中澤一登（映画『キル・ビル』アニメーションパート監督）とProduction I.G（「攻殻機動隊」シリーズ）がタッグを組んだNetflixオリジナルアニメ「B: The Beginning」が、３月２日（金）より全世界同時配信された。

群島国家「クレモナ」を舞台に、王立警察特殊犯罪捜査課（通称「RIS」）の伝説の捜査官：キース・フリックが、犯行現場に必ず「B」の文字を刻み込む連続殺人犯【Killer B】を追う様を、海外ドラマさながらの壮大なスケールで描く本作。【Killer B】の事件を追っていく中で、【マーケットメイカー】と呼ばれる組織による襲撃やテロなど、様々な事件が連鎖的に発生していく。謎の少年：黒羽や、キースと共に事件解明へと奔走するRISの若手捜査官：星名リリィをはじめとした多彩なキャラクターたちが登場し、様々な事件の謎を紐解いていくノンストップクライムアクションだ。

重厚なストーリー展開にアニメ作品ならではのファンタジー要素が光る『B:The Beginning』

石畳の街路、重厚な建物、夜霧の街。欧州諸国のような雰囲気の中に、日本の要素が随所に織り交ぜられた群島国家「クレモナ」が本作の舞台である。本作で動きを見せるのは、事件の捜査を執り行う王立警察（通称「RIS」）、マーケットメイカーと呼ばれる謎の組織、そして謎の少年黒羽。

物語は連続殺人犯【Killer B】の犯行から幕を開ける。

日常の中で起こる猟奇殺人。RISの面々は市民の平穏な生活を守るべく犯人捜しに奔走していた。重要参考人として挙げられたのは連続殺人犯【Killer B】。犯行現場に必ず刻み込まれた『B』の文字からその名が付けられた。しかしこの【Killer B】による殺人は通常の殺人と異なる点がある。【Killer B】によって殺害されるのは一般市民でなく、快楽殺人犯、テロリストなど、クレモナ内で行われる残忍な事件の凶悪犯罪者たちばかり。一見すれば行き過ぎた義賊のようにも思える【Killer B】の犯行だが、それは決して世直しのためなどではなく、ひとつの目的を持ってのものだった。

そんな【Killer B】の犯行の意図に気付き、独自の捜査で追うのは本作のメインキャラクターである、RIS伝説の捜査官：キース・フリック。気だるげな風貌、やる気の感じられない言動ながらも時折見せる鋭い眼光が彼の秘めた敏腕ぶりを感じさせる。彼が抱える暗い過去の存在からも目が離せない。
そして作中に登場する猟奇殺人鬼たちの影にはマーケットメイカーと呼ばれる謎の集団の存在があった。フェイスペイントを施した異様な出で立ちの彼らは殺人鬼たちの傍らで息を潜め、彼らを手助けし、水面下でRISの面々を翻弄しながら【Killer B】と対峙する。
キースは何故【Killer B】を追うのか？【Killer B】の真の目的は？マーケットメイカーは何故【Killer B】に固執するのか?物語はそんな視聴者の疑問と共に進んでいく。

本作は、海外ドラマさながらの重厚なサスペンスとアニメ作品ならではのファンタジー要素が見事に織り交ぜられている点が魅力の1つだ。人間狩りを行う残忍な犯罪集団、稚拙な言動ながらも社会に対する鬱憤を晴らすべくテロ行為を行う犯罪グループ、それらを追うRISメンバーの手腕とキースの知性が事件を解決へと導いていく。その一方で、翼を広げた黒羽とマーケットメイカーによって繰り広げられる激しい空中戦やアクションシーンの数々。アニメーションだからこそのカメラアングルとダイナミックな描写は必見だ。

事件簿のようにオムニバス形式で進んでいた物語が徐々に一本の大筋に乗り出し、全ての登場人物がその根底に隠された狂気に巻き込まれていく。凶悪犯罪者が起こす事件、【Killer B】が起こす事件、そのどちらにも絡みつくマーケットメイカー。物語の根底に隠された狂気の正体を知った時、作中に張り巡らされていた伏線に気付かされ、もう一度1話から観たいと思えること間違いなしの作品だ。

全12話、重厚なストーリーとハイクオリティなアニメーションが続く本作。筆者としては、最終話は是非ともエンドロールまで見ることをオススメする。

ストーリー
王立警察特殊犯罪捜査課へと戻って来た天才捜査官キース・フリックは、ある事件の犯人を追っていた。凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人鬼、通称『Killer B』。
犯行現場に必ず刻み込まれた『B』の文字は人々の注目を集め憶測を呼んだ。
『B』それは彼女のためのメッセージ。
『ぼくはここにいる……』その身を異形に変え、黒羽は届かぬ思いを刻み続ける。キースと黒羽、互いに見知らぬ二人の運命は、やがて一つの陰謀へと飲み込まれていく――

作品タイトル：Netflixオリジナルアニメ「B: The Beginning」（英題　B: The Beginning）
エピソード：約23分 / 全12話
原作：中澤一登×Production I.G　　監督：中澤一登、山川吉樹
プロデューサー：黒木類　　シリーズ構成・脚本：石田勝也　　キャラクターデザイン・総作画監督：中澤一登
美術デザイン：伊井蔵　　メカニックデザイン：常木志伸プロップデザイン：津坂美織　冨田収子
色彩設計：境成美　　美術監督：田中孝典　　3DCGディレクター：磯部兼士　　撮影監督：荒井栄児
音響監督：長崎行男　　音楽：池頼広　　編集：植松淳一
制作：Production I.G

主題歌：「The Perfect World」
アーティスト：マーティ・フリードマン feat. Jean-Ken Johnny, KenKen
プロデューサー：藤本コウジ、マーティ・フリードマン

CAST：
キース・風間・フリック：平田広明
黒羽：梶裕貴
星名リリィ：瀬戸麻沙美
エリック・トガ：東地宏樹
ボリス・マイアー：稲葉実
吉永カエラ：小清水亜美
ブライアン・ブランドン：豊永利行
マリオ・ルイス・ズリータ：田中進太郎
ジャン・アンリ・リシャール：後藤敦
ギルバート・ロス：森川智之
皆月：石川界人

公式サイト：http://www.b-animation.jp/
コピーライト：(C)Kazuto Nakazawa / Production I.G

3月2日(金)、Netflixにて全世界同時配信スタート