それだけが、僕の世界

2018-10-05
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イ・ビョンホンが愛に不器用な兄を熱演!元プロボクサーの兄とサヴァン症候群の弟の再会と家族の絆を描いた感動作

かつて東洋チャンピオンにまでのぼり詰めたが、40を過ぎた今は見る影もなく落ちぶれ、その日暮らしをしているボクサーのジョハ(イ・ビョンホン)。少年の頃、母は家を出ていき父は刑務所に入り、孤独の中で自分の拳だけを頼りに生きてきた彼は、ある日数十年ぶりに母と再会。そしてサヴァン症候群を患う弟ジンテ(パク・ジョンミン)の存在を初めて知る。
母の家に転がり込んだジョハは、母の不在の間、天才的なピアノの腕を持つジンテが著名なコンテストに出られるように世話をして欲しいという母の願いを聞き、弟の面倒を見始めるのだが…。

主人公・ジョハを演じるのは、作品ごとに毎回違うジャンルとキャラクターで魅了し、NETFLIXオリジナル作品「ミスター・サンシャイン」での熱演も話題のイ・ビョンホン。本作では韓国版「ひとつ屋根の下」とも言われる大ヒットドラマ「Happy Together」以来の不器用な男を演じ、寡黙で粗暴そして単純な性格だが、実は情の深い人間味溢れる元プロボクサーを熱演。
一方、サヴァン症候群を患いながらも、天才的なピアノの才能を持つ弟という難役に挑んだのは、韓国映画界が最も熱い視線を注ぐパク・ジョンミン。『空と風と星の詩人〜尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯〜』などで、徹底した役作りには定評があり、“次世代の演技の神“とも称される。
二人の母親役には、韓国のバラエティ番組「ユン食堂」出演で話題となった実力派女優ユン・ヨジョン。17年振りに再会したもう1人の息子にも弟同様に惜しみない愛を注ぎ、優しさと芯の強さを併せ持つ母親を体現する。

12月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
公式サイト

キャスト

イ・ビョンホン『天命の城』
パク・ジョンミン「アントラージュ〜スターの華麗なる人生〜」
ユン・ヨジョン『ハウスメイド』

スタッフ

監督:チェ・ソンヒョン
配給:ツイン

レビュー

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孤独な男が初めて知る家族の温かさ

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:とえ2019-01-15

面白かった! 笑えるところが満載の心温まるヒューマンドラマ イ・ビョンホンの演技力を改めて感じた作品だった 主人公のジョハ(イ・ビョンホン)は40歳の落ちぶれたボクサー そんなジョハは、長い間離ればなれになっていた母と偶然再会し、自閉症の弟 ジンテの存在を知る そこから、ジョハが、自分の人生や家族と向き合って成長していく姿を描く ジョハは、かつてはチャンピオンを取ったこともあるボクサーだ しかし、40歳になって落ちぶれてしまい ネットカフェに寝泊まりするような日々を過ごしていた そうやって、それまで孤独だと思って生きていたジョハに、突然、家族が現れるのだ そのことに戸惑いながらも、ジョハは、今まで忘れていた家族と向き合い、そして自分の人生を立て直していく もしも、30年も前に自分のことを捨てた母が目の前に現れたらどうするだろうか 本当だったら、殴ってやりたい気分だろうし、それまで言っても言い切れないぐらい辛いことがあっただろう しかし、ジョハは、そんな捨てた母に対し強く出ることができない それは、その日暮らしをしていて、立場がないせいもあるし、自閉症の弟ジンテのことで母が苦労していることを知ってしまったということもある その上で、ジョハには、それでも捨てきれない母への愛情があって 久しぶりに再会したことで、今まで隠していたその愛情と向き合うことになったのだ その、戸惑い、困惑、甘えたい気持ちなどの繊細な感情をイ・ビョンホンはとても表情豊かに、表現している どんなに憎んでも、どんなに苦しんでも、やっぱり家族は家族なのだ 戸惑いながらも、ジョハは家族の存在を受け入れていく そしてサヴァン症候群で、ピアノの天才のジンテのおかげで、ジョハの世界も広がっていく ジョハは、家族に捨てられたと思って生きてきたが そうして、家族と再会することで、家族に救われ、世界が広がっていく ジョハは、もう二度と家族を離すことはないだろう その思いが、とても温かい映画だった