【レポート】『ある男』日本外国特派員協会記者会見で原作の平野啓一郎氏&石川慶監督が映画化に至った経緯や想い語る

ある男

映画『ある男』(11月18日(金)公開)の原作を手掛けた小説家・平野啓一郎氏と、石川慶監督が日本外国特派員協会の記者会見に登壇した。

『ある男』日本外国特派員協会記者会見 概要

日時:11月1日(火) 20:10~21:00
登壇者(敬称略):平野啓一郎、石川慶
場所:公益社団法人 日本外国特派員協会

本編上映後、興奮冷めやらぬ会場に登場した二人は大きな拍手で迎えられた。はじめに石川監督が「こんばんは。監督の石川慶です。本日はご招待いただきありがとうございます。みなさんがこの作品をどのように受け取ったか、感想を聞きたいので、ご質問楽しみにしております。」、平野氏が「ある男の原作を書いた平野啓一郎です。招待していただきとても光栄に思います。今日の主役は監督だと思っているので、監督に沢山質問していただけたら嬉しく思います(笑)。よろしくお願いします。」と一言ずつ挨拶した。

早速、司会のキャレン・セバンズ氏より「平野さんの原作をどのように見つけ、どのように映画化されようと思ったのですか」と問われた石川監督は、「平野さんはほぼ同年代ですので、鮮烈なデビューをされてからずっと読ませていただいております。映画を作る時は、長い時間をかけて取り組むことになるので、ただ面白いだけではなく、数年かけて取り組めるテーマがあるのかどうかをいつも重要視しています。平野さんの作品はとても大きい存在だったので、なかなか手を出せずにいたのですが、『ある男』に関しては、この構造の話であれば、自分の手で映画化できるのではないかと思った作品でした。まず、ミステリーとして純粋に面白かったです。また、私は『砂の器』や『天国と地獄』など、社会問題をしっかりと扱いつつ、エンターテインメントとして成り立ていた往年の日本映画が好きでしたし、映画化するにあたって、原作が良く知られていることも、日本ではとても大事なことなので、この両方を兼ね備えた稀有な原作だと思いました」と回答。

続けて、「実際に映画化されて満足ですか?」と司会から質問された平野氏は「もちろんです。原作に対して、映画化のオファーがいくつかあったのですが、その中で石川監督が手掛けてくださることがとても魅力的で、監督がこの作品を手がけてくれたことを非常に幸福に思ってます。」と答えた。

その後、2人は会場に集まった日本外国特派員協会に所属する記者からの質問に答えた。

【外国特派員協会員のQ&A】

Q:ルネ・マグリットの「複製禁止」という絵を映画であのように表現した理由についてお聞かせください。
石川:あの絵は平野さんの小説にも出てきますが、映画を作る上であの絵自体が、この物語のテーマそのものだと思いました。また、物語を俯瞰してみる視点が、自分の中で大事だと思っていたので、作中の構造にしています。

Q:文字と映像はかなり違うと思うのですが、完成された映画を観て面白かった箇所、また率直にどのように感じたのか教えてください。
平野:どうしても小説家は物語の構成を、言葉のロジックで考えるしかないのですが、石川監督は映画化されるにあたって、一度物語を解体してから、映像のロジックによって、それぞれの場面を繋いでいくということをされていて。特に前半それが非常に成功しているように感じまして、その手腕に敬服しました。また、原作よりも映画の方が、里枝と「谷口大祐」と名乗っていたXの結婚生活の幸福感が長い尺で描かれていて、そこが原作とは違うところですが、その場面での安藤さんや窪田さんの表情が非常に魅力的で、映画ならではの表情が見えて印象的でした。

Q:本作は釜山国際映画祭でクロージング作品として上映されましたが、劇中では在日韓国人の描写もありました。現地の観客はどのような反応でしたか。
石川:クロージング上映は、上映後皆さんの感想を聞くことができないので、実際のところはわからないですが、僕の肌感覚としては、それがテーマの映画だとは、多くの人が捉えていなかったと思います。我々としてもそういった社会的なテーマの映画を作ろうとは思ってなかったので、今のところは我々の思っていることが伝わったと思っています。

ある男

イントロダクション
累計30万部を超える平野啓一郎のベストセラー小説を映画化した本作は、主演の妻夫木聡をはじめ、安藤サクラ窪田正孝清野菜名眞島秀和小籔千豊仲野太賀真木よう子柄本明ら日本を代表する豪華俳優陣が集結した珠玉の感動ヒューマンミステリー。第79回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門へ出品に続き、第27回釜山映画祭のクロージング作品として上映され、海外で高い評価を得ている。

ストーリー
弁護士の城戸(妻夫木)は、かつての依頼者である里枝(安藤)から、里枝の亡くなった夫「大祐」(窪田)の身元調査という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。そして新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。愛したはずの夫「大祐」は、名前もわからないまったくの別人だったのだ…。
「ある男」の正体を追い“真実”に近づくにつれて、いつしか城戸の中に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく―――。

作品タイトル:『ある男』
出演:妻夫木聡 安藤サクラ 窪田正孝
清野菜名 眞島秀和 小籔千豊 坂元愛登 山口美也子
きたろう カトウシンスケ 河合優実 でんでん
仲野太賀 真木よう子 柄本 明
原作:平野啓一郎「ある男」
監督・編集:石川慶
脚本:向井康介
音楽:Cicada(Taiwan)
企画・配給:松竹

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/a-man/
公式Twitter:@a_man_movie
公式Instagram:@movie_a_man
コピーライト:(C)2022「ある男」製作委員会

11月18日(金) 全国ロードショー

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