映画『金髪』岩田剛典らキャスト陣&坂下雄一郎監督が東京国際映画祭の舞台挨拶に登壇

現在開催中の第38回東京国際映画祭にて、コンペティション部門に正式出品された映画『金髪』の上映前舞台挨拶が11月4日に実施され、主演の岩田剛典、共演の白鳥玉季、山田真歩、田村健太郎、内田慈、坂下雄一郎監督が登壇した。

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(左から)内田慈、山田真歩、岩田剛典、白鳥玉季、田村健太郎、坂下雄一郎監督

坂下監督自ら執筆したオリジナル脚本である本作は、日本独特のおかしな校則、教師のブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道という社会問題を背景に、大人になり切れない教師が、生徒たちの金髪デモに振り回されながらも成長していく様を、皮肉と愚痴と笑いを交えて描いた作品。

本作で教師役に初挑戦した岩田は「今日のためだけに髪の毛を金髪にしてきました!ウソです」と冗談を交えつつ、そのコメントが英語通訳されると知ると「同時通訳…恥ずかしいよ!すみませんね…」と赤面。坂下監督による脚本にゾッコンで「読んですぐにやりたいと、それくらい脚本力に魅了された作品です」と紹介し、「観ていただく皆さんの耳が痛くなるような世界観の話でもありますので、僕が演じた市川を反面教師として観て欲しいです」と語った。

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金髪デモ発起人の女子中学生・板緑役の白鳥は、劇中の金髪姿に触れて「金髪のウィッグを付けると家で考えていたよりも板緑に近づける気がして、金髪ウィッグに感謝しています」と振り返った。

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市川の同僚教師を演じた山田は、演じたキャラクターについて「学習指導要領的にはパーフェクトな先生かもしれないけれど、ある意味傍観者。もし私がこの先生に習っていたら卒業と同時に記憶から消してしまう様な気がする。でもそういう大人って多いのではないかと演じながら思いました」と分析。

坂下組常連俳優の田村は「坂下監督は…とにかく撮影が早い!演出も何かを言ってくれるわけでもなくて、『大丈夫…』とボソッと言って帰っていく。でも完成作を観ると完璧に仕上がっている。気付かぬうちに手のひらで踊らされていた感覚がある」と寡黙さを回想。これに岩田は「僕も昨日、監督の声を始めて聞きました。昨日番宣で監督とガッツリお話をして『こんな声をしていたんだ…』と思って。…嘘です!」とジョークで応答し、「今のも英訳されるのか。恥ずかしいな」と照れた様子を見せた。

同じく常連俳優の内田からも「今でも何を考えているのかわからない時があるけれど、初めてお会いした当初は笑いもしないし本当に何を考えているのかわからなかった」と明かされた坂下監督は、校則をテーマに作り上げた本作について「自分とは距離感のあるテーマの題材でしたが、作っていくうちに市川が共感しやすいキャラクターになった。距離の遠い題材と距離の近い主人公の変わった合わせ技のような作品になった」と手応えを語った。

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最後に主演の岩田は「自分も坂下監督の事を何を考えているのかわからない人だと思っていたら、坂下監督から『岩田さんは何を考えているのかわからない…』と言われました。この映画はお互いに何を考えているのかわからない人たちが作った映画になっています」と笑わせた。そして「冗談はさておき、『金髪』は校則をテーマにした映画ではありますが、世代間のギャップや人が成長するにつれて人が持っている価値観・常識が変わっていく、そのボタンの掛け違いを観て欲しいです。全世代に刺さる、共感できる映画を純粋に楽しんでほしいです!」と呼び掛けていた。

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その後、上映後には岩田と坂下監督が登壇し、観客とのQ&Aが実施された。

元教員という観客からの「教師役を演じるにあたって参考にした教師はいらっしゃいますか?」という質問に、岩田は「具体的にはいませんが、今まで触れてきた先生方はやっぱり意識しました。でも本作は脚本が全てで、市川は脚本が作りあげたキャラクターでした」と坂下監督が一からオリジナルで手がけた本作への信頼を語った。

次に「岩田さんは普段何をしてもかっこよくなりがちだと思うんですが、市川先生はダサくて残念な感じでした。市川先生のあの絶妙な表情はどうやって作っていったんですか?」との質問が投げかけられ、岩田は「事前にこういう表情を作ろうなど考えたことはなかったです。監督が引き出してくれたといっても過言ではないですね」と、続けて坂下監督への信頼を明かした。

一方、坂下監督は「あまり雄弁に話す方ではないので、脚本やト書きではなるべく細かく書くようにしています」と撮影をする上で意識していることを語った。

最後に、看護師を目指す学生から「夢に向かって頑張っている若い世代に向けてメッセージをいただきたいです」とエールを求められると、岩田は「失敗を恐れず挑戦してほしいです。自分に自信がなかったり、練習量が足りないこと、時間がないこと、年齢などを理由に挑戦することすらやめてしまうのはもったいない。失敗は失敗じゃないから、チャレンジしてほしいです」と背中を押す言葉を送った。

映画『金髪』は11月21日公開。

『金髪』
出演:岩田剛典 ⽩⿃⽟季 ⾨脇⻨ ⼭⽥真歩 ⽥村健太郎 内⽥慈
監督・脚本:坂下雄一郎
音楽:世武裕⼦
2025年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/103分/G
配給:クロックワークス
(C)2025 映画「金髪」製作委員会
kinpatsumovie.com

2025年11月21日(金)全国公開

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