ファースト・カウ

2023-11-24
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ケリー・ライカート監督作品がついに日本の劇場で初公開!
アメリカン・ドリームを夢見る男たちの友情物語

物語の舞台は西部開拓時代のオレゴン州。アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。共に成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという、甘い甘いビジネスだった―!

現代アメリカ映画の最重要作家と評され、いま最も高い評価を受ける監督のひとりであるケリー・ライカート。世界中の映画祭で157部門にノミネートされ、27部門で受賞した本作は映画人からの評価も高く、ポン・ジュノ、ジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、濱口竜介ら、名だたる監督たちが称賛。さらに、配給会社A24とライカート監督の初タッグが実現し、自身の最高傑作との呼び声も高い1本が誕生した。

12月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
公式サイト

キャスト

ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ

スタッフ

監督・脚本:ケリー・ライカート
脚本:ジョナサン・レイモンド
2019/アメリカ/英語/カラー/5.1ch/原題:First Cow/日本語字幕:中沢志乃
配給:東京テアトル、ロングライド

レビュー

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新しい“カウボーイ”の西部劇

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:タバス子ちゃん2024-01-21

西部開拓時代、男らしい男たちの気を悪くさせないようにしている料理人が未開のオレゴン州で一匹狼の中国人移民と意気投合 その地へ初めてやってきた牛からミルクを盗み、それで作る甘いドーナツで一攫千金を狙う新しい“カウボーイ”の西部劇 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのリリー・グラッドストーンも出てます

牛乳を盗む…誰から?

評価: ★★★★★ (5点) 投稿者:Shiron!2023-12-16

どの映画もファーストシーンにはこだわっていると思うので、そこを語るのは野暮なのですが…それを承知のうえで。 四角い画面(スタンダードかな?)を活かす演出に心を掴まれました!! ゆっくりと近づいてくる船… まだ船……まだ船……船デカッ!笑 映画で見えていることは切り取られている一部に過ぎないことを再認識させられると同時に「このサイズ感の驚きと興奮をもたらす映画ですから。」と観客に向かって語りかけてくる。 実際、物語の展開がスリリングで、終始ドキドキハラハラ。 先に結末を知っているにもかかわらず、ラストは祈りながら観ていました。 「どうか、どうかお願いだから!」 お願い?誰に?何を? ここまで2人にのめり込んでいる自分に驚きました。 悲しくも幸せな、複雑な高揚感に包まれます。 2人が出会ったから夢が描けた。 腕は良いけど優し過ぎる男と 商売っ気はあるけど元手が無い男 1人で完璧な人間を目指すのは大変だけど 2人で補い合えばちょうど良い。 四角い窓から薪割りするキング・ルーの姿が見える…自然に箒を手に取るクッキー。 これをワンショットで納めるセンス! 最高やね。 家族でも恋人でもない、友情ともちょっと違う。でもお互いに必要不可欠な存在。 あらすじにも書かれてある通り、ミルク泥棒の話しです。 でも牝牛は自分の仔牛の為に母乳を蓄えているわけで…そもそも人間はそれを横取りしているのよね。 しかも本人の知らないところで売り買いされて連れてこられて。 クッキーの優しい心に触れて、感謝の気持ちが溢れてきました。 過去から地続きに今がある。 1人でも生きていける世の中ですが、お互い頼り合ったほうが半分で済むこともある。 人間も動物なんだし、みんなの凸と凹を合わせて一人前で良いんじゃない?