レビュー
背伸びしてもがく渋谷女子たち
渋谷でルームシェアする3人の女子の日常が淡々と描かれる。特に盛り上がりもないが、宇賀那健一監督の描きたい女子の夢や現実との葛藤がリアル。もどかしい姿に共感した。 萩原みのりの演技が光る。
再開発が進む、渋谷。その片隅にある古い家の床は少し傾いている。ここで共同生活する愛、瑞穂、恵梨香の三人は夢を追い求めながら、悩み、もがき、飲んで、愚痴って、笑っては、泣いた。彼女たちが手にいれたのは、〈宝石〉なんて眩しいものではなくて、どこかで紛れ込んだ一つの欠けた〈ビー玉〉だった。そんなある日、部屋の立ち退き勧告の通達が来る。街の再開発で家の取壊しが決定したのだ。これは、いずれ出て行かなくてはならないその部屋で三人が過ごした、ささやかな日常の物語。絶え間なく変化するこの街で埋もれてしまいがちな幸せは確かにそこにあった。
感度の高い若者達から絶大な人気を集めているファッション&カルチャーマガジン「NYLON JAPAN(ナイロン ジャパン)」創刊15周年記念プロジェクトとして製作された本作は、かつてないほどの大規模再開発中である渋谷を舞台に、いずれ取り壊されることが決まっている古いマンションをシェアして生活する3人の女の子の物語。メインキャストを務めるのは、若手注目株の女優、吉川愛・萩原みのり・今泉佑唯。
また、笠松将、大下ヒロト、神尾楓珠、大野いと、冨手麻妙、日南響子、田辺桃子ら注目の若手俳優たちや、中島歩、徳永えり、大西信満、山中崇といった実力派俳優も集結。監督は独特な感性でオリジナリティ溢れる魅力的な映画を作り続ける宇賀那健一。
吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯
笠松将、大野いと、冨手麻妙、大下ヒロト、日南響子、田辺桃子、神尾楓珠、
中島歩、徳永えり、大西信満/山中崇 ほか
監督:宇賀那健一
プロデューサー:戸川貴詞
共同プロデューサー:小美野昌史
キャスティングプロデューサー:當間咲耶香(SKALY inc,)
脚本:宇賀那健一、加藤法子
音楽:佐藤千亜妃
制作:VANDALISM
主題歌:「転がるビー玉」作詞/作曲 佐藤千亜妃
2020年/日本/94分/シネスコ/5.1ch/カラー
配給:パルコ
渋谷でルームシェアする3人の女子の日常が淡々と描かれる。特に盛り上がりもないが、宇賀那健一監督の描きたい女子の夢や現実との葛藤がリアル。もどかしい姿に共感した。 萩原みのりの演技が光る。