レビュー
2人の掛け合いが絶妙
後半多少息切れ感はありますが、大泉洋演じるダメ男・田島と小池栄子演じる金にがめつい女・キヌ子の掛け合いが絶妙でキヌ子のモガっぽいファッションと時々色気が滲み出る演技がよかったです。
戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。文芸雑誌の編集長の田島周二は、気がつけば何人もの愛人を抱える始末。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断な田島は、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に、女房を演じてくれと頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗うと誰もが振り返る女だったのだ。男は、女と別れるため、女は、金のため―。こうして、二人の“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。
没後70年を経てもなお人気の衰えない昭和の文豪・太宰治。彼の未完の遺作を、鬼才・ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させ、2015年に舞台で「グッドバイ」を上演。観客を笑いと多幸感で包み込み、第23回読売演劇大賞最優秀作品賞に輝いた。
なぜか周囲の女たちが好きになってしまう<ダメ男・田島周二>を大泉洋、ガサツで小汚いけれど実は美人な<パワフル女・永井キヌ子>を舞台版で同役を「当たり役」とした小池栄子という最強キャストを得て、新たな魅力に満ちた人生喜劇映画として生まれ変わったのが本作だ。
劇中で嘘(にせ)夫婦となる2人が別れを告げに行く愛人役を、水川あさみ、橋本愛、緒川たまきがそれぞれ生き生きと演じているほか、木村多江、濱田岳、松重豊、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子らも顔を並べる。監督は、『八日目の蝉』(※)で日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた成島出。
(※蝉の字の正式表記は、虫へんに單となります。)
大泉洋 小池栄子/水川あさみ 橋本愛 緒川たまき 木村多江/皆川猿時 田中要次 池谷のぶえ 犬山イヌコ 水澤紳吾/戸田恵子・濱田岳/松重豊
監督:成島出(『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』)※蝉の字の正式表記は、虫へんに單となります。
脚本:奥寺佐渡子
原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治「グッド・バイ」より)
音楽:安川午朗
製作:木下グループ
制作プロダクション:キノフィルムズ 松竹撮影所
2019年/日本/日本語/カラー・モノクロ/シネマスコープ/5.1ch/106分
映倫区分:一般
配給:キノフィルムズ
後半多少息切れ感はありますが、大泉洋演じるダメ男・田島と小池栄子演じる金にがめつい女・キヌ子の掛け合いが絶妙でキヌ子のモガっぽいファッションと時々色気が滲み出る演技がよかったです。