太宰治の没後75年を記念し、太宰治が戦争を描いた隠れた短編名作を映画化した『未帰還の友に』（12月15日(金)公開）より、予告編と新場面写真が到着。あわせて、「太宰治検定」実行委員として企画運営を行う太宰治研究家の木村綾子よりコメントが到着した。
太宰治の短編「未帰還の友に」は、戦争を背景にしながら、その時代に生きた人々の生活が描かれている。本作は、この短編小説に、当時の風俗として歴史に名を残している新宿ムーランルージュのエピソードを付け加えて、映画としてのオリジナルな物語を作り上げた。出征したまま未だ帰って来ない年少の友の身の上を思い、太宰を思わせる先生が懐かしく、にがく回想し、教え子の切ない恋愛と戦争によってちりぢりになってしまった二人のはかなさが描かれる。
メガホンをとったのは、太宰治の「女生徒」も映画化している福間雄三監督。本作の＜語り部＞として物語をリードしていく「先生」には、大林宜彦作品などで異彩を放つ窪塚俊介。教え子鶴田に土師野隆之介、その恋人を清水萌茄。その他、萩原朔美、水島裕子らが脇を固めている。
太宰治研究家・木村綾子 コメント（敬称略）
君は、君が、君の、君に──。
繰り返し「君」と呼び、語りかけるように綴られる原作の言葉を、文字ではなく音として、ずっと聴いてみたかった。ひゃっぺん繰り返した妄想を、本作が鮮やかに書き換えてくれた。先生が友を呼ぶ声とは、ふたりのあいだに流れていた時間とは、こんなにも優しく、切なく、そして愛おしいものだったのか。
ストーリー
小説家の先生（窪塚俊介）を慕う学生たち。先生は中でも、鶴田（土師野隆之介）に特別に友情を感じるようになる。そんな中鶴田は出征が決まり、一時先生と酒を交わす時間が取れる。二人の常連の居酒屋の娘・マサ子（清水萌茄）は新宿ムーランルージュの舞台に立っていたが、鶴田との恋は手紙のやりとりで続いていた。だが出征が決まった鶴田は苦しみながらも彼女との別れを決心し、先生にそのことを告げるのだった…。そして時代は戦争の泥沼の中で、多くの若者たちの犠牲を強いていく。
作品タイトル：『未帰還の友に』
出演：窪塚俊介／土師野隆之介／八島諒 亮王 清水萌茄 蒼井染 君澤透／名倉右喬 橘レイア 水島裕子／萩原朔美
監督・脚本：福間雄三
原作：太宰治「未帰還の友に」（太宰治全集・筑摩書房刊）
脚本：大隅充・福間雄三
音楽：原將人・山本無二
製作：幻野映画事務所
制作協力：幻野プロダクション
配給：トラヴィス
公式サイト：mikikan.com
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コピーライト：(C)GEN-YA FILMS 2023
2023年12月15日（金）よりアップリンク吉祥寺ほか全国ロードショー
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