【レポート】『猫と塩、または砂糖』宮崎美子「なんだかクセになる」小松孝監督、吉田凜音登壇の舞台挨拶実施

猫と塩、または砂糖

小松孝監督作品『猫と塩、または砂糖』(7月23日(土)公開)の先行上映会・舞台挨拶が実施され、小松孝監督吉田凜音、宮崎美子が登壇した。

僕の職業は、猫である――。社会を拒絶し自主的に母のペット「猫」になった長男、慎ましい母、アル中の父の3人で暮らす佐藤家。母と元カレの再会をきっかけに、その娘(美少女)も巻き込み、狭いひとつ屋根の下、5人の奇妙な同居生活が始まる。

劇場長編デビューとなる小松孝監督は、早稲田のシナリオ研究会で天才と呼ばれるもデイトレーダーに転身して失敗、ニート生活を経て撮影した映画『食卓』でPFFアワード2016 グランプリを受賞し、映画監督に返り咲いたというユニークな経歴の持ち主。本作でも、型破りな脚本、絶妙なキャスティングに加え、「アリの巣を俯瞰的に観察する面白さ」を再現したカメラワーク、敬愛してやまないアイドル「NILKLY(ニルクライ)」の起用、多肉植物やデジタルガジェットなどの小道具が作り出す世界観など、監督ならではの拘りぶりを発揮。「幸せとは何か?」という壮大なテーマを掲げながら、独特のユーモアセンスとこだわりを貫き、混迷時代に放つクセが強くて愛おしいホームコメディが誕生した。

司会者からの「この映画の主人公は“母のための猫”という職業に就いた設定ですが、これは監督自身を投影したキャラクターと聞いています。監督は現在も“猫“をされているんですか?」問いかけに、「はい、前作の主人公はニートで、今回は猫という職業の男です。少し前まで運動もかねて毎日スーパーの付き添いに行ったりと、母のための猫の仕事をしていたのですが、今現在はニートに戻って、毎日ゲームばかりしています。8月に首の手術があって、それが終わったら本気出します!潜在能力ハンパないんで!」と最初からユニークすぎるキャラクター全開の小松監督

「最初にこの映画の話が来た時はどう思いましたか?」と聞かれた宮崎美子は、「困ったな…と。意味がわからないんですよ。台本もすごい分厚くて、普通の倍くらいあって!映画を撮り終わった今でも、私は本当に理解できているんだろうか…?という感じです」と困惑気味。小松監督が「結果、僕の思った通りに演じてくれたので、天才だと思います!」とすかさずフォロー。

現場の様子を聞かれ、宮崎は「初日は大混乱、みんなわけがわからなかったと思います。監督の世界なのでそこに入り込めるまでが戸惑いがあり大変でした」、吉田凜音は「頭は“!”マークと“?”マークがいっぱいでした」と当時を振り返った。

宮崎が「皆さんもうおわかりかと思いますが」と切り出し、「小松監督は凜音ちゃんの大ファン、劇中の凜音ちゃんは本当に可愛く撮れていて、明かりがたくさん当たってます」と告白。“絵美(吉田の役名)ライト”という専用ライトがあったことをあげて、「私もライトが欲しかった…」とぽつり。それをうけて、小松監督は「宮崎さんには一度もライトを当てたことがありませんでした。ただ、“絵美ライト”を当てるというより、絵美自身が光を放っていることをあらわしたかった」とその意図を力説、会場は笑いに包まれた。

最後に、観客の皆さんに向けたメッセージとして、吉田は「良い意味で、観る前も観た後も、“!”ビックリマークが残る作品。ワンシーンワンシーン破壊的な不思議さが溢れる映画で、見応えたっぷり!ぜひいろいろなシーンに注目して観て欲しい」とアピール。宮崎は「奇妙な味わいの映画です。でもなんだか愛おしい、登場人物も、見ている自分自身の人生も愛おしくなるような、そんな映画だと思います。クスッと笑えたりエッと驚いたり、いろんなハテナ?マークが飛び交う不思議な世界ですが、なんだかクセになる感じです」と作品の魅力を語った。

第25回PFFスカラシップ作品

作品タイトル:『猫と塩、または砂糖』
出演:田村健太郎、吉田凜音、諏訪太朗、池田成志、宮崎美子
監督・脚本・編集:小松 孝
主題歌:NILKLY「Fact or Fable」
2020年/日本/カラー/1.85:1/5.1ch/DCP/119分
配給:一般社団法人PFF/マジックアワー

公式サイト: www.nekoshio.com
コピーライト:(C) 2020 PFF パートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人 PFF

7月23日(土)より、ユーロスペース ほか全国順次ロードショー

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