帰ってきたムッソリーニ

2019-08-21
(C) 2017 INDIANA PRODUCTION S.P.A., 3 MARYS ENTERTAINMENT S.R.L.

ムッソリーニがまた権力を握ったら!?笑っているとあなたも征服される―。イタリア映画祭2019にて特別上映&全席完売の話題作

売れない映像作家カナレッティ(フランク・マターノ)が、復活したムッソリーニ(マッシモ・ポポリツィオ)を偶然カメラに収めたことから、一発逆転をかけたドキュメンタリー映画の制作を思い立つ。2人でイタリア全土を旅しながらの撮影旅行。ムッソリーニをそっくりさんだと思った若者が屈託なくスマホを向けると、彼は戸惑いながらも撮影に応じ、次第にネットで大きく拡散されていく。また、ムッソリーニが市民の中に飛び込んで不満はないか?と質問をなげると移民問題についてなど生の声があぶり出されていく。テレビに出演する機会を得ると、そのカリスマ的な演説が人々の心をつかみ、高視聴率を叩き出し、かつての統帥(ドゥーチェ)は絶大な人気を集めていく。そして、再び国を征服しようと野望を抱くが…。はたして、ムッソリーニが現代で権力を握ったらどうなるのか?

原作はドイツで200万部以上を売り上げたベストセラー小説「帰ってきたヒトラー」(ティムール・ヴェルメシュ著)。同名タイトル映画の大ヒットも記憶に新しいが、原作小説からイタリア映画界屈指のヒットメーカーであるルカ・ミニエーロ監督が着想を得て、舞台をドイツから今のイタリアに置きかえ映画化が実現した。
ミニエーロ監督は、「この作品の問いは極めてシンプルで、ムッソリーニが現代のイタリアで再び権力を握ったらどうなるのか?だ」と語っている。

9月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
公式サイト

キャスト

マッシモ・ポポリツィオ、フランク・マターノ、ステファニア・ロッカ

スタッフ

監督:ルカ・ミニエーロ
2018/イタリア/カラー/イタリア語/96分
原題:SONO TORNATO 英題:I’m Back
後援イタリア大使館、イタリア文化会館
映倫:G
配給:ファインフィルムズ

レビュー

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チョビ髭とスキンヘッド

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:Shiron!2019-09-20

ん?このあらすじ『帰ってきたヒトラー』にそっくりだなぁ。と思ったら…『帰ってきたヒトラー』をベースに、舞台をイタリアに置き換えた映画でした(^^;; 『帰ってきたヒトラー』は2016年のベスト3に入る程、お気に入りの映画です! ヒトラーの無茶苦茶な演説に笑いながらも、いつしか聴き入っている自分に気づく恐ろしさ。 出世欲の為にヒトラーの人気を利用しようとする人々と、 そんな人々に利用されているようでいて、実は自分自身の目的を果たしているヒトラー。。。 いや。そもそも、目的があって帰ってきたのではなく、国への不満を募らせている人々のパワーが呼び寄せたのではないかと思えてきます。 失業と移民問題。人々がわかりやすい敵を欲しているタイミングで現れるのだとしたら…:(;゙゚'ω゚'): ろくな対策を取ってこなかった政府としても、問題点のすり替えができて好都合だし、 戦争にでもなった日にゃ、一部の企業は大儲け。 可愛いカップルの存在が後半の鬱展開の理不尽さに拍車をかけ、NOを唱える声が消されてゆく恐ろしさも。 そして、ヒトラーも怖いけど、女も怖い。(^^;; 鑑賞後ボディーブローのようにジワジワ効いてくる映画でした。 これが“イタリア”で“ムッソリーニ”だと、どんな風になるのかしら??と、興味津々。 いかついスキンヘッドのムッソリーニさんは、ビジュアルではあまり笑えないので、ソックリ芸人いじり的な面白さは少なく、ヤバイおじさんポジでした。 血が混ざり合うのを嫌うところが強調されていたように感じましたが、日本のような島国にちょっと近い感覚なのかしら? 見比べててみるのもオススメです。 人々が徐々に戦争へと流れていく経過を見せられたような、現代社会に一石を投じる内容であり 結局、強すぎるナショナリズムは諍いしか生まない気がしました。 私なんて、すごく流されやすい性格なので、負の歴史を繰り返すことのないよう、肝に銘じないと。( ̄^ ̄) もし日本版を作るとしたら、誰が現代に蘇るのか… アメリカ版はわざわざ作らずとも、既に出現している気がして怖いです。σ(^_^;)