20センチュリー・ウーマン

2017-04-24
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母さんは、15歳のボクのことを“彼女たち”に相談した。
1979年、ボクたちの特別な夏がはじまる。

1979年、サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。
ある日ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染みで友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」とお願いする。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった。

【introduction】
第89回アカデミー賞脚本賞(マイク・ミルズ)ノミネート作品
前作『人生はビギナーズ』(10)で、75歳でゲイであることをカミングアウトした自らの父親と自分自身の関係を描いたマイク・ミルズ監督。6年ぶりの新作は、自身が生まれ育った故郷サンタバーバラを舞台に、今度は自らの母親をモデルに「母と息子」の物語を完成させた。
お互いを必要としているのに、うまく表現できない、愛情深いシングルマザーと反抗期の15歳の息子。そして彼らを助ける2人の個性的な女性たちとの特別な夏をパンク・ロックなどの当時のカルチャーと共にユーモアを交えて爽やかに描きだした。
本作は、愛する人への真のつながりを感じる一瞬をとらえた「母と息子」の物語であるとともに、「20世紀の終わりに向けてスピードを上げて力強く突き進んでいく女性たち」の物語でもある。

母親ドロシア役を演じるのは、『キッズ・オールライト』の名女優アネット・ベニング。本作でゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされ、息子への無条件の愛、そして彼が足を踏み入れる世界に困惑の色を深めていく様子を、繊細かつ驚異的な感情のパワーで伝えている。
親子に関わる2人の個性的な女性を演じるのは、自由奔放な写真家アビー役を『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグと挑発的なティーンエイジャーの幼なじみジュリー役を『マレフィセント』、『ネオン・デーモン』の人気女優エル・ファニング。旬の女優たちによる豪華共演は見逃せない。

6月3日(土)丸の内ピカデリー/新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト

キャスト

アネット・ベニング『キッズ・オールライト』、エル・ファニング『ネオン・デーモン』、グレタ・ガーウィグ『フランシス・ハ』、ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ『スポットライト 世紀のスクープ』

スタッフ

監督・脚本:マイク・ミルズ『人生はビギナーズ』
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド

レビュー

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監督の母親への賛歌

評価: ★★★★★ (3点) 投稿者:paraguay2017-05-24

試写会に当選させていただき、本日鑑賞してきました。はじめて当たってうれしかったです。ありがとうございました。 内容は解説の通り。そんな5人の人物を丁寧に、あるある感満載で描写していきます。  母親の、”完璧に育てたい”という姿が、自分を鏡に映すようで、共感するやら痛いやら。  息子の、母に対する思いや、青年への階段を上る経験が、甘酸っぱく昔を思い出して共感するやらハラハラするやら。  そして、周りを取り巻く人々。  母目線で観たり、息子目線で観たり、周りの人々目線になったり、それぞれの立場に共感しやすい。  ウーマンリブにフェミニズム、ヒッピーなんていう、当時の世相を思い出す。こんな生き方にかぶれた人々居たよなあと、懐かしかった。セラピーグループにセラピストの近親者をクライエントとして入れるなんて、倫理にひっかかるだろと思いつつも、精神分析にしろ、エンカウンターにしろ、一大ムーブメントがあり、それを受けることが知識人・因習からの解放を目指す人という風潮もあった。もちろん、それへの反発もあった。  そんな当時の世相のドキュメンタリーのような映画。それを、センスのいい調度類(真似したい)・映像と、役者の表情でたっぷり見せてくれます。 ただ、人物の内面を吐露しているようなセリフ・場面はありつつも、人物を深く掘りさ出ているわけでもないし、スピード感あふれる展開もない。本当にリアルに日々の出来事をつづっていく。  ドラマや、エンターテイメントを期待していくと、退屈。  静かに映画に浸りたい方向けの映画だと思います。