さがす

2021-12-20
(C)2022『さがす』製作委員会

<主演:佐藤二朗>父は、なぜ消えたのか?
片山慎三監督が放つ、あなたの価値観を問う唯一無二の衝撃作

大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、智は煙のように姿を消す。ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった――。

監督を務めるのは長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』が国内外から高い評価を受け、日本映画界、そして映画ファンに激震を与えた片山慎三。父・原田智を演じるのは佐藤二朗。智の娘・楓を伊東蒼、指名手配中の連続殺人犯・山内照巳を清水尋也、自殺志願者・ムクドリを森田望智が演じる。

1月21日(金) テアトル新宿ほか全国公開
公式サイト

キャスト

佐藤二朗
伊東蒼 清水尋也
森田望智 石井正太朗 松岡依都美
成嶋瞳子 品川徹

スタッフ

監督・脚本:片山慎三
共同脚本:小寺和久 高田亮
音楽:高位妃楊子
製作:アスミック・エース、DOKUSO映画館、NK Contents
製作協力:埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ
制作協賛:CRG
制作プロダクション:レスパスビジョン
制作協力:レスパスフィルム
英題:Missing
レイティング:PG12
製作幹事・制作・配給:アスミック・エース

※高位妃楊子さんの「高」は、正しくは“はしご高”が正式表記となります。

レビュー

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驚きの展開の連続に、感情が追いつかない ネタばれ

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:Shiron!2021-12-26

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登場人物、みんながみんなして想像を超えてくる。(^◇^;) 誰しも表面だけではわからない別の顔を持っていると痛感させられる映画ですが、そのぶんラストの揺るぎない愛が圧巻。 なんと言っても『岬の兄妹』の監督ですから、おのずと期待が高まりますが。 想像の斜め上をいく大胆な発想は、ポン・ジュノ師匠譲りな気がしました。 観客を飽きさせないエンタメ性に、固定概念が揺さぶられる刺激。 それに加えて、映画にしか出来ない表現の素晴らしさに興奮しました。 人間の尊厳について考えさせられる衝撃のシーンに目が釘付け。 見てはいけなかったものを見てしまった感覚。いや、ちょっと違うな…気づきたくなかったことを直視させられて、有無を言わさず共犯になってしまった感覚。が近いと思います。 心も釘付けで、今見たシーンの余韻を引きずって気持ちの整理がつかないままに、どんどん物語が進んでいくので、いろんな感情が渦巻きっ放しのカオス状態で引きずられていきます。 ネタバレの注意事項に触れない範囲でレビューしているつもりですが、シーンバレは勘弁してほしい。 あまりに素晴らしいシーンが多いので。 もし気になる方はご遠慮ください。 ラストの素晴らしさ。監督の要求に応える役者陣もすごい! 多目的トイレはギャン泣きでした。 佐藤二朗さんと成嶋瞳子さんの目が合うシーンがエグい。 清水尋也さんの、恐怖でゾワッと鳥肌が立つ演技も味わえます。 舞台挨拶で佐藤二朗さんがおっしゃっていましたが、監督が相手役の方にだけ指示を出して佐藤さんにアドリブをふってくるのを何テイクかやったらしいのですが、いったいどのシーンなのかメチャクチャ気になる〜! どの指示もしっくりきたそうで、感覚的に監督とピッタリ合うのでしょうね。 ちなみに佐藤二朗さんは、監督が助監督時代からの旧知の仲で「『岬の兄妹』の監督と自分の知っている片山慎三が同一人物だと繋がらなかった。」「あの頃は猿だったのに、すっかり立派な人間になって…。」と笑いを誘っていました。 クラシック音楽を合わせられるのに弱いので、監督のセンスがたまりませんでした。 演出としては、 クーラーボックスのビールと 濃すぎるエキストラがお気に入りです。 そうそう。幸運にも片山慎三監督のお話を聞くのは『岬の兄妹』『rock 'n' roll』に続き、今回の『さがす』で3回目なのですが、直接質問出来る機会は無く…。もし監督に質問できるとしたら、なぜ舞台を大阪にしたのかが聞きたい! しかも新今宮って。 子供の頃は怖かった。今でもピリッと緊張感が走る。良くも悪くも裏表ナシで本音で生きる人々に、欲望がストレートに出る町のイメージがあるのですが。(あくまでも個人的なイメージです) そんな町に住む人々でも、人に見せない裏側の顔がある。 人間の奥深さを更に強調させる為に、この町を選んだのかなぁ? エキストラが濃すぎて。リアルにその場にいる人に思えてなりませんでした。