【レポート】『こんにちは、母さん』完成披露試写会に吉永小百合、大泉洋ら豪華キャスト&山田洋次監督登壇!

こんにちは、母さん

映画『こんにちは、母さん』(9月1日(金)公開)の完成披露試写会に、吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、山田洋次監督が登壇した。

映画『こんにちは、母さん』完成披露試写会 概要

日時:7月31日(月) 12:30~13:15 ※上映前舞台挨拶
登壇者(敬称略):吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、宮藤官九郎、田中泯、山田洋次監督
会場:丸の内ピカデリー1

多くの観客に迎えられる中、キャスト&監督がそれぞれ一言ずつ挨拶し、舞台挨拶がスタート。

山田監督にとって90本目となる記念すべき作品で主演を務めた吉永が本作で演じたのは、家業にボランティアに恋愛まで、人生をイキイキと楽しむ母・神崎福江というキャラクター。
“下町のお母さん”というこれまでにない役どころへの挑戦となったが、その役作りについて吉永は「大泉さんのことを“お前”と呼ぶことに抵抗がありました。それが生まれて初めてのことで、最初は戸惑いがありました。撮影前に本作の舞台となった下町・向島を監督と歩いたときに、そこに暮らしていらっしゃる方たちがいきいきしてらっしゃるんですね。(神崎家の)モデルとなった足袋屋さんにも伺ったのですが、とっても素敵な場だなと思って、それをいつも思いながら撮影に臨みました」と明かした。

また、福江がやけ酒のようにお酒を飲むシーンについては、「お酒はちょこっとはいただくんですけど、あんな風に酔っ払ったことはないので、大泉さんがサポートしてくださって楽しかったですね」と振り返り、はにかんだが、酔う姿を演じる吉永を間近で見ていた大泉は、「監督がとても細やかに演出なさるので、なかなか見れない吉永さんが見れた。可哀想な場面なんだけど吉永さんの可愛らしさが溢れていた」と振り返った。

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そんな大泉は、今回が山田組初参加。毎日充実した生活を送る福江と対照的に、仕事に家庭に悩みが尽きない福江の息子、神崎昭夫役を演じた。撮影について大泉は、「セットが素晴らしく、足袋屋の中で吉永さんにお会いすると本当に母さんにしか思えない。そんな中で“お前”と言われるのはなんの違和感もなく、本当に昔から言われてたような気がした。長回しでセリフが多い中、撮影がうまくいったときに飛び上がって喜ぶ姿が可愛らしいと思った」と、吉永との初共演への喜びをにじませていた。

昭夫の娘・神崎舞を演じた永野は、本作で初共演した父親役の大泉について「父や母に対してある種の甘えはあるので、大泉さんを前にするといつも以上に自分の気持ちが高ぶる瞬間もあればぶつけたくなるような瞬間があった。それを全部受け止めてくださったので、“好きな父“でした。大泉さんはカメラが回っていない時も話が面白く、撮影後も食事に連れて行ってくださったり、(まるで本当の)父のように可愛がってくださいました」と振り返り、大泉へ絶大な信頼を明かした。

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大泉と同じく、本作が山田組初参加となった宮藤は、昭夫の大学時代からの友人かつ、会社の同僚でもある木部富幸をコミカルに好演。映画監督としての顔も持つ宮藤だが、「現場で全部ジャッジするんですよ。山田洋次は迷わないと思っていたんですけど、こんなに作品を撮ってても現場で考えるんだと、勇気がもらった気がします。撮影終盤、(大泉との共演シーンで)思ってもみないような量の台詞が増えて流石に無理だろうと“これ本当にやるんですか?“と思わず聞いたら”やるんだよ”言われた」と唸り、並々ならぬ監督の演出に刺激を受けた様子。

「監督の映画が面白いのは、脚本、役者はもちろんのこと、現場で足す監督のアイデアが面白いんだなと気付いた」と語る大泉に続くように、「実はあれもうちょっと足したかった」という監督のまさかの発言も飛び出し、会場は笑いに包まれた。

こんにちは、母さん

監督とは数々の映画でタッグを組んできた吉永は「監督がそういう風に現場で台詞を足すことを“号外“と呼んでおりまして、台詞が違うものになって当日必死に覚えることがあります」と山田組の撮影裏側を明かした。これについて監督は「現場はちょっと興奮しているからこそ、今、新しく足して間違いないのかを考えて、冷静に判断しながらやっていかないといけない」と、宮藤が言及した”現場でのジャッジ”の大切さを語った。

福江がボランティアで何かと気にかけるおじいさん、通称“イノさん”役に扮した田中は、俳優業について「(自分は)相変わらずのど素人だなと思って、一生懸命はやってはいるんですが、まだ全然分かっていない」とコメント。そんな田中について、監督は「そんな謙虚なところが泯さんの素晴らしいところじゃないでしょうか。こんなに変わらない人も珍しい」と感慨深い様子で語った。

フレッシュな面々から常連組まで、バラエティに富んだ豪華俳優陣が集結し、今までの山田洋次作品にはない新たなお母さん像が描かれる本作だが、監督は「吉永さんを“おばあちゃん”と呼ぶのは抵抗があった。あえてそれをお願いして、年相応の仕草が必要なのか考えていたが、テストをやっているうちに、とても美しくて可愛らしいところがあって、そういう綺麗なおばあちゃんがいてもいいじゃないかと思ったんですね」とコメント。

そんな吉永の孫を演じる永野は「すごく光栄でしたし、吉永さんご自身でミシンを動かしている姿をみて、その街でその場所にいらっしゃる本当のおばあちゃんのように見えました。お手紙や撮影合間に和菓子をくださって大事にいただきました」と吉永からの優しさに触れながらも女優としての憧れの思いを馳せた。

初のおばあちゃん役や、歳を重ねて恋をするなどチャレンジングな役どころについて、吉永は「舞台劇の映画化なので台詞が多く、歳を重ねるとだんだん頭に入る量が少なくなってきて、その点ではとても大変でした。台詞を全部書いて覚えるという方法を伺って、私もそういうこともやりました」と台詞覚えに苦労したと語る。

さらに、寺尾聰演じる荻生に恋するも、息子に否定されてしまうという設定について「恋はとても大事だと思います、どんなに歳を重ねてもときめく心は持っていないといけない。寺尾さんに恋をする役というのはなんかウキウキして楽しかったです」と話し、はにかんだ。

それに対して大泉は「自分の親が同じ状況ならば正直喜ぶと思う。けれど自分の母親でいてほしいのに、自分の母親に女性の姿は見たくなかったのかなって思います。どこか嫉妬してしまうような感じですかね」と自分と役を比べならがしみじみと語った。

さらにイベントでは、映画タイトルの『こんにちは、母さん』にかけ、最近“こんにちは、したもの(新しく出会ったものや、発見したこと)”についての質問が及ぶと、吉永は「赤ちゃん。過去作の共演者のお子さんにお会いした」、大泉は「大谷翔平さん。LAに訪れた際、エンゼルスの試合観戦でお見かけした」、永野は「長期間不在にしていたため自宅に届いたたくさんの荷物」、宮藤は「母親」、田中は「若い頃から憧れていた絵描きさん」、そして監督は「年寄りの自分」とそれぞれコメント。

その後、キャストを代表して吉永と監督が観客に向け、「今日はありがとうございます。監督がこの撮影に入る前にもしかしたら途中でできなくなるかもしれないと伺ってとても驚きましたし、辛くなりました。しかし撮影が始まってどんどんお元気なって、本当によかったと思います。たくさんの人に見ていただきたいと切望しております」(吉永)、「僕そんなこと小百合さんに言いました?格好つけてたんだなぁ、でもクランクアップを迎えて途中で倒れなくてよかったと思ったのは事実です。キャストや大勢のスタッフがサポートしてくれて心を込めて作ってみんなの力でできたんだなと思っています。どうぞこの映画をよろしくお願いいたします」(監督)とメッセージを送り、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

こんにちは、母さん
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こんにちは、母さん
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こんにちは、母さん
こんにちは、母さん

ストーリー
大会社の人事部長として日々、神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)は、久しぶりに母・福江(吉永小百合)が暮らす東京下町の実家を訪れる。
「こんにちは、母さん」
しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい…。
割烹着を着ていたはずの母親が、艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活している。
おまけに恋愛までしているようだ!
久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っいたことに気付かされてゆく。

作品タイトル:『こんにちは、母さん』
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、寺尾聰、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌
加藤ローサ、田口浩正、北山雅康、松野太紀、広岡由里子、シルクロード(フィッシャーズ)、明生(立浪部屋)、名塚佳織、神戸浩
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
原作:永井愛
上映時間:110分
配給:松竹

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/konnichiha-kasan/
公式Twitter:https://twitter.com/konnichihakasan
公式Instagram:https://www.instagram.com/konnichihakasan/
コピーライト:(C)2023「こんにちは、母さん」製作委員会

9月1日(金)全国公開

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