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2019-02-19
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<第91回アカデミー賞(R)8部門ノミネート>チェイニー副大統領の実像に迫る、前代未聞の裏側を描いた社会派エンターテイメント

「バイス」:バイス・プレジデント(副大統領)を指すだけでなく、“悪徳”や“邪悪”という意味もこめられている―ワイオミングの田舎の電気工から“事実上の大統領”に上り詰め、アメリカを自在に支配し、アメリカ史上最も権力を持ったチェイニー副大統領の姿の前代未聞の裏側を描いた社会派エンターテイメント!

クリスチャン・ベールがディック・チェイニーの20代から70代までを、体重を約20キロ激増して見事な演技で魅了し、ゴールデングローブ賞では、主演男優賞を受賞した本作。
第91回アカデミー賞では、俳優部門を総ナメし8部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞:クリスチャン・ベール、助演男優賞:サム・ロックウェル、助演女優賞:エイミー・アダムス、編集賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞)にノミネートされた。監督は『マネー・ショート』で、第88回アカデミー賞「脚色賞」を受賞、作品賞・監督賞・助演男優賞・編集賞・脚色賞の主要5部門にノミネートされ世界中からその手腕を認められたアダム・マッケイ。製作はプランBエンターテインメントが手掛け、代表であるブラッド・ピット本人がプロデュース。
出演に、チェイニー副大統領役には、業界引く手数多の実力派俳優で『ダークナイト』、『アメリカン・ハッスル』などで知られるクリスチャン・ベール、チェイニーの妻役には『アメリカン・ハッスル』、『メッセージ』のエイミー・アダムス、ラムズフェルド国防長官役に『フォックスキャッチャー』、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』のスティーヴ・カレル、ブッシュ大統領役に『アイアンマン2』、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルなどオスカー候補常連の超豪華キャストが大集結。

アダム・マッケイ監督が、「クリスチャン・ベール以外にこの役をできる人を思いつかなかったし、もし断られていたら、多分この映画を作ることはなかった。」と語るほどのラブコールを受けたクリスチャンが、アメリカを操り、成り上がっていった男ディック・チェイニーの20代から70代までを、体重を約20キロ激増し髪を剃り眉毛を脱色するなどの見た目だけでなく、演技の面でも完璧なアプローチで演じ、見事なまでにオスカー俳優の迫力を見せつける。
そしてアダム・マッケイ監督が『マネーショート』で光らせた型破りで自由自在な映像演出の手腕をさらにパワーアップさせ、観るものを魅了する。

【ディック・チェイニー 】
1941年生まれ、現在77歳。父ジョージ・H・W・ブッシュ政権下では国防長官として、息子ジョージ・W・ブッシュ政権下では2001年〜2009年まで副大統領を務めた。

4月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
公式サイト

キャスト

クリスチャン・ベール『ダークナイト』、エイミー・アダムス『アメリカン・ハッスル』、スティーヴ・カレル『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』、サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』

スタッフ

監督・脚本:アダム・マッケイ『マネー・ショート 華麗なる大逆転』
2018年/アメリカ/英語/132分/シネマスコープ/5.1ch/カラー/原題:VICE /日本語字幕:石田泰子/字幕監修:渡辺将人
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド

レビュー

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日本版なら?

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:tomoboop2019-04-19

語り部の一見フツーの男性の正体が最後に分かって唖然!最初観た政治映画の中では秀逸!起伏があり飽きさせず、エンターテイメント作品として素晴らしかった。ニュースだと説教くさい内容も映画だと楽しく観れて、現代に繋がる史実を学ぶことができます。ちなみに、日本版を作るなら主人公は金丸信?

二代目チェイニーの作り方

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:Shiron!2019-03-24

運命の歯車が噛み合って生まれたモンスター! 当時ニュースで見た程度の知識しか無いうえに、 めまぐるしく変わる時系列に振り回されて、展開についていくのがやっとでした(^^;; いや…展開と言ってもベースは史実なので。 時代背景や相関図、力関係などがわかっていたら更に100倍は楽しめたのではないかと思うと、自分のバカさ加減が悔しいです。(>_<) でも、ハードルが高くて、見る人を選ぶ映画かと言うと、決してそうではなく エンタメとしての面白い仕掛けがたっぷりあって、スピーディで息つく暇なくドキドキハラハラ☆ 頭の中も、相当忙しかったです。 「なるほど!これがニュースで見てた、あのスピーチに繋がるのか!!」 と思うと同時に、頭の中で当時の記憶が蘇り… あの頃は「アメリカが言うんだから、核兵器はきっとあるんだろう。」と信じていたなぁ。(-.-;) テロを許さない強硬な姿勢は必要だと思うけれど まさか裏で、こんな風に物事が決定していたとは!!驚きの連続でした。 もちろん、おおいにフィクションの部分もあるのでしょうが、何故“今”この映画を作ったのかが、わかった気がしました。 民主主義で選ばれたリーダーに、権力が集中する恐ろしさ。 これでは、民主主義の根底を揺るがす独裁者と変わりない!! 皆んなが選んだ人だからって、何をしても許されるのか??(許されるんですね、これが) チェイニーに至っては直接有権者に選ばれた訳でもないのにっ! そんな得体の知れない人が好き勝手に法律を捻じ曲げて牛耳れるシステムが、今でも存在しているなんて。。:(;゙゚'ω゚'): この映画、ブッシュ政権を描いているようでいて、トランプ政権へ警報を鳴らしているのではないでしょうか? そう考えると、この映画でのチェイニーの描かれ方にも、すごく納得がいきます。 普通、歴史的人物ソックリさん映画は、その人に焦点を当てて、意外な一面や葛藤を描き出したりするものですが… このチェイニーに関しては、人物への焦点がハッキリせず、終始、得体の知れない人物として描かれているようで、見ていてすごく違和感がありました。 家族の為に政界を退くくだりがあるのですが(←ここの演出が楽しくて大好き!!) かと言って、内なる葛藤が描かれるでもなく。。。 まあ、そもそもが恋人に見限られない為に頑張って政界に入っただけなので、理念も主義も主張も無いのだから、フォーカスの当てようも無いですね(^◇^;) ラムズフェルドと出会った事で、すくすくとモラルの無い政治家に育ち、 ブッシュと出会った事で自由に出来る権力を与えられてしまった。 三人に出会ったことで生まれたモンスター。 家族が安心して眠れる為には、多くの人々の運命を変えようが、命を奪おうが、何でもない。 こんな人物が権力を持ててしまう恐怖が際立ちます。 二代目チェイニーがホワイトハウスですくすく育っているかもしれないですね。 『ゼロ・ダーク・サーティ』の時も感心しましたが まだ記憶に新しい出来事で、主人公をはじめ登場人物の多くがまだ生きているのに、こんな映画を作っちゃえるところが本当にすごい! お気に入りのシーンとしては、電話のシーンが印象的でした。 執務室から嫁に電話するシーンが、とっても可愛い。(*´?`*) 嫁に褒めて欲しくて、頑張ったんだね。 ラムズフェルド師匠に最後の電話をするシーンも、グッときました。 そして、切れ者の嫁がすごい! 飲んだくれ男の素質を見抜いて、自分が叶えなれない政治家の夢を託したのなら、かなりの策士。 時代が違えば、本人が立候補していただろうし、娘も不本意な嘘をつかなくて済んだのではないかと思う。 娘のカミングアウトのシーンでは、家族を第一に考える夫との対比が素晴らしい。 保守的な地域のなかで時代と戦った嫁目線の映画があっても面白いと思いました。