いのちの停車場

2021-04-07
(C)2021「いのちの停車場」製作委員会

世代を超えた豪華キャストで贈る、感動のヒューマン医療大作。
家族の愛といのちの輝きに、あなたはきっと涙する―。

東京の救命救急センターで働いていた、医師・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件の責任をとって退職し、実家の金沢に帰郷する。これまでひたむきに仕事に取り組んできた咲和子にとっては人生の分岐点。父(田中泯)と暮らしながら「まほろば診療所」で在宅医師として再出発をする。院長の仙川徹(西田敏行)と訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)、東京から咲和子を追いかけてきた野呂(松坂桃李)と共に、咲和子は様々な事情から在宅医療を選び、治療が困難な患者たちと出会い戸惑いながらも、まほろばのメンバーと共にいのちの一瞬の輝きに寄り添っていく。その時、最愛の父が倒れてしまい…。

都内の終末期医療専門病院に勤務する現役医師・南杏子による「いのちの停車場」(幻冬舎文庫)を、『八日目の蝉』(2012)や『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(2015)などを生みだした成島出監督がメガホンを取り、映画化した。

5月21日(金)全国ロードショー
公式サイト

キャスト

吉永小百合
松坂桃李 広瀬すず
南野陽子 柳葉敏郎 小池栄子 みなみらんぼう 泉谷しげる
石田ゆり子 田中 泯 西田敏行

スタッフ

監督:成島出
脚本:平松恵美子
原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎)
後援:日本在宅ケアアライアンス
推薦:日本在宅医療連合学会 全国在宅療養支援医協会
配給:東映

レビュー

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吉永小百合劇場を堪能

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:Shiron!2021-05-02

なぜ私は、こんなにも吉永小百合を観たいのか? たおやかな美しさ! 70オーバーにして、この透明感! 吉永小百合さんが出演しているだけで「映画」になる。 おそらく最後の“銀幕のスタア”でしょう。 見ているだけで、うっとりと幸せな気持ちになれるところは、オードリー・ヘップバーンの映画を観たい気持ちと限りなく近い。 もはや彼女を見られるだけで満足なのですが、表面的な美しさだけではなく内に秘めた芯の強さにも惹かれている気がします。 真っ向から戦いはしないけれども、絶対に折れない。そんな非暴力非服従のストイックさに痺れます! ようは、運命に翻弄されながらもひたむきな小百合ちゃんが見たいのです。( ̄∀ ̄) 『いのちの停車場』は、そんな魅力が堪能できました。 西田局長が探偵ナイトスクープを引退されてから、とても心配しています。 車椅子の役が多いように感じますし、体調がおもわしくないのでは? それぞれに日本映画を引っ張ってきたお二人の共演はとても貴重ですし、これからの1本1本をファンとして丁寧に見守る所存です。( ̄^ ̄)ゞ すごく軽めの演技に終始されていましたが、本当のラストはビシッと決める。 医師としての言葉がズッシリと響きました。 すごく重いテーマに言及するので、欲を言えば、もっと深く切り込んで欲しかった。 もちろん泣く気満々で観たし、実際にかなり泣けましたが…なんだか音楽と照明に泣かされた気がしてなりません(^◇^;) いい感じの「感動」に着地させられたような…。 お二人の葛藤する演技をもっと見たかったなぁ。 タブーに挑むようなエグい映画が好みなので、つい勿体ないと感じてしまいました。 でも、吉永小百合さんにエグさは似合わないですね。 失礼しました; そんなお二人から日本映画のバトンを引き継ぐのは、松坂桃李くんと広瀬すずちゃんってことですかね? 役者の芝居で見せるシーンが多く、そんな思いがよぎりました。 なかでも、田中泯さんの渾身の演技が素晴らしい!! 田中泯さんは、どの映画にも重厚な存在感を刻みつけていますが、人間のギリギリの姿に鬼気迫るものがありました。 すっかり日本の映画になくてはならない方ですね。『HOKUSAI』も楽しみ。 広瀬すずちゃんも、セリフに繋げにくい感情を自分の中に落とし込んでいて、さすがでした。 おそらく原作のエッセンスを2時間に凝縮した作りになっていると思うので、端折られる部分があるのは仕方ない。 そこを繋げられるのが、映画に必要とされる俳優さんなのでしょうね。 思いのほか子役が良くて。 患者さんの女の子はもちろん、記号としているだけのように見えていた男の子が突然イキイキしだしたのには驚きました。 個人的には、ちょっとしたところが気になってしまって、ストーリーに集中出来なかったのが残念でした。 海外ドラマのERのイメージが強すぎて、セリフのスピードを遅く感じてしまったり。 家の間接照明にも違和感があって、やっぱ美術の先生だから歳をとってもこだわりがあるのか??とか。 とは言え「泣ける映画」確定です。 私の涙なんて安物なのでアテになりませんが。ほぼ2本に1本の割合で泣いてますから。 歳をとるごとに涙腺がゆるゆる。 「泣けました」と言って喜んでもらえるのなら有難い。