占欲がアブリルの中に芽生える。カレンを自分の管理下に置こうとするアブリルに反発しはじめるバレリア。娘との関係が悪化していく中、ついにアブリルは深い欲望を忠実に遂行していく。

本作は、闇を覗き込んだ母娘の緊張感あふれる関係にメスを入れ、母、あるいは家族という幻想を吹き飛ばす、『父の秘密』『或る終焉』のミシェル・フランコ監督、衝撃の最新作。
主演は、ペドロ・アルモドバル監督の『ジュリエッタ』(16)で知られるエマ・スアレス。撮影は『ホーリー・モーターズ』のイヴ・カープ。ギレルモ・デル・トロやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥを生んだメキシコから、また新たな傑作が誕生した。

6月16日(土)、ユーロスペースほか全国順次公開
公式サイト

キャスト

エマ・スアレス(『ジュリエッタ』(16))、アナ・バレリア・ベセリル、エンリケ・アリソン、ホアナ・ラレキ、エルナン・メンドーサ

スタッフ

監督・脚本・製作・編集:ミシェル・フランコ (『父の秘密』(12)、『或る終焉』(15))
撮影:イヴ・カープ(『ホーリー・モーターズ』(12)、『或る終焉』(15))
製作総指揮:ティム・ロス
2017年/メキシコ/スペイン語/カラー/ビスタサイズ/103分/PG12/原題:Las Hijas de Abril/英題:April’s Daughter
後援:在日メキシコ大使館
配給:彩プロ

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メキシコ大使館で開催!『母という名の女』一般試写会にご招待!
本作の公開に先駆け、下記日程においてメキシコ大使館での一般試写会の実施が決定いたしました!
皆様のご応募を心よりお待ちしております。

【ご注意事項】
※当日は会場にて「当選通知書」もしくは「当選通知メール」のご提示とお名前を確認させて頂きます。(同伴者様は不要です)
※当日は必ず政府発行の写真入りの身分証明証(免許証、パスポートなど)や学生証などをご持参ください。お忘れの場合は入場をお断りする場合がございます。
※セキュリティの関係上、入館時に手荷物検査をさせて頂きます。あらかじめご了承ください。
※いかなる理由がありましても、開映後のご入場はできません。また満席の際も入場をお断りせて頂きます。予めご了承下さい。
※本状(データ)をネットオークションなどで売買する行為は違法となります。
※知的財産保護の観点から、無許可の撮影・録音は固くお断り致します。
※都合により、イベントが中止、日程変更となる場合があります。予めご了承ください。
※会場までの交通費、宿泊費などは、当選者様ご自身のご負担となります。
※当選の途中経過や当選結果に関するお問い合わせは承ることができませんので、ご了承ください。

レビュー

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なぜ母は不可解な行動をするのか

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:とえ2018-06-12

女の恐ろしさにグイグイと引き込まれてしまう面白さだった 昨年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞 17歳の少女バレリアは、妊娠中でもうすぐ出産という時期を迎え、姉のクララと同居している クララは、バレリアとは仲の悪い母アブリルを家に呼び寄せる アブリルが予想外に優しくしてくれたため、バレリアはアブリルを受け入れ、無事に生まれた娘カレンの世話をアブリルに任せる 初めは、それでうまくいっていた彼女たちの関係だが、やがて母が思わぬ行動に出る… その母の恐るべき行動をサスペンスタッチで描き、その不可解な行動に思わず見入ってしまった そこで考える なぜ、母はそんな理解しがたい行動をしたのかと その根元には、前夫との関係があるのではと思った 前夫とは、バレリアの父であり、バレリアには、憎っくき前夫の血が流れている その憎しみのはけ口がバレリアに向いたとしたら、アブリルの行動が理解できる けれど、そのままでは終わらないところにこの映画の良さがある そこにあるのは希望だ アブリルと父の関係を観て育ったバレリアは、アブリルとは違う母と娘の関係を築こうとしている そんな彼女を思わず応援したくなってしまう映画だった