こいびとのみつけかた

2023-08-17
(C)JOKER FILMS INC.

<主演・倉悠貴×ヒロイン・芋生悠>きみがいれば、楽しい!世の中に馴染めない、変わり者ふたりのラブストーリー

コンビニで働く女の人・園子に片想いをしているトワは、毎日植木屋で働きながら、彼女がどんな人か想像している。朝起きてすぐ元気なんじゃないか、一緒に歩いてても置いていかれるんじゃないか、でもその後ろ姿はすごくかわいいんじゃないか。園子を見つけるまでの彼は、恋人を作りたいと思ったことはなかった。考える時間がなくなってしまうからだ。彼は気になる記事をポケットいっぱいに詰め込んで、イギリスのEU離脱やミツバチが絶滅したら人類が滅亡することを気にかけていた。でも今は園子のことで頭がいっぱいだ。話せるようになったら何を話そう。その前にどうやって話しかけよう。彼がついに思いついたのは、木の葉をコンビニの前から自分がいる場所まで並べて、彼女を誘うことだった。二人は言葉を交わすようになり、周囲にはよく理解できない会話で仲を深めていくのだが、園子にはトワにうまく言い出せないことがあり… 変わり者のトワと、変わり者の園子。二人にしかわからない世界。二人にしか分からなくていい関係を作り出すラブストーリー。

本作は、世の中の〈普通〉に馴染めない、おかしな二人のおかしな会話の応酬で繰り広げる『まともじゃないのは君も一緒』の監督・前田弘二×脚本・高田亮コンビが贈る〈おかしな二人の物語〉第二弾。主演に倉悠貴、ヒロインに芋生悠を迎え、成田凌、宇野祥平らが脇を固める。また、川瀬陽太、奥野瑛太、高田里穂、松井愛莉らも名を連ねる。

10/27(金)、新宿シネマカリテほか全国公開
公式サイト

キャスト

倉悠貴 芋生悠 成田凌 宇野祥平 川瀬陽太 奥野瑛太 高田里穂 松井愛莉

スタッフ

監督:前田弘二
脚本:高田亮
音楽:モリコネン
2023年/日本/99分/5.1ch/スタンダード
制作プロダクション:ジョーカーフィルムズ、ポトフ
企画・製作・配給:ジョーカーフィルムズ

レビュー

この作品のレビューを投稿する
「みんなの映画レビュー」に投稿いただくには、アネモのメンバーになる必要があります。投稿いただいた内容は、一旦、編集部にて目を通した上で掲載させていただきます。詳しくは『みんなの映画レビュー利用規程』をご確認ください。

とても必要なこと

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:Shiron!2023-10-24

『まともじゃないのは君もいっしょ』は私にとって御守りにして常に持ち歩きたい映画です。 いろんな存在がいることで世界は絶妙なバランスを保っている。 誰もがそのまま世界の一部であって、この世に居なくても良い存在なんて1人もいない…そんな風に思わせてくれる映画でした。 なので、前田弘二監督×高田亮さん脚本コンビの新作『こいびとのみつけかた』にも相当期待していましたが まさかここまでパンチの効いた内容だったとは!! 舞台挨拶で監督が「いま撮らなきゃダメだな」と思って「どうしても撮りたい」とプロデューサーに頭を下げた。とおっしゃってましたが、 理不尽なことがいっぱいの世の中で、それでも生きていく為に必要なことが詰まった映画でした。 白雪姫と7人の小人ならぬ、7人のおっさんが最高! いつもワチャワチャ賑やかで、笑い合ったり喧嘩したり。 決して自分たちも楽ではないだろうに、絶妙な距離感でトワを見守っている。 このご近所コミュニティがトワのシェルターであり、社会との接点でもある。 河屋秀俊さんがいるだけで『れいこいるか』の下町の雰囲気を彷彿とさせる。 前田組常連の宇野祥平さんも嬉しい。 誰しも生きるのがしんどいことがある。 故キャリー・フィッシャーの言葉「ブロークン・ハート(傷ついた心)を持って、それをアートに変えていこう」 歌う、踊る、書く(描く)、作る、などの自己表現は、自分自身と向き合い、心を開放してくれる。 現実とのバランスを取る為に、創作が必要不可欠な人もいる。 逆に、しばし現実逃避する時間を持つことで社会と折り合いをつける人もいるだろう。(映画鑑賞とかも) 表現する人がいて、それを受け止める人がいて、お互いを救い合っている。 クライマックスの心の交流が、とてもとても素敵でした。 「好きな人がいる」も生きていくうえでとても大事なこと。 どうしようもなく人を好きになる気持ちは止められないし、それ自体は決して罪ではない。その気持ちが生きる糧となり、世界が色づく。 「男」だとか「女」だとか、「夫婦」だとか「友達」だとかでカテゴリー分けすることなく“恋しいと思う人”と過ごす大切な時間。 うわべだけで騒ぎ立てるSNSやメディアのあり方にも一石を投じる映画だと感じました。 ゆる〜く可愛いけど骨太!