【レポート】シリル・ルティ監督来日!トークイベント開催『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)

『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』のシリル・ルティ監督が来日し、公開初日の9月22日(金)に新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペースの3館にて上映後にトークイベントが行われた。

はじめに新宿シネマカリテにて12時15分の回上映後に、本作の監督シリル・ルティと、聞き手にアンスティチュ・フランセ 映画主任/映画批評の坂本安美によるトークイベントが行われ、作品の見どころを掘り下げた。

女優マーシャ・メリル、ジュリー・デルピー、ナタリー・バイ、ハンナ・シグラ、映画監督ロマン・グーピル、批評家のティエリー・ジュスら豪華な出演陣による新たなインタビューを中心に構成される本作。その人選について聞かれるとシリル監督は「ゴダールの映画を語るのであればやはり映画作家に話を伺おうとしたが、ゴダールのパーソナリティを浮かび上がらせるために個人的にゴダールを知っている人にインタビューするほうが良いのではないかと思い、途中で方向転換をした」とコメント。

続いて坂本が「これまで以上に女性たちがゴダールについて語り、さらにリラックスして楽しそうに語る姿が記憶に残る作品」「意識して女性たちの声を取り入れたのか」と質問すると、「男性はゴダールに対して敬意、そして畏敬の念が証言に垣間見れるが、女性はとても自由に語る。だからこそ女性たちが語るゴダール像は人間的なゴダールを浮かび上がらせたのではないか」とコメントした。

奇しくも本作が第79回ヴェネツィア国際映画祭ヴェネツィア・クラシック・ドキュメンタリー部門にて上映された1週間後の2022年9月13日に自らその生涯を閉じたゴダール。本作はゴダールの「たとえ希望が叶わなくても、我々は希望を持ち続ける」という言葉を冒頭と終盤に引用しているが、その意図について聞かれると「ゴダールの不屈の精神がこの言葉に表れている。本作は追悼としての作品ではなく、現在進行形のシネアストについて語った作品」、さらに「若い観客にかけ橋を渡したい」と締めくくった。

さらにシリル監督は、ユーロスペースにて16時の回上映後(聞き手:小柳帝(ライター/編集者))、シネスイッチ銀座にて18時10分の回上映後(聞き手:矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター))に登壇し、日本の観客に挨拶をして回った。


ストーリー
1950年代末から60年代のフランス映画界で革新的な映画運動、「ヌーヴェル・ヴァーグ」を先導し、常に独自のスタイルを開拓・探究しながら最前線を駆け抜けたシネマの巨人にして鬼才、ジャン=リュック・ゴダール。自ら選択した安楽死だと伝えられた衝撃の死から1年。いま改めて振り返る20世紀映画界の伝説であり永遠の反逆児、ゴダールの人生とは?その伝説の陰に隠された、一人の「人間」としてのゴダールの知られざる素顔に迫る最新ドキュメンタリー。

作品タイトル:『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』
出演:マーシャ・メリル、ティエリー・ジュス、アラン・ベルガラ、マリナ・ヴラディ、ロマン・グーピル、ダヴィッド・ファルー、ジュリー・デルピー、ダニエル・コーン=ベンディット、ジェラール・マルタン、ナタリー・バイ、ハンナ・シグラ、ドミニク・パイーニ
監督:シリル・ルティ
原題:Godard seul le cinéma
英題:Godard Cinema
字幕:齋藤敦子
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
提供:シネゴドー、ミモザフィルムズ
2022年/フランス/フランス語/105分/カラー・モノクロ/1.78 : 1/5.1ch
配給:ミモザフィルムズ

公式サイト:http://mimosafilms.com/godard/
コピーライト:(C)10.7 productions/ARTE France/INA – 2022

9月22日(金)より新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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