サン・セバスチャンへ、ようこそ

2023-12-15
(C) 2020 Mediaproducción S.L.U., Gravier Productions, Inc. & Wildside S.r.L.

スペイン、情熱と美食の街サン・セバスチャン。華やかな映画祭の裏で恋が踊る“映画愛”溢れるロマンチック・コメディ

かつて大学で映画を教えていたモートは、今は人生初の小説の執筆に取り組んでいる熟年のニューヨーカー。そんな彼が映画業界のプレス・エージェントである妻スーに同行し、サン・セバスチャン映画祭に参加する。ところがスーとフランス人の著名監督フィリップの浮気を疑うモートはストレスに苛まれ、現地の診療所に赴くはめに。そこでモートは人柄も容姿も魅力的な医師ジョーとめぐり合い、浮気癖のある芸術家の夫との結婚生活に悩む彼女への恋心を抱く。サン・セバスチャンを訪れて以来、なぜか昼も夜も摩訶不思議なモノクロームの夢を垣間見るようになったモートは、いつしか自らの“人生の意味”を探し求め、映画と現実の狭間を迷走していくのだった…。

映画と美食の街として名高い、スペインのサン・セバスチャンで毎年9月に開催されるサン・セバスチャン国際映画祭。スペイン最大の国際映画祭であり、ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで重要な映画祭に位置付けられるこの映画祭を舞台に、ウディ・アレン監督が自身の集大成ともいえる映画愛溢れる一作を完成させた。

2024年1月19日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト

キャスト

ウォーレス・ショーン、ジーナ・ガーション、ルイ・ガレル、エレナ・アナヤ、セルジ・ロペス、クリストフ・ヴァルツ

スタッフ

脚本・監督:ウディ・アレン
撮影監督:ヴィットリオ・ストラーロ
2020年/92分/スペイン・アメリカ・イタリア/英語・スペイン語・スウェーデン語/カラー・モノクロ/ビスタ/原題:Rifkin’s Festival/日本語字幕:松岡葉子
提供:ロングライド、松竹
配給:ロングライド

レビュー

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ウディ・アレンの現在地

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:タバス子ちゃん2024-01-14

「今の批評家は現実の問題が入ってれば絶賛する」と言う若い監督に妻が夢中なのも彼の娯楽映画も気に入らない作家 クラシック映画は良かった…そう考えながら散歩していると気付けば8 2/1の世界へ!眠れば市民ケーンの夢 しかしその夢には現実の問題が入っている 映画は現実逃避なのか? いつも通りウディ・アレンが自己投影してる主人公はユダヤ系で、神経質で、よくしゃべって、かかってない病気を気に病んで、映画や音楽の趣味が良すぎて誰からも理解されず、それでも“話のわかる美女”と仲良くなるんだけど、都合の良い美女像を描き続けてきたことに対する自己批判の色が強くて良かった 彼女を“話のわかる美女”にしようとして拒絶されるくだりの滑稽さよ!

ウディ・アレンの映画愛

評価: ★★★★★ (4点) 投稿者:明日風2024-01-12

風光明媚なサン・セバスチャンの地で行われる映画祭を舞台に繰り広げられる、男女のあれこれ。 実はウディ・アレンが1番描きたかったのはストーリーを構成するはずのこの部分ではなく、要所要所に挿入されるモノクロのパートだったのだろうと思う。 彼の愛するクラシック作品をオマージュして構成された、妄想にも似たシーンの数々。その元ネタはどの作品か、何故そのシーンと作品を選んだのか。 そんなことを想像しながら観るのも面白いかもしれない。

皮肉な世界観が好き

評価: ★★★★★ (3点) 投稿者:tomoboop2024-01-11

ウッディ・アレン監督の皮肉な人生観や恋愛観が好きで何作も観ています。前作の「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」も大ヒット作ではないけれど、ティモシー・シャラメがチェットベイカーの曲の弾き語りをするシーンが印象的で好き。 今回も軽快なジャズにのって展開される中年?(老年?)男の愛と嫉妬の物語が可笑しくも悲しくて、相変わらずの世界観。 途中、白黒にクラシックムービー風になる妄想のシーンが面白かったです。