激動の20世紀、アルプスに生きた名もなき男の愛と幸福に満ちた一生を描く『ある一生』7月公開決定

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世界40言語で翻訳、160万部以上発行されたベストセラーを映画化した『Ein Ganzes Leben(原題)』が、『ある一生』の邦題で7月12日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開されることが決定し、日本版ポスターが公開された。

1900年頃のオーストリア・アルプス。孤児の少年アンドレアス・エッガーは渓谷に住む、遠い親戚クランツシュトッカーの農場にやってきた。しかし、農場主にとって、孤児は安価な働き手に過ぎず、虐げられた彼にとっての心の支えは老婆のアーンルだけだった。彼女が亡くなると、成長したエッガーを引き留めるものは何もなく、農場を出て、日雇い労働者として生計を立てる。その後、渓谷に電気と観光客をもたらすロープウェーの建設作業員になると、最愛の人マリーと出会い、山奥の木造小屋で充実した結婚生活を送り始める。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった・・・。第二次世界大戦が勃発し、エッガーも戦地に召集されたもののソ連軍の捕虜となり、何年も経ってから、ようやく谷に戻ることができた。そして、時代は過ぎ、観光客で溢れた渓谷で、人生の終焉を迎えたエッガーは過去の出来事がフラッシュバックし、生涯を共にしたアルプスの光景を眼前に立ち尽くす―。

原作であるローベルト・ゼーターラーの同名小説(新潮クレスト・ブックス)は、世界40ヵ国以上で翻訳され160万部以上発行、ブッカー賞最終候補にもなった作品である。“世紀の小説”“小さな文学の奇跡”などと評された原作を忠実に、かつ美しい情景と共に視覚的に見事に映画化した本作は、激動の20世紀の中、80年にわたって暴力、戦争、貧困に耐えなければならなかったアンドレアス・エッガーの孤独な苦難の人生を描いている。しかし、そんな名もなき男の人生の中にも幸福な瞬間と大きな愛があり、エッガーは自分の人生を受け入れ、無骨に生き抜いていく。

アンドレアス・エッガーは時代ごとに3人の俳優が演じている。青年期を新人のシュテファン・ゴルスキー、老齢期をアウグスト・ツィルナー、幼少期を新人のイヴァン・グスタフィクがそれぞれの年齢で説得力を持って演じた。その他、アンドレアス・ルストユリア・フランツ・リヒターマリア・ホフステッタートーマス・シューベルトマリアンネ・ゼーゲブレヒトロバート・スタッドローバーらが脇を固めている。

監督は、『ヒランクル』(03)、『アンネ・フランクの日記』(16)のハンス・シュタインビッヒラー、脚本は、『マーサの幸せレシピ』(01)のウルリッヒ・リマー

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『ある一生』
出演:シュテファン・ゴルスキー、アウグスト・ツィルナー、アンドレアス・ルスト、ユリア・フランツ・リヒター
監督:ハンス・シュタインビッヒラー
脚本:ウルリッヒ・リマー
2023年/ドイツ=オーストリア映画/ドイツ語/115分/カラー/シネスコサイズ/G
原題:Ein Ganzes Leben
英題:A Whole Life
原作:「ある一生」ローベルト・ゼーターラー著、浅井晶子訳(新潮クレスト・ブックス)
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
配給:アット エンタテインメント
(C)2023 EPO Film Wien/ TOBIS Filmproduktion München

7月12日(金)、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

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