レビュー
素晴らしいサスペンス
ベストセラーを世界同時発売するために集められた翻訳者たちという素材から期待度が高まる。 オープニングから異様な雰囲気で始まる。 密室で起こる事件と人間ドラマが複雑に絡まり、犯人探しをしているうちにテンポよくエンディングに向かう。 素晴らしいストーリーテリング。
物語の舞台はフランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の世界同時出版のため、その洋館の地下に隠された要塞のごとき密室に、9カ国の翻訳家が集められた。彼らは、外出はおろかSNSや電話などの通信も禁止され、毎日20ページずつだけ渡される原稿を翻訳していく。ところがある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く…。一体誰が、どうやって?
富と名声にとりつかれた出版社社長に、『神々と男たち』や『マトリックス』シリーズのランベール・ウィルソン。『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコ、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のアレックス・ロウザーらが、一癖も二癖もあるキャラの立った翻訳家を演じて物語をかく乱する。監督・脚本は、日本でもスマッシュヒットを記録した『タイピスト!』(12)で長編映画監督としてデビューした、レジス・ロワンサル。
ランベール・ウィルソン『神々と男たち』、オルガ・キュリレンコ『007/慰めの報酬』、アレックス・ロウザー『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』他
監督・脚本:レジス・ロワンサル『タイピスト!』
原題:Les traducteurs/英題:The Translators
2019年/フランス・ベルギー/105分/カラー/5.1ch/シネスコ/字幕翻訳:原田りえ
配給:ギャガ
ベストセラーを世界同時発売するために集められた翻訳者たちという素材から期待度が高まる。 オープニングから異様な雰囲気で始まる。 密室で起こる事件と人間ドラマが複雑に絡まり、犯人探しをしているうちにテンポよくエンディングに向かう。 素晴らしいストーリーテリング。