ジュリアン

2018-12-07
(c)2016 – KG Productions – France 3 Cinéma

<2017年ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞受賞>フランス映画界の新星グザヴィエ・ルグラン監督、衝撃のデビュー作!

両親が離婚したため、母ミリアム、姉と共に3人で暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。
ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていく。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。

長編初監督作品ながら、卓越した演出力で俳優から素晴らしい演技を引き出し、ヴェネチア国際映画祭をはじめ、世界各国で拍手喝采!2013年フランス映画祭で上映されたルグラン監督の短編『すべてを失う前に』がアカデミー賞短編部門にノミネートされるなど実力はかねてから評価されていた。今作は同じテーマを長編化した念願の1作。
第65回スペイン・ンセバスチャン映画祭の観客賞部門では、アカデミー賞受賞作品『スリー・ビルボード』に次ぐ第2位の高評価を得て、アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでは94点を獲得。フランスでは40万人を動員しロングランするなど快進撃を続けている。身近な音や暗闇などを効果的に使い、観客の想像力を最大限に引き出す手腕は見事。サスペンスを超えるドラマが誕生した。

2019年1月25日(金)よりシネマカリテ・ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開
公式サイト

キャスト

レア・ドリュッケール ドゥニ・メノーシェ トーマス・ジオリア マティルド・オネヴ

スタッフ

監督・脚本:グザヴィエ・ルグラン
製作:アレクサンドル・ガヴラスv 撮影:ナタリー・デュラン
2017年/フランス/93分/原題:Jusqu’a la garde/カラー/5.1ch/2.39:1ビスタ
日本語字幕:小路真由子
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
配給:アンプラグド

レビュー

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母子を守るのは一体何なのか

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:とえ2019-02-03

予想外にラストは恐ろしさからの号泣の作品だった これはある家庭におけるDVを描いた作品 そんな映画を観ながら思い出したことがある それは大学時代の友人の話 大学を卒業してから数年後、大学時代の同級生A君が結婚したという話を聞いた その時、私は普通に 「そうかA君は結婚したのか」と思った A君は、結婚して良い家庭を築きそうな人だと思っていたからだ しかし、それから数年後、友人からA君が離婚したと知らされた あまりの早さにビックリしたので事情を聞くと「妊娠してる奥さんに暴力を振るったらしいよ」と、これまた驚きの事実を聞かされた その瞬間、さーっと体中の血の気が引いたのを覚えている A君は、大学時代に一緒によく遊びに行った友人で、日頃から人に暴力を振るうような人ではなかった しかし、結婚して家庭に入った途端、私たちの知らない「内弁慶の顔」が出たようだった それ以来、DVというのは、周りの人には分からないところで密かに行われているもので、だからこそ、他人にはなかなか理解してもらえず、恐ろしいものなのだと思うようになった この映画は、そんなDVの難しさをジュリアンという息子の視点で描いている作品だった ジュリアンの両親は離婚しているのだが、父は裁判所でジュリアンとの面会日を要求する どんなに母が夫のDVを訴え、息子が父に会いたくないと言っても、司法は父に最低限の権利を与えてしまう 市民を守るべき法律が、全く機能していないのだ そこから事態は恐れていた方向へと向かっていく 司法が守ってくれないなら、誰が熊みたいな暴力男から か弱い母と息子を守るのか 現実世界では、ラブコメでよくあるようなムキムキのヒーローが突然現れるわけではなく、都合よく父に事故が起きて痛い目にあうわけではない その実態は 深夜に押しかけてくる夫の恐ろしさに怯え、ベッドで泣きながら震えている母子が大勢いるということなのだ 一体、何のために司法はあるのか そんなことを 考えさせられた作品だった いやはや、本当に恐ろしかった 結婚生活に人には言えない悩みを抱えている人に、是非、観て欲しい作品

日常の音が恐怖になる

評価: ★★★★★ (3点) 投稿者:pollux2019-01-31

冒頭の離婚調停シーンの20分では父親と母親・子の主張が相違し、第三者でみている側からは真実がわからないままストーリーが始める。後のトークショーで知ったのだが、フランスの実際の調停と同じ時間なんだそう。20分では本当の事はわからないのだなと思った。 父親に怒鳴られても、追い詰められても耐えるジュリアン。インターホン、車のドアを閉める音、クラクションですらビクッとなってしまう緊迫感。見ていて胸が苦しく、見終えた後も重苦しい感情が残るような映画だった。

フランス映画分からない

評価:★★★★ (1点) 投稿者:わせい2019-01-18

DVの夫から逃れたい母親と姉とジュリアン 裁判所の裁定は、父親と会えというものだった ジュリアン少年がいたいけなく哀れ エンディングは、まだまだ先があるだろうというところで ???でした。 フランス映画はわからない