松嶋尚美が家族への愛情に共感『おばあちゃんと僕の約束』特別試写会レポート

映画『おばあちゃんと僕の約束』の特別試写会が6月11日に都内にて行われ、上映前にタレントの松嶋尚美が登壇した。

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本作は、大学を中退した無職の青年エムとステージ4のガンを患う祖母メンジュを中心に、遺産相続をめぐる三世代の家族の物語。本国タイでは、涙なしには観られないことから、鑑賞後に号泣する観客の様子がTikTokをはじめとするSNSで若者を中心に大拡散。社会現象となり、世界興収約120億円超の記録的な大ヒットに繋がった。

二児の母親として子育てと実母の介護も行なう、ダブルケアラーでもある松嶋は、本作の感想を訊かれると「一緒に暮らしていると家族ってわかりやすいんやけど、離れて暮らしていると、ちょっと身内感がない。(主人公のエムが)不謹慎になる気持ちも分かる。一緒に住むと、相手への感情や思いやりが変わっていくんやろうなあって。実際にうちの家とかでもそんな感じだった」と話した。

「おばあちゃんって、遠慮せずに言うんです。それはアカンとか、それは間違ってるとか。でも意外と遠慮して、気を遣って生活している。私生活でも思うし、この映画でも感じたんです。お互い気を遣っているから、お互い寂しい思いもしている」としみじみ。

続けて、世代間の違いが描かれる本作について「何十歳も離れてるから、その間で、便利なものがいっぱい出来てる。生活リズムも違う。同じ国と同じ人種なんだけど、世代が違うだけで、道具も文化も違う。それが見ていて面白かったですね」と魅力を語った。

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2021年に、大阪で暮らしていた実母を東京に呼び、一緒に暮らし始めたという松嶋は、「まさかお母さんも84か85歳で都民になるとは思ってなかったと思うんですけど(笑)急遽暮らすことに。エムの気持ちがわかる。やっと慣れましたけど初めは、どこまでこの人はできるんやろう?どこまで助けるの?薬って絶対飲まなあかんの?ってところから」と振り返り、「ちょくちょく大阪にも帰って、お母さんとも会ってるんやけど、詳しく見れてないんでしょうね。お母さんのこと見てるようで見えていなかったんだろうなと改めて思いましたね」と心のうちを吐露。

母親と子供たちとの違いについては、「言葉が違う。おばあちゃんは大阪弁。子供には全く伝わらない。食事中に、おばあちゃんが『ぎょうさん食べや」って言うと、子供たちが「ママ、ぎょうさんってどれのこと?」って。私も大阪弁やけど、さすがにぎょうさんとは言わへんから」とエピソードを披露すると、客席からは笑いが起こった。

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本作のどのキャラクターに共感したか訊かれると、「普通に観たら、エムのお母さん。(母と孫の)間を取り持つ役で、お母さんなりに気を遣う。でも自分が歳をとって、先のことを考えたときには、おばあちゃん」と回答。エムの叔父で、メンジュの息子にも触れ、「出来損ないでも我が子って守るんやなって。全員が全員、素晴らしい人間性なわけはないじゃないですか。捨てきれない、縁を切られへん、助けたい。あの子は私が何とかしてあげなくちゃ、と正当な理由を付けてしまう。複雑な思いで、観てました。他人からすると、いい大人なんだからってなるところ、いざ自分の子供の話ってなったとき、手助けしちゃうんだろうな」と自身の立場に紐づけて語った。

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トーク後半、主人公エムを演じたビルキンことプッティポン・アッサラッタナクンの話にも。タイでは、俳優・歌手として大スターのビルキンについて「かわいらしい」とコメント。「初めは親の立場で観るから、もー腹立つ腹立つ。もうちょっと真っ当になりなさい。顔だけか!って思っててん」と言うと、会場は爆笑。

「だんだんこの子に感情移入しちゃうんだよね。彼の魅力がこの映画を引っ張ってるなと思いました」と太鼓判を押した。「エムくんの立場で観たときに、彼なりに気を遣っていることがわかる。腹立つ、悔しい、こんなはずじゃないのにおばあちゃんは何見てんのーって、いろんな気持ちが…」と言葉に詰まり、家族ゆえの歯痒さもあらわにした。

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最後に、これから映画を観る人へのコメントを求められると、「エムくんがかっこいい」と断言し、またまた客席からは笑いが。続けて「これ以上話すと、ネタバレしてしまいそうで、おそろしい。でも前半と後半で、全員に対して、感情が変わった。全員じゃないか…。いや、出来損ないって思っていた兄弟ですら変わった。ぜひ見てほしい」と締め括り、関西人ならではのトークで、あたたかい笑いに包まれながらイベントは幕を閉じた。

映画『おばあちゃんと僕の約束』は、6月13日より公開。

『おばあちゃんと僕の約束』
出演:プッティポン・アッサラッタナクン(ビルキン) ウサー・セームカム サンヤー・クナーコン サリンラット・トーマス(『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』) ポンサトーン・ジョンウィラート トンタワン・タンティウェーチャクン
監督・脚本:パット・ブーンニティパット(TV版「バッド・ジーニアス」)
脚本:トッサポン・ティップティンナコーン
製作:ワンルディー・ポンシティサック ジラ・マリクン
音楽:ジャイテープ・ラーロンジャイ
撮影:ブンヤヌット・グライトーン
編集:タマラット・スメートスパチョーク
2024年/126分/タイ/原題:Lahn Mah/カラー/5.1ch/1.85:1
日本語字幕:小河恵理
後援:タイ国政府観光庁
配給:アンプラグド
(C)2024 GDH 559 CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

公式サイト:unpfilm.com/lahnmah
公式X:@lahnmahjp
公式Facebook:@lahnmahjp

6月13日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開

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