ミナリ

2021-02-25
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農業での成功を夢見てアメリカ南部に移住してきた韓国人一家を描く。アメリカンドリームを胸に逞しく生きる家族の物語

1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカ南部のアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと心臓に病を持つが好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。

オスカーの常連となったA24と、ブラッド・ピットのPLAN Bがタッグを組んだ本作。父親・ジェイコブ役には『バーニング劇場版』「ウォーキング・デッド」のスティーヴン・ユァン。監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で2020年に「今年最高の監督10人」に、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・リーらと共に選ばれたリー・アイザック・チョン。

3月19日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
公式サイト

キャスト

スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットン ほか

スタッフ

脚本&監督:リー・アイザック・チョン
原題:MINARI
全米公開日:2021年2月12日
2020年/アメリカ 上映時間:116分
配給:ギャガ

レビュー

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おばあちゃんの匂い

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:Shiron!2021-03-18

夫婦でも価値観が異なる。 世代でも価値観が違う。 子供でも子供なりの価値観がある。 一番小さな社会の縮図である「家族」ですら、様々な価値観をお互いに受け止めることで成り立っている。 おねしょだって、決して悪気は無いのだから、してしまったことを受け止めてお世話をする。…その根底に流れるものを愛と呼ぶのかもしれないと感じました。 親は子供の世話をして、子供はいつしか親の世話をする。そういった人間の営みの力強さを感じる映画でした。 綺麗事だけではない、家族の疎ましい部分や、微妙な距離感も描かれていて、 とくに祖母と孫の関係に惹かれました。 おばあちゃん役のユン・ヨジョンさんが素晴らしい。 子供の頃、祖母と一緒に暮らしていたのですが“おばあちゃんの匂い”ってありますよね? 椿油とパラゾールと線香が混ざり合ったような…加齢臭ともちょっと違う。 私の祖母とスンジャとは全く違うタイプなのに、ふとスクリーンから“おばあちゃんの匂い”を感じる瞬間がありました。 リアルな存在感がそう思わせるのでしょうが、きっと観る人それぞれの“おばあちゃん”が重なる瞬間があると思います。 オスカーノミネートも納得の演技でした。 デビッドとのやり取りが最高で、笑えるシーン(苦笑い?)も多いです。 子供の頃の自分の姿と、近い将来の自分の姿を客観視するような感覚でした。 ジェネレーションギャップは、ウザさの中に新たな発見もあり。 祖母は孫から新しい言葉を吸収し、孫は祖母から真理の言葉を学ぶ。 別々の価値観が混ざり合ってこそ生まれるものもある。 新しい土地にしっかり根を張るミナリは、そんな象徴にも思えました。 追記:映画の中で花札が出てきて「あれ?花札って韓国のゲームなの?」と驚きましたが 日本から海を渡ったカードゲームで、韓国では国民的ゲームなのだそうです。 なんでゲームは荒い言葉とセットだとあんなに盛り上がるんでしょうか笑 私も子供の頃、花札やカブ札で遊んでいましたが、今から思うと相当汚い言葉を使っていましたね。(^◇^;) 今の子供たちもテレビゲームで普段なら使わないような汚い言葉で盛り上がっていますが、一種のストレス解消な気がします。 女もいろんな呪縛に囚われているけれど、男だっていろんな呪縛に囚われているのだなぁ。家長として家族を守るとか。何かの役に立つとか。 何事ものめり込み過ぎるのは良くないですが、膨らんで爆発する前に適度なガス抜きも必要ですよね。男も女も、大人も子供も。

穏やかで自然

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:tomoboop2021-03-13

キャストの自然な演技に驚きでした!特に子役とおばあちゃん。TWDのスティーブンユアンの韓国語&韓国訛りの英語もチャーミング。 苦労話ではありますが悲しい結末ではなく、全体的に穏やかで静かな雰囲気なのが素敵でした。神秘的な音楽も良かったです。