レビュー
犬や猫との共存、誰にもやさしい社会
ネズミ駆除のために船には猫を乗せたという。そして港に猫が住みつくようになったそうな。 オスマントルコ帝国の首都イスタンブールでは飼い猫、飼い犬ではなく町猫、町犬がいる社会。 どのように町猫と付き合うのか、ほっこりするドキュメンタリーです。
生まれたばかりの子猫たちにエサをあげるために市場の食べ物を狙う虎猫の「サリ」、なでられるのが大好きなメス猫の「ベンギュ」、レストラン近くに住みネズミ退治を仕事にしている義理堅い性格の「アスラン」、喧嘩が強く、旦那を尻にしいているくせに嫉妬深い「サイコパス」、下町の市場に住み、そこで働く商売人や客たちと触れ合う看板猫の「デニス」、遊び人風で周囲の大人たちの心を虜にする「ガムシズ」、高級なデリカテッセンにいつも美味しいエサをもらっている礼儀正しい「デュマン」――古くから猫の街として知られるトルコの古都イスタンブール。生まれも育ちも全く違う、7匹の個性豊かな猫を軸に、イスタンブールの人々と猫の幸せな関係をとらえたドキュメンタリー。
【introduction】
RottenTomatoesでは98点という稀に見る高得点を獲得し、「今年最も愛らしく魅力的な作品になるだろう」(The Film Stage)、「魔法のような輝きを放つ、特筆すべきドキュメンタリー」(Variety)、「ジェイダ監督から猫たちへのラブレターは、私たちにも喜びを与えてくれた」(Boston Globe)と辛口批評家もその愛らしさの虜となった本作は、地上10センチメートルの地面すれすれのカメラを使い、猫と人間の幸せな関係を猫目線で描いた心温まるドキュメンタリー映画。
古くから猫の街として知られる、トルコ・イスタンブール。この街に住む野良猫たちは、人々から食料や寝床を与えられながら、ある人にとっては生き甲斐として、ある人にとっては人生のかけがえのない相棒として、周囲に生きる希望と癒しを与えながら自由気ままに生活している。
幼い頃から猫と一緒に暮らし、猫の習性を知り尽くしているジェイダ・トルン監督だからこそ撮ることのできた、猫の幸せそうな表情、そして猫を見つめる人々の愛情あふれるまなざし。観客を優しく包み込むような幸せ溢れる作品となっている。
主演猫:サリ、ベンギュ、アスラン・パーチャシ、サイコパス、デニス、ガムシズ、デュマン
監督:ジェイダ・トルン
製作:ジェイダ・トルン、チャーリー・ウッパーマン
2016年サイドウォーク映画祭・ベストファミリーフィルム
2016年/79分/原題:Kedi/アメリカ/5.1ch/ビスタ/カラー
配給:アンプラグド
ネズミ駆除のために船には猫を乗せたという。そして港に猫が住みつくようになったそうな。 オスマントルコ帝国の首都イスタンブールでは飼い猫、飼い犬ではなく町猫、町犬がいる社会。 どのように町猫と付き合うのか、ほっこりするドキュメンタリーです。