レビュー
創意工夫がもたらす幸せ
アフリカのマウイの実話を元にした作品。 貧しい農村の少年が、学校で文字を学び、図書館で本を読み、風力発電を知り、灌漑用水施設を作るまでの物語。 知識が農村に役立つこと、科学が暮らしをより楽にするために役立つことを実践した少年に拍手です。
2001年、アフリカの最貧国マラウイを大干ばつが襲う。14歳のウィリアムは飢饉による貧困で学費を払えず通学を断念するが、図書館で一冊の本と出会い、独学で風力発電のできる風車を作り、乾いた畑に水を引くことを思いつく。
いまだに祈りで雨を降らせようとする村で、最愛の父でさえウィリアムの言葉に耳を貸さない。それでも家族を助けたいという彼のまっすぐな想いが、徐々に周りを動かし始める。
2010年に日本でも出版された 1冊のノンフィクションが、世界を驚かせ、興奮させた。中等学校を退学になった 14歳の少年が、人口の僅か2%しか電気を使うことが出来ない、世界で最も貧しい国アフリカのマラウイで、自分の頭脳と手だけを頼りに発電することに成功したのだ。彼の家族と村の人々を救うだけでなく、大学へ進学し、2013年にタイム誌の「世界を変える30人」に選ばれるという素晴らしい人生も手に入れた。
この現代の奇跡に感銘を受けた、『それでも夜は明ける』でアカデミー賞(R)主演男優賞にノミネートされた名優キウェテル・イジョフォーが、10年の歳月をかけて初監督作品として映画化を実現。2019年、サンダンス国際映画祭、ベルリン国際映画祭と立て続けに公式上映されて熱い喝采を浴び、NYのプレミア試写会では、国連難民高等弁務官事務所特使も務める、名女優アンジェリーナ・ジョリーからも絶賛された。
学ぶことが未来を切り開き、人生を豊かにしてくれる。それは子供たちだけではなく、私たちすべてが生涯を通してのことだと少年が教えてくれる、感動の実話。
キウェテル・イジョフォー、マックスウェル・シンバ、アイサ・マイガ
監督・脚本・出演:キウェテル・イジョフォー『それでも夜は明ける』
原作:「風をつかまえた少年」ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー著(文藝春秋刊)
提供:アスミック・エース、ロングライド
2018年/イギリス・マラウイ/英語・チュワ語/113分/シネマスコープ/カラー/5.1ch/原題:The Boy Who Harnessed the Wind/日本語字幕:松崎広幸
配給:ロングライド
アフリカのマウイの実話を元にした作品。 貧しい農村の少年が、学校で文字を学び、図書館で本を読み、風力発電を知り、灌漑用水施設を作るまでの物語。 知識が農村に役立つこと、科学が暮らしをより楽にするために役立つことを実践した少年に拍手です。