女王陛下のお気に入り

2018-12-26
(C)2018 Twentieth Century Fox

<第75回ベネチア国際映画祭W受賞>オリヴィア・コールマン×エマ・ストーン×レイチェル・ワイズ競演による豪華絢爛な宮廷物語

時は18世紀初頭、舞台はルイ14世が統治するフランスと交戦中のイングランド。揺れる国家と女王のアンを、彼女の幼馴染で女官長を務めるレディ・サラが操っていた。そこに、サラの従妹で上流階級から没落したアビゲイルがやって来て、召使として働くことになる。サラに気に入られ、侍女に昇格したアビゲイルだったが、彼女の中に生き残りをかけた野望が芽生え始める。
夫が総指揮をとる戦争の継続をめぐる争いにサラが没頭しているうちに、アビゲイルは少しずつ女王の心をつかんでいくのだが─。

主人公アン女王を演じ、女優賞を受賞したオリヴィア・コールマンはゴールデン・グローブ賞/エミー賞に輝く名女優。その存在感と演技力の高さで俳優らからも絶大な信頼を得ている。貴族への返り咲きを狙う召使のアビゲイルには、『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞(R)主演女優賞を受賞し、最新作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でも肉体改造し、実在するテニスの女王を演じて新境地を開いたエマ・ストーン、女王の幼なじみで親友のレディ・サラには同じくオスカー女優のレイチェル・ワイズという、ランティモス監督が信頼を寄せる実力派三女優が集結。
本物の城でのロケを敢行し、美しい宮廷を舞台に巻き起こる、三人の女たちの複雑な関係性を、豪華なセットと美術品のように美しい衣裳とともに華麗に描きだしている。王国を揺るがし歴史すら変えた、女たちのプライドと命までをかけた駆け引きを、豪華絢爛かつ斬新な映像世界で贈る、ドラマティックとエレガントを極めた一大エンターテインメント。

2019年2月15日(金)より全国ロードショー
公式サイト

キャスト

アン女王:オリヴィア・コールマン
アビゲイル:エマ・ストーン
レディ・サラ:レイチェル・ワイズ
ハーリー:ニコラス・ホルト
マシャム:ジョー・アルウィン
ゴドルフィン:ジェームズ・スミス
モールバラ卿:マーク・ゲイティス
メイ:ジェニー・レインスフォード

スタッフ

監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:デボラ・デイヴィス、トニー・マクナマラ
製作:セシ・デンプシー, p.g.a.
エド・ギニー, p.g.a.
リー・マジデイ, p.g.a.
ヨルゴス・ランティモス, p.g.a.
撮影監督:ロビー・ライアン BSC
衣裳:サンディ・パウエル
美術:フィオナ・クロムビー
編集:ヨルゴス・モヴロプサリディス,ACE
音響:ジョニー・バーン
ヘア&メイクアップ:ジョニー・バーン
原題:The Favourite/アイルランド、イギリス、アメリカ映画/2時間/ヴィスタサイズ/字幕翻訳:松浦美奈
配給:20世紀フォックス映画

レビュー

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時代劇を観ながら未来を思う

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:とえ2019-02-11

今年のアカデミー賞で、9部門10ノミネートという最大の目玉作品 これがめちゃくちゃ面白かった 18世紀のイングランドを舞台に、王女と彼女に取り入る侍女たちの攻防を描く 18世紀を舞台にした歴史劇と聞いたら、歴史的な知識が必要だと思う人がいるかもしれないが この映画については、必要ないと思う なぜならば、私はこの映画を観ながら未来を感じたからだ いや、日本では未来でも、既にヨーロッパでは、こういう時代が来ているかもしれない アン王女(オリヴィア・コールマン)は、あらゆる出来事の判断を侍女のサラ(レイチェル・ワイズ)に委ねていた そのため、王女の寵愛を受けたサラは絶大な権力を握っていた そこへ、サラの親戚で貴族から没落してしまった家の娘 アビゲイル(エマ・ストーン)が現れる そこから、彼女たちの三角関係が始まるのだ 彼女たちの立ち位置はとてもわかりやすい 欲望だけで生きていて、自分一人では何もできないアン王女と、 知識と経験で王女を操る熟女のサラ、 そして、若さを武器にするしたたか娘のアビゲイル この三人の腹の内を探りながら観るのが、とにかく面白い 相手の動きを読み、その一歩先にいた者が勝つ世界だ しかし、それを男性に置き換えて考えてみると、 バカ殿と、そんなバカを手なづける熟練の側近、そして、そんな二人の間に割り込もうとする若手の野心家 そんな話は、これまで何度でも描かれてきた この映画では、男女の立場が完全に逆転している それは、女性上位の社会を予言していると思った 現在、または近い未来、女性が国のトップに立った時、その周りでは、どんなことが起きるのか、そして男性たちは、どんな扱いを受けるのか これまでの時代劇とは性別が完全に逆転していて、そこが、この映画のとても面白いところだった そんな世界の中で、王女と、サラと、アビゲイルが、どう絡んで、どこへ向かっていくのか その先の展開が何一つ読めず、ハラハラドキドキしながらラストまで、一気に観てしまった これが例えば、 トランプ大統領がアン王女で、その側近たちが全員女性だったら、ホワイトハウスで何が起きているのか この映画で起きていることに照らし合わせてみると トランプに任せていていいのかな… と考えてしまう映画だった