1987、ある闘いの真実

2018-07-06
2017 CJ E&M CORPORATION, WOOJEUNG FILM ALL RIGHTS RESERVED

1987年、一人の大学生の死が人々の心に火をつけた――
国民が国と戦った韓国民主化闘争を描く衝撃の実話

1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。徹底的に北分子を排除したい南営洞警察のパク所長(キム・ユンソク)が指揮する取り調べは、日に日に激化していた。そんな中、ソウル大学の学生が行き過ぎた取り調べ中に死亡する。隠ぺいのために警察は親にも遺体を見せず火葬を申請するが、何かおかしいと感じたチェ検事(ハ・ジョンウ)は検死解剖を命じる。
解剖により学生は拷問致死であったことが判明するが、政府は取り調べをした刑事二人を逮捕することで事件を終わらせようと画策する。これに気付いた新聞記者、刑務所看守らは、事実を白日のもとにさらそうと奔走するが、警察による妨害もエスカレートしていく。また、拷問で仲間を失った大学生たち(カン・ドンウォン)も立ち上がろうとしていた―。一人の大学生の死から始まった、韓国全土を巻き込む民主化闘争を描く衝撃の実話。

その時、歴史を変えたのは、普通の人々の信念だった―。
『タクシー運転手 約束は海を越えて』で描かれた光州事件から7年後。日本では空前の好景気”バブル“の幕開けに国中が浮かれていた1987年、飛行機でたった3時間の韓国では、歴史をくつがえし、国民全員の人生を劇的に変えた大事件が発生していた―。すべての始まりは、一人の青年の”不可解な死“。ソウル大学の学生が取り調べ中に命を落としたのだ。警察は心臓麻痺だと発表するが、新聞が「拷問中に死亡」とスクープし、大騒動へと発展していく。
「1987年」という激動の時代を生きた人々を演じたのは、韓国映画界を代表する豪華俳優陣たち。北分子の徹底排除に信念を燃やす南営洞警察のパク所長役にキム・ユンソク、学生の死を隠ぺいしようとする警察に対峙するチェ検事役にハ・ジョンウ、危険を顧みず運動家に手紙を運ぶ看守役にユ・ヘジン、拷問死の真相を隠蔽するために逮捕されるチョ刑事役にパク・ヒスン、『お嬢さん』で注目され、本作では看守の姪で大学生役のキム・テリほか、学生デモに立ち上がる大学生をカン・ドンウォン、警察にマークされている運動家にソル・ギョングなどベテランと若手の演技派俳優が集結。
監督は『ファイ 悪魔に育てられた少年』(2013)のチャン・ジュナン。第54回百想芸術大賞の映画部門にて最高賞の「大賞」、脚本賞、最優秀男優賞(キム・ユンソク)、助演男優賞(パク・ヒスン)の最多4部門受賞を果たした話題作。

9月8日(土)、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
公式サイト

キャスト

キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン、キム・テリ、ソル・ギョング、カン・ドンウォン、パク・ヒスン、イ・ヒジュン、ヨ・ジング

スタッフ

監督:チャン・ジュナン(『ファイ 悪魔に育てられた少年』、『カメリア』)
原題:1987/2017年/韓国/カラー/129分
提供:ツイン Hulu
宣伝協力:ブレイントラスト
配給:ツイン


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レビュー

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自由を求める闘いが強く胸を打つ

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:とえ2018-09-11

人間の恐ろしさに泣き、真実を追い求める人々の勇気に感動して泣き、結局、泣きっぱなしの映画だった 1987年に韓国で起きた民主化運動について、ある学生の死をきっかけに、自由を求めて水面下で動きはじめた人々を中心に描く 当時の韓国政権は「打倒!共産主義」をスローガンに警察の明らかに行きすぎた赤狩りにも目をつぶっていた その結局、対北の部署は「何をやっても許される」ならず者集団へと変化していく 彼らは本来なら「打倒!共産主義」のはずなのに、やっていることは、まるで北朝鮮幹部の虐殺と同じという、ミイラ取りがミイラになったような集団だった キム・ユンソク演じる所長も最初からおかしな人間ではなかったはずだ 彼個人の北朝鮮に対する思いと、その思いを利用する国から与えられた権力によって、歪んだ愛国心の塊になってしまったのだろう そんな彼らを観ていると、 「真の愛国心」について考えさせられる たとえ、その行いが間違っていたとしても、大統領府のお気に召すように行動し、その考えを他人に押し付けるのが、本当の愛国心なのだろうか それよりも、国をより住みやすい国にするために意見を言い、反対意見があれば議論し、国や国民の明るい未来のために貢献するのが、本当の愛国心だろう この映画でいえば「愛国心」という大義名分の元、言論統制をする警察は本当の愛国心からは程遠く、拷問して殺された学生の真相を暴くために「真実の伝書鳩」をしていた人たちこそ、本当の愛国者だと思った そんな真実を追い求める人々が、負け試合と分かっていても、その火の中に飛び込んでいく姿は、とても力強く勇敢で、涙なしでは観られなかった 彼らは何も特別なことをしていない 検事は法に則って事件の捜査をし、記者は真実を報道し、刑務官は受刑者の秘密を守り、牧師は嘘をつかず真実を語っただけだ それぞれが、自分の良心に従って当たり前の行動をしただけなのだ しかし、彼らが生きていた時代は、そんな当たり前のことが許されず、とても勇気のいることだったのだ その一人一人の行動が、周りの人々を動かし、国をも動かしていく 自分の良心に従って、当たり前の行動をすることが、周りの人を動かす これが、真実の物語だからこそ、その重みをズシリと感じる映画だった