濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』が第80回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を獲得!

悪は存在しない
(C) 2023 NEOPA / Fictive

第80回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』(英題:Evil Does Not Exist)が、最高賞の金獅子賞に次ぐ「銀獅子賞(審査員大賞)」を受賞した。

濱口監督は、映画『偶然と想像』(21)で第71回ベルリン国際映画祭の審査員グランプリ(銀熊賞)を受賞、映画『ドライブ・マイ・カー』(21)では第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を含む計3部門を受賞し(第94回米アカデミー賞で国際長編映画賞も受賞)、それに続くヴェネチア国際映画祭での受賞という世界3大映画祭を制覇した。日本人では黒澤明監督以来の快挙となる。

さらに今回、映画祭本体とは別機関からの「並行賞」として、「国際批評家連盟賞」(国際映画批評家連盟によって選ばれる、ヴェネチア国際映画祭の独立賞のひとつ)、「映画企業特別賞」(「企業の倫理」について考察を与える映画に送られる賞)、「人・職場・環境賞」(特に「環境問題」に対する現代的アプローチに対して)の3つの賞も受賞した。

本作は、映画『ドライブ・マイ・カー』(21)で初顔合わせした濱口監督と石橋英子(音楽)による共同企画。はじまりは、石橋がライブパフォーマンスの為の映像を濱口に依頼したことで、濱口はこれを快諾。2人による「音楽×映像」プロジェクトがスタートした。その音楽ライブ用の映像を制作する過程で、106分の長編劇映画として完成した。

また、『悪は存在しない』と共通の映像素材からつくられた石橋の音楽ライブ用サイレント映画『GIFT(ギフト)』は、10月にベルギーで開催されるゲント国際映画祭で初披露され、それ以降、石橋によるライブ・パフォーマンスとともに世界各地で上映が予定されている。

ストーリー
自然が豊かな高原に位置する長野県水挽町は東京からも近いため、近年も移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧とその娘・花の生活は自然のサイクルに合わせた慎ましいものだ。ある日、巧の家の近くでグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が政府からの補助金を得て、その設営を計画した。しかし、彼らが町の水源に汚水を排水しようとしていることがわかり、町内は動揺し、その余波は巧の生活にも及んでいく。

作品タイトル:『悪は存在しない』
出演:大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁ほか
企画・監督・脚本:濱口竜介
企画・音楽:石橋英子
撮影:北川喜雄
録音・整音:松野泉
製作:株式会社NEOPA/合同会社フィクティヴ
プロデューサー:高田聡

コピーライト:(C) 2023 NEOPA / Fictive

2024年、公開予定

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