作家・浅倉秋成によるベストセラー小説を実写映画化した『俺ではない炎上』の大炎上御礼イベントが10月8日に新宿ピカデリーにて実施され、主演の阿部寛、共演の藤原大祐、夏川結衣が登壇した。

満員御礼で迎えたこの日、ある日突然SNS上で炎上&殺人犯に仕立て上げられた男・山縣泰介を演じた阿部は「最近はこういう時代ですから、発言には気を付けなければ」と笑わせつつ「これからはAIも発達していきますから、色々な事が起こるでしょう。そして色々な作品が増えていくでしょうから僕も挑戦していきたいですね」と挨拶した。
映画公開から2週間が経つが、阿部は「巷では、学校の教材にしたらいいのではないかという声も出ているようで。でも学校で観られたらどうなるんだろう。僕がパンツ一丁で出ているところとかね」とニヤリ。

最初に事件の投稿を拡散した大学生インフルエンサーでサクラ(芦田愛菜)と一緒に泰介を追う住吉初羽馬役の藤原も「ファンの方から『嫌いになりそうでした』という意見も頂いて。役なのに本人ではないかと思ってくださる方もいるみたいで、役者冥利に尽きます」と報告した。

山縣泰介の妻・芙由子役の夏川も「SNSは使い方次第で怖くなるねと。便利なツールだけれど、使い方ひとつで誰かを傷つけてしまう事を改めて感じたと言ってくれました」と周囲からの反響を明かした。

阿部と夏川は本作で7回目の共演、そして夫婦役では4回目の共演だという。阿部は「いつも違う感じで来てくれる。今回はそこまで共演できなかったけれど、完成作を観た時にこう来たかと。予想を超えて常に新鮮で、一番信頼している女優さんです」と全幅の信頼を寄せた。夏川も「阿部さんはすっごく優しいです!もう同志のような気持ちです。私も信頼しているし、俳優だけではなくスタッフにも人気が高い。絶大なる信頼を置いています」と返礼すると、阿部も「ええ、同志ですよ。いつも変わらないところが素晴らしくて、常に同じように接することが出来るのは唯一無二です」と語った。

次回の共演について夏川が「弁護士と容疑者をやれたら楽しそう。どうかしら?」とリクエストすると、阿部は「どっちが犯人?迷うな。どちらも面白いけれど、どちらかと言えば僕が追い込んだ方が…」と弁護士役に立候補。すると夏川も「うーん、私も追い込んでみたい!」とまとまらず、楽しそうな二人の雰囲気に藤原は「素敵な関係性。僕にもいつかそういう人が出来たらいいな」とコメントした。
そんな藤原について阿部は「藤原君は突拍子もないところがあって面白い。結構自分と気が合うところがある」と親近感を抱いているようで「どうですか?7回共演?」とラブコール。大先輩からの嬉しい提案に「え!?いいんですか逆に。マジで頑張ります!」と大興奮だった。
劇中で山縣夫婦は事情聴取を通じてお互いの事を深く知らなかった事が判明する。それにちなんで、それぞれのパーソナリティをYES or NO形式でつまびらかにするコーナーを実施。
<これまでの人生で「俺ではない!」「私ではない!」と言った・言いたかった事がある>には3人ともYES。阿部は「俺が食べたとか食べないとか。食い意地が張って兄貴のものをよく食べていたので『寛!』と言われて『俺じゃない』と言ったりして…」と照れながら意外な素顔を告白。未婚の夏川は知人から年賀状で結婚を祝福されたこと、藤原は大祐の読み方を間違われることなどを挙げた。

<私生活や仕事で逃げたい!と思った>経験には全員YES。阿部は蜷川幸雄の長時間に渡るロシア革命をテーマにした舞台の締めのセリフを完全に飛ばしてしまったことを告白。一方、タイが大好きという藤原が「ネパールに行く仕事の途中で訪れたタイで遊んでしまいたかった」などと話すと、阿部は「タイのどこが好きなの?僕もネパールやタイが好きだから…。もっているなと」と共通項に嬉しそう。さらに藤原が「タイはゴハンも美味しいし、常夏なのもいい。雑多なところも好き」とタイの好きなところをピックアップしていくと阿部は「そう!パワーをもらえるよな。…よしよし」と藤原を一層気に入った様子。

また<人には理解されないこだわりがある>には阿部と藤原がYES。阿部は「撮影中はシーンの繋がりを考えて髪の毛を自分で切るのが上手い。ボサボサの男の人はやってみたらどうですか?」とおススメ。一方、藤原が「お風呂でリンスを付けた状態で体と足を洗って、その後に頭から全部流したい」と風呂ルーティンを口にすると、阿部は「わかるよ!俺はその後にまた体を洗うけどね」とここでも通じ合っていた。
<人の隠し事や嘘を見抜くことに長けている>には藤原だけがYES。曰く「その人が考えている事や食べたいもの、前日に何をしていたのかがわかる。これは特殊能力。自分が怖い」と告白し、会場をざわつかせた。これには今まで通じ合っていた阿部も「これは…わからない」とコメント。

舞台挨拶後半には藤原が住吉初羽馬として阿部&夏川=山縣夫婦に向けて、偽情報を軽々とSNSで拡散させてしまった事についての謝罪&反省メッセージを読み上げた。
最後に夏川は「これから観ていただくお客さんのためにも温かい応援をいただけたら嬉しいです」と述べ、藤原も「メッセージ性のある作品でありながら、コミカルにポップに見られる作品です。ファーストタッチの美味しい映画だと思うので、良い炎上を皆さんの力で起こしてほしいです」とコメント。阿部は「反響の中に“意外と面白かった”というのがあって“意外と”が気になりますが、いい線突いているなと思います。観ていただいた皆さんがどういう風に思われたかわかりませんが、引き続き本作を応援していただきたいです」と呼び掛けていた。