映画『見はらし世代』が、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、フランス現地時間5月18日夜に、黒崎煌代、木竜麻生、団塚唯我監督がレッドカーペットに登壇した。通常、監督週間部門での登壇はないが、映画祭側からの招待を受け、3人のレッドカーペット登場が実現した。

(C)Olivier Vigerie
本作は、若手映画作家育成事業ndjcにて短編『遠くへいきたいわ』を監督した団塚のオリジナル脚本による長編デビュー作。過去には大島渚、北野武、黒沢清、三池崇史、諏訪敦彦、河瀬直美、橋口亮輔、西川美和といった日本映画を牽引してきた監督たちが、そして昨年は河合優実主演、山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』が選出された監督週間で、26歳にして、日本人史上最年少での出品となった。
再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母親の死と残された父親と息子の関係性を描いた本作。主人公・蓮を演じるのは黒崎煌代。父親・初を演じるのは遠藤憲一。母親・由美子を井川遥、姉・恵美を木竜麻生が演じる。
カンヌ国際映画祭には初参加となる3人。黒崎煌代と団塚唯我監督は、タキシードに身を包み、木竜麻生は、小津安二郎監督作品での衣装を手がけるなどした染織工芸家の浦野理一氏による振袖を着用し、カンヌの夜を美しく彩った。

レッドカーペットを終えた感想を聞かれると、黒崎は「やっぱり、テンションも上がりましたね。大きい音やたくさんのカメラがあって、緊張するのかなと思っていたのですが、映画祭スタッフも歩く前にテンションを上げてくれて、3人でも『楽しもう!』と話していたので、実際に楽しむことができたと思います!」と興奮冷めやらぬ様子。
木竜は「一瞬のことであっという間に時間が過ぎてしまったのですが、カーペットを歩いたあとに、団塚監督が小声で『映画作ってよかった』とおっしゃっていたので、私はそれが聞けて満足です」と明かした。
監督の団塚も「あっという間でしたが、すごく楽しく3人で歩くことができてよかったです」と充実感を口にした。

改めて団塚は「日差しが強くて暖かくて、とても晴れやかな場所ですね」と現地を満喫できている様子。木竜は、「初めての参加ですが、街全体がすごく盛り上がっているのを肌で感じられています。街にとっての映画祭の存在の大きさを感じます」と口にし、黒崎も「小さい頃からスターの集まる場所だと思っていました。実際にスターの方々が集まって、街や観光客の方々が『見つけてやるぞ!』という感じでスターを探している様子は緊張感があって面白いですね」と街全体の熱気について語った。

映画『見はらし世代』の2025年秋全国公開。
ストーリー
再開発が進む東京・渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働く青年、蓮。幼い頃に母・由美子を亡くした彼は、そのことを契機にランドスケープデザイナーの父・初とすっかり疎遠になっていた。ある日、配達中に父に再会した蓮は、姉・恵美にもそのことを話すが、恵美は我関せずといった様子で黙々と自分の結婚の準備を進めている。そんな家族の状態の中で、蓮は家族の距離を測り直そうとするーーー
『見はらし世代』
出演:黒崎 煌代 遠藤 憲一 木竜 麻生 菊池 亜希子 中山 慎悟 吉岡 睦雄 蘇 鈺淳 服部 樹咲 石田 莉子 荒生 凛太郎 中村 蒼/井川 遥
監督・脚本:団塚 唯我
企画・製作:山上 徹二郎
製作:本間 憲、金子 幸輔
プロデューサー:山上 賢治
アソシエイト プロデューサー:鈴木 俊明、菊地 陽介
撮影:古屋 幸一
照明:秋山 恵二郎、平谷 里紗
音響:岩﨑 敢志
編集:真島 宇一
美術:野々垣 聡
スタイリスト:小坂 茉由
ヘアメイク:菅原 美和子、河本 花葉
助監督:副島 正寛
制作担当:井上 純平
音楽:寺西 涼
制作プロダクション:シグロ
『見はらし世代』製作委員会:シグロ、レプロエンタテインメント
(C)「見はらし世代」製作委員会
公式サイト:https://works.cine.co.jp/miharashi/
公式X:https://x.com/Miharashi_Movie
2025年秋全国公開