映画『ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~』公開決定 ―特報予告と場面写真解禁

学生運動終焉期にエスカレートしていった“内ゲバ”を描いたドキュメンタリー映画『ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~』が5月25日(土)より公開されることが決定。あわせて、特報予告が解禁された。

約50年前、早稲田大学で起こった内ゲバ殺人事件「川口大三郎リンチ殺害事件」を契機に、各党派でエスカレートしていった“内ゲバ”。本作は、これまでほとんど語られてこなかった“内ゲバ”の真相に、当事者の視点から切り込んだ書籍「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」(著:樋田毅/文藝春秋)を原案に、当時の関係者の証言ドキュメントと鴻上尚史・演出の短編劇によって立体的に描き出したドキュメンタリー映画となっている。

約50年前の1972年11月8日、早稲田大学キャンパスで一人の若者が殺された。第一文学部二年生だった川口大三郎君。自治会を牛耳り、早大支配を狙う新左翼党派による凄惨なリンチが死因だった。学生運動終焉期にエスカレートした“内ゲバ”の嵐。その死者は100人を超える。理想に燃えた当時の若者たちが、革命という名の下に肯定していった「暴力の論理」を今、解き明かす―。

★内ゲバ=内部ゲバルトの略。ゲバルトはドイツ語で「暴力」を意味する。一般的には日本の学生運動や新左翼党派間での暴力を行使した党派闘争を指す

“内ゲバ”の真相に当事者の視点から切り込んだ書籍『彼は早稲田で死んだ』との出会いから本作の製作は始まった。著者の樋田毅をはじめ、現在は70代前後の当事者たちの証言が積み重ねられていく一方で、「内ゲバとは何だったのか?」という大きな疑問がひろがっていく。その疑問を現代に手繰り寄せるために、川口くん事件を再現する短編劇パートを創作。演出は、早大出身の劇作家・鴻上尚史、演じるのは現代の若者たち。

監督は、『三里塚に生きる』『三里塚のイカロス』『きみが死んだあとで』で、政治闘争が渦巻いた“あの時代”を描き続けてきた代島治彦。徐々に過去の歴史になりつつある時代の記憶と体験を、四たびドキュメンタリー映画に凝縮した。音楽は、代島監督作品には欠かせない大友良英が担当。激情と悔恨が織り混ざった楽曲が、本作全体を覆う暴力と無力感、そして相反する鎮魂のイメージを奏でる。


原案本
「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」
(著:樋田毅/文藝春秋)

不条理な暴力に私たちはどう抗えるのか―。内ゲバが激化した一九七二年、革マル派による虐殺事件を機に蜂起した一般学生の自由獲得への闘い、いま明かされる衝撃の事実とは。不穏な時代に翻弄され、立ち竦むすべての人に捧げる渾身のルポ。第53回大宅壮一ノンフィクション賞 受賞。著者・樋田毅も本作に当時の証言者の一人として出演している。

また本作をより広く伝えるために、「クラウドファンディング」も開始した。

◆クラウドファンディングページ
https://motion-gallery.net/projects/GEWALTnoMORI


作品タイトル:『ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~』
監督・企画・編集:代島治彦
撮影:加藤孝信/プロデューサー:沢辺均/音楽:大友良英
劇パート 脚本・演出:鴻上尚史/劇パート出演:望月歩(川口大三郎 役)、琴和(女闘士 役)ほか/出演:池上彰、佐藤優、内田樹、樋田毅、青木日照、二葉幸三、藤野豊、永嶋秀一郎、林勝昭、岩間輝生、吉岡由美子、大橋正明、臼田謙一、野崎泰志、岡本厚、冨樫一紀、石田英敬
(2024/日本/134分/日本語/カラー/DCP)
制作:スコブル工房
製作:「ゲバルトの杜」製作委員会(ポット出版+スコブル工房)
配給:ノンデライコ

公式サイト:gewalt-no-mori.com
公式X(旧Twitter):@gewalt_no_mori

2024年5月25日(土)より ユーロスペースほか全国順次公開

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