COLD WAR あの歌、2つの心

2019-05-21
 

第91回アカデミー賞3部門ノミネート!時代に翻弄される恋人たちの姿を美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー

ピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラはポーランドの音楽舞踏学校で出会い、愛し合うようになる。冷戦中、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、ベルリンでの公演時、パリに亡命する。歌手になったズーラは公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会する。ズーラは彼とパリに住み始めるが、やがてポーランドに戻ってしまい、ヴィクトルも後を追う。二人の愛は結ばれるのだろうか・・

第91回アカデミー賞では監督賞、撮影賞、外国語映画賞の3部門にノミネートされた、パヴェウ・パヴリコフスキ監督最新作。
本作は、前作『イーダ』で第87回アカデミー賞・外国語映画賞を受賞、世界的な評価を受けるポーランドのパヴリコフスキ監督が、ポーランド・ベルリン・ユーゴスラビア・そしてパリを舞台に、心と五感を刺激する音楽と映像で綴る、冷戦下で恋に落ち、西と東で揺れ動き、別れと再会を幾度となく繰り返しながらも時代に引き裂かれたピアニスト・ヴィクトルと歌手・ズーラの美しくも情熱的なラブストーリーだ。
2018年カンヌ国際映画祭では監督賞を受賞、ヨーロッパ映画賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀女優賞、最優秀編集賞の5部門を受賞した他、アカデミー賞前哨戦となるナショナル・ボード・オブ・レビューやニューヨーク批評家協会賞では最優秀外国語映画賞を受賞。更に英国アカデミー賞(外国語映画賞、監督賞、脚本賞、撮影賞)ノミネートを始め、いまなお世界各国の映画賞での受賞やノミネーションが続いている。
ポーランドの民族合唱舞踏団で出会ったピアニスト・ヴィクトル(トマシュ・コット)と歌手志望の女性・ズーラ(ヨアンナ・クーリグ)が1950年の冷戦という時代、15年間に渡って「西側」「東側」の間で揺れ動き、別れと再会を繰り返し続ける2人の愛と特異な運命の物語を描く。

第91回アカデミー賞 監督賞、撮影賞、外国語映画賞ノミネート
第71回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞
ヨーロッパ映画賞 5部門受賞
ナショナルボード・オブ・レビュー&NY 批評家協会賞<外国語映画賞>受賞


6/28(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
公式サイト

キャスト

ヨアンナ・クーリク、トマシュ・コット、アガタ・クレシャ、ボリス・シィツ、ジャンヌ・バリバール、セドリック・カーン 他

スタッフ

監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
脚本:パヴェウ・パヴリコフスキ、ヤヌシュ・クウォヴァツキ
脚本協力:ピヨトル・ボルコフスキ
撮影:ウカシュ・ジャル
2018年/原題:ZIMNA WOJNA /ポーランド・イギリス・フランス/ ポーランド語・フランス語・ドイツ語・ロシア語 / モノクロ /スタンダード/5.1ch/88分/ DCP/ G / 日本語字幕:吉川美奈子
後援:ポーランド広報文化センター
配給:キノフィルムズ/木下グループ

レビュー

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恋も歌も映像も全てが美しい映画

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:とえ2019-06-16

これはとても切ない映画だった 冷戦時代のポーランドで出会ったピアニストのヴィクトルと、歌手志望のズーラの愛の物語 この話は、監督のご両親の話が元になっているそう そのヴィクトルとズーラは恋に落ちるが、その後、彼らには様々な困難が待ち受ける その2人の姿を通して、冷戦下のポーランドの社会事情が見えてくる 東側の事情は、西側の国からしたら、よく理解できない部分があるけれど、彼らの恋を通して見ることで、より現実的に感じることができた 恋愛は多くの人にとって経験のある感情だからだ 彼らに感情移入して観ていると、ピアニスト志望のヴィクトルが音楽を求めて西側へ行くことも、そのヴィクトルに誘われて戸惑うズーラの気持ちも、愛するズーラのために命をかけるヴィクトルの気持ちも、とても理解できるのだ 民主主義の国に生まれていれば、そのまま一緒にいられた2人の恋も、国が違うだけで、複雑になり、命をかけるまでになってしまうなんて そして、そんな2人の恋を演出する音楽がとても素晴らしい その歌声は、過酷な時代に翻弄された恋を見事に表現して、心に突き刺さる そして、映画を見終わった後も、しばらく耳に残り続けた 冷戦のことがよくわからないという人でも、彼らの恋を観ているだけで、当時のソ連がポーランドにかけていた圧力や、自由に恋愛することすら難しかった時代を感じとることができる 画面はモノクロだけど、色がないことを感じさせないぐらい、イキイキと輝いている 映像も、音楽も、彼らの恋も、その全てが美しい映画だった