レビュー
「悪運」によるピンチの数珠繋ぎ!
真面目で運の悪い男が一念発起して企だてた偽装誘拐が、成功するかどうか?を楽しむ復讐コメディかと思っていましたが、あくまでも“最強の悪運男”の物語でしたww モンスター上司と愛人/殺し屋/麻薬組織/若いカップル/メキシコの二人組 それぞれの思惑が主人公を中心に絡まり合い、物語はどんどん思わぬ方向に転がり出します。 絶体絶命のピンチが、「別の悪運」によって間一髪で回避されるも、それは新たなピンチの始まりでしかなく…まさにピンチの数珠繋ぎ!! 主人公のアタフタ感がコメディタッチで笑えますが、なかなかにヤバくて怖い展開で、いったいどうなってしまうのか?!最後まで目が離せませんでした。 それに加えて、登場人物達がいちいち曲者で、“強いこだわり”が面白い! テンプレの「悪」や「敵」だけではない魅力と言うか…二面性と言うか… メキシコのボスのキャラが強烈で「ずっとそうしてきたんだろうなぁ。」と思わせる、妙な説得力が笑えますし、殺し屋も善と悪の矛盾をはらんでいる。 そんな曲者のなかでも、シャーリーズ・セロン姉さんが演じる悪女が最高に魅力的! セクシーな見た目の魅力だけではなく、目的の為には全て利用するガッツがすごい!! 自分がのし上がったポジションから落ちるまいと、ヒステリックに怒鳴りまくる迫力! なりふり構わない必死さは、憎めない悪役と言うより、なんだか応援したくなる悪役でした。 色仕掛けや弱い女のフリで見事に男達を騙すシーンは、むしろ爽快だったり(^◇^;) 努力家なところもあり、セクシーな駆け引きでは、体の角度や距離、目線やちょっとした仕草、声のトーンまで全てを研究し尽くして、男を嵌めているような努力が垣間見えます。 罪について、結構深く考えさせられる会話もあるのですが、敵が追ってくるのではないかとハラハラしてしまって、肝心の返事が頭に入ってきませんでした。(^^;) 映画に入り込みすぎるのも良し悪しです。 これからご覧になる方はご注意下さいww 主人公が人を利用したり騙したりしない、真面目な正直者なのには理由があるのですが、前半は真面目な正直者と言うよりは、NOと言えないだけの人物に見えてイラッとします。 これはカモられ体質だわ。(-.-;) 仕事、お金、家族を無くし、ドン底に落ちたと思って一念発起するのですが、更にドン底が待っていたというww ラストの急展開も含めて「ジェットコースタームービー」ならぬ「バンジージャンプムービー」と呼びたい。