レビュー
原題は母の日
フランスの様々な母親像そして母と子の関係を群像劇風に描いたフランス映画で、 登場人物の多さに慌てるものの、話が進むにつれ、自然に関係性がわかってくる仕組みがさすがです。 皆それぞれの事情を抱えながら、多様化する社会で幸せの在り方を模索☆ 躓きながら色んな想いを胸に一歩踏み出してみるのもありですね。 色んな母子が交錯するなか、コウノトリになっちゃうココ、なかなか可愛らしかったのですが、 失礼ながら見かけよりずっと素敵な大統領の夫、キングズバーグを思い出しました。 そして一途に師を慕う素直な教え子、エンドロールあとのジーン・ケリーアピールが最高に愛らしかったです!
母親との絆と呪縛
てっきりいろんな女性の“生き方の選択”にスポットを当てた映画かと思っていましたが、テーマは“母親”でした。 いろんなタイプの家族を通して、“母親としての悩み”だけではなく、“母親に対する悩み”も描かれているので きっと誰が見ても、どこかしらに共感出来る部分があると思います。 きちんと向き合おうと奮闘する人々の姿がとても愛おしい…無力な自分を受け入れたり、大胆なアプローチをしてみたり、時にはイライラが爆発したり… そして、一つ一つのエピソードの登場人物たちがリンクしているところからは、「自分だけじゃないんだ。実はすぐ側に自分と同じ悩みを抱えている人がいるかもしれないし、お隣の人は自分とは別の悩みを抱えているかもしれない。様々な悩みを抱えた人々が繋がって社会が出来ているのだなぁ。」と思えて、少しホッとするような、もっと社会としても出来る事があるような気がしてきます。 ゴールも正解も無い問題だけれども、前向きになれるヒントがたくさん詰まった映画でした。 この世に生を受けた人間には必ず母親がいる。 父親はわからなくても、必ず十月十日お腹の中で育ててくれた産みの母はいる。 ただ問題なのは、子供を産んだからといって、それだけで誰もが母親検定合格とはいかないところ。(^^;; そもそも母親だけに子育ての責任を押し付けないでほしいところではありますが、 女性自身も「良い母親像」という幻に振り回されていると感じています。 フランスなんて、日本よりずっと女性の生き方の選択肢が多くて、恋愛だって生涯現役なイメージでしたが、いろんな悩みを抱えているところは同じなんだなぁ。 むしろ選択肢が多いだけに、他にもワンチャンありそうな気がして、もがいてしまうのかも? 例えば「女性は子供を産んで家事をするもの」といった、他に選択肢の無い国では、女性達は悩む暇すら無いかもしれない。 せめて悩める私達は、有り難く真剣に悩まなければいけないと感じました。 いろんなエピソードのなかでも、特に私が共感したのは、 時間の無いなか不得意な事を頑張り過ぎないで、時間のある得意な人に手伝ってもらえば良いというアプローチ。 手伝ってもらう事で心のゆとりが生まれるうえに、子供にとって良くも悪くも大き過ぎる母親の影響力の緩和にもなる。 大家族なら、おじいちゃんやおばあちゃんが緩和剤になったり、母親とは別の価値観を持ち込んでくれたりしたのだろうけど。 私は自分が母親なので、私が子供に与える影響力が怖くてたまらない。 母親vs子供の閉鎖された関係には、ろくなことが起きない気がする(^_^;) 出来るだけ、パートナーや社会が介入した子育てが理想だと、改めて感じました。
パリの母はたくましい
パリの母親をテーマにした家族の物語 母の日を前に 4つの家族の母との関係を中心に描かれます。 フランスの大統領が女性で母になったばかり が印象的でした。登場人物の関係が複雑で2回見ないと分からないかも 仕事を持っている母の姿など ありふれたフランスの女性の姿に感動します。