川上未映子による小説「すべて真夜中の恋人たち」(講談社文庫)が、主演に岸井ゆきの、共演に浅野忠信を迎え、映画化することが決定。また公開決定に伴い、キャスト・監督・原作者よりコメントも到着した。

2008年「乳と卵」で芥川賞、2019年「夏物語」では毎日出版文化賞を受賞し、世界40ヵ国以上で刊行されるなど国内外から熱い支持を得ている川上未映子による初の恋愛小説「すべて真夜中の恋人たち」(講談社文庫)。
2011年の発行以降、国内累計発行部数40万部を突破、本作で全米批評家協会賞小説部門に日本人初のノミネートを果たしている。
さらには米・TIME誌が選ぶ2022年の必読書100冊に選出されるなど、海外でも人気を博す不朽の恋愛小説だ。そして今回、川上にとって初の長編小説の映像化となる。

原作書影
本作は人との関わりを拒み孤独に生きてきた主人公の冬子が、年上の男性三束と出会い、自らの孤独や感情と向き合う物語。映像化するのは『あのこは貴族』(21)の岨手由貴子監督。岨手監督にとっては約5年ぶりの長編映画となる。
フリーの校閲者で人との関わりを避けながら孤独な生活を送る主人公「入江冬子」を演じる岸井。作品のオファーを受ける前から原作小説のファンだったという岸井が、一人の男性と出会い自らの孤独や初めて芽生えた感情と向き合う等身大の女性を演じている。そして浅野は、ひょんなことから冬子と出会い交流を深める物理教師「三束」を演じる。
2人は初共演となり、日常で偶然出会いささやかな幸せを共有しあう冬子と三束の繊細な距離感を表現。
「女と男が出会い関係が変化していく」という恋愛物語を題材に、現代人が抱えるリアルな孤独感やそれでも人と向き合うことの幸せや、尊さをまっすぐに描いた繊細な人間ドラマが描かれる。

岸井ゆきの コメント
川上未映子さんの小説が大好きで、様々な媒体でお話しさせていただくほどでした。
『すべて真夜中の恋人たち』は、私の中であまりにも完成されていて、映画になることもその主人公を担うのも不安が大きく難しいと感じましたが、この物語が映像として立ち上がるとき、冬子として立っていたいと思いました。
大好きな原作の文字のイメージから抜け出すのには試行錯誤しましたが、目の前にいる監督やスタッフと今そこに在るものを信じて、16ミリフィルムに閉じ込めることが出来ました。
原作を愛するすべてのみなさまにもう一度冬子に出会っていただきたく、まだ冬子を知らないみなさまには、この世界を知ってほしいです。

浅野忠信 コメント
『すべての真夜中の恋人たち』公開決定!とても嬉しいです!
三束さんという役を演じるにあたり、彼の秘密をとことん考えました。
しかしこの役をより確かなものにできたのは岸井ゆきのさんが演じる入江冬子さんがいたからです。
そして岨手由貴子監督に自分の作った三束さんを理解していただき共にフィルム撮影できる事でより深く作品を表現できたと思っています。

監督・脚本:岨手由貴子 コメント
はじめて原作小説を読んだときのこと、岸井さんや浅野さんにお会いしたときのこと、ロケハン中や夜の会議室であれこれ構想したこと。そんなひとつひとつの断片が確かな線を結んで、ようやく一本の映画が完成しました。
映画をつくるたびに感じるのですが、企画段階から完成に至るまでに交わされたあらゆる会話が、いつも重要な気づきを与えてくれて、どこへ向かうべきかの道しるべになってくれます。
この素晴らしい原作に魅せられたスタッフ、キャストとの出合いが、映画『すべて真夜中の恋人たち』をつくりあげました。
公開までまだ少しありますが、多くの方に観てほしいし、この物語について話してほしい。
その日が待ち遠しくて仕方がありません。

原作:川上未映子 コメント
世界中の読者から、この作品への心のこもった感想を受けとるたびに、まるで青白い炎にふれているような気持ちになります。岨手監督によって、そして岸井ゆきのさん、浅野忠信さんが演じる冬子と三束さんによって、その静かな熱はさらに濃く深くなり、文章では見ることのできなかった、知ることのできなかった、たくさんの感情や記憶に出会いました。みなさんに観ていただける日が今から楽しみでなりません。
『すべて真夜中の恋人たち』
出演:岸井ゆきの 浅野忠信
監督・脚本:岨手由貴子
原作:川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」(講談社文庫)
製作:『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
製作幹事・配給:ビターズ・エンド
(C)2026『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会
@subemayo_movie
2026年、全国ロードショー