【レポート】映画『桜色の風が咲く』完成披露試写会に小雪、田中偉登、モデルとなった福島智教授らが登壇!

桜色の風が咲く

『桜色の風が咲く』(11月4日(金)公開)の完成披露試写会に、12年ぶりに映画主演を務めた小雪(福島令子役)、田中偉登(福島智役)、モデルとなった福島智教授、そして松本准平監督、結城崇史プロデューサーが登壇し、撮影秘話や本作への想いを語った。

9歳で失明、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、東京大学の教授として教鞭をとっている福島智氏。2003年、TIME誌による「アジアの英雄」に選出され、現在は東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授を務めている。

本作は、福島氏の幼少期から大学受験までの姿を描いた実話にもとづく物語。また、 福島氏の母・令子さんが、盲ろう者である福島氏との日常の中から考案し、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段として現在、多くの人々に希望を与え続けている“指点字”の誕生に至る、知られざる物語でもある。

『桜色の風が咲く』完成披露試写会・舞台挨拶 概要

日時:10月27日(木)
登壇者(敬称略):小雪、田中偉登、福島智教授、松本准平監督、結城崇史プロデューサー/MC:秋沢淳子
場所:スペースFS汐留

エレガントなロングドレス姿でにこやかに登場した令子役の小雪は、今回演じるにあたり福島教授と初対面し「エネルギーと人間的懐の豊かさを感じて、計り知れない人生だったと想いを馳せながら、福島先生の事を多くの方にお伝えしなければという使命を感じました」と本作に出演することへの意義を口にした。

母・令子さんによって考案された“指点字”も実際に学び「撮影期間中はいつでもどこでも指点字。寝ている間にも頭に残るような思いで学びました。そこができないとダメだと、自分の中に滲み込ませたいという思いでやりました」と熱演を報告した。

福島智役の田中は、“母”小雪について「撮影のとき以外でも僕のことを息子として見てくれて、体調の事や食事の事を心配してくれたり、家事出来るの?と聞いてくれたり。本当のお母さんみたいな感じで、それが本編にも滲み出ているはずです」と撮影を振り返る。

福島教授は自身を演じた田中について「僕と同じ関西人ということで波長も合うし、若い頃の私と同じようなエネルギーとガッツを持っている。そして関西人的なアホっぽさもあり…これは褒めているんですよ!」と笑わせつつ絶賛。

母・令子さんを演じた小雪については「おふくろは、小雪さんなんて恥ずかしい!と言っているし、兄も小雪さんとは雲泥の差だと言っていました」と謙遜しつつ、「おふくろは大阪のおばちゃんで小雪さんとの共通点はないと思ったけれど、実際にお会いしてお話をすると、お母さんとしてのパワーと生きる力を感じた。それは私のおふくろと同じだと思った」と魂に共感していた。

赤ちゃん時代の智を演じた子役との共演について、小雪は「スタッフさんの中に子育て経験のある女性がいなかったので、私が家でもお母さん、外でお母さんみたいな感じだった」と3児のママパワーを現場でも発揮したという。本番以外でもその赤ちゃんを抱っこしていたそうで「どのくらいのタイミングで眠くなって機嫌が悪くなるとかもあるし、お腹を空かせていないか、眠くないかがポイント。それは自分の経験上わかっているので、お手伝いをさせていただきました」と自身の子育て経験をフル活用した撮影秘話を披露。

田中はそんな小雪の母親ぶりに触れ、「今日も肉じゃがのレシピを教えてもらう約束をしました。現場でも小雪さんのお陰で自分のやりたいように好きに演じることができた。お母ちゃんが小雪さんで良かった!」と感謝しきりだった。

結城プロデューサーは「コミュニケーションとは生きる上での酸素や水だと福島先生は仰います。この映画から僕自身が生きる力を感じた気がしたので、観客のみなさんにもその感覚をシェアしてもらいたいです。心のこもったメッセージを感じてください」とアピール。

松本監督も「僕は福島先生の苦しみに対する向き合い方に感銘を受けてこの映画を作ろうと思いましたが、撮影をする上で目の当たりにしたのは、お母さんの愛の強さでした。それを観て感じて少しでも何かを持ち帰ってもらいたいです」と期待。

福島教授は「障害の有無に関係なく、生きていく中で辛いこと苦しいことは誰しもが必ず体験するものです。癒されない傷、つらい記憶が残る人もいるでしょう。その辛い経験とどう向き合うのか?それを考える上でのヒントにこの映画がなってくれればいいと思っています」と観客へメッセージを述べた。

そして田中は「この映画は若い人でも色々と考えさせられる作品です。何か受け取るものがあれば、それを大切な人に伝えてほしい」と願い、最後に小雪も「私も3人の子を持つ母として、色々な思いをこの作品に込めました。生きる意味や生かされている意味など、映画を通して感じてもらえる作品になっています」と語ると、会場からは大きな拍手が沸き起こり、キャスト、スタッフからの熱い想いが溢れるイベントとなった。

桜色の風が咲く
桜色の風が咲く
桜色の風が咲く

ストーリー
見えない。聞こえない。でも僕は“考える”ことができる――。
母と息子が見出していく希望に満ちた未来。

教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う…。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、“指点字”という新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく…。

作品タイトル:『桜色の風が咲く』
出演:小雪
田中偉登 吉沢悠 吉田美佳子 山崎竜太郎 札内幸太 井上肇 朝倉あき / リリー・フランキー
製作総指揮・プロデューサー:結城崇史
監督:松本准平
脚本:横幕智裕
音楽:小瀬村晶
協力:福島令子 福島智
エンディング曲:辻井伸行「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 《悲愴》 II. ADAGIO CANTABILE」
製作:スローネ、キャラバンピクチャーズ
制作:THRONE INC./KARAVAN PICTURES PTE LTD
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
製作国:日本/日本語/2022/ビスタ/5.1Ch/113分/英題:“A Mother’s Touch”
配給:ギャガ

公式サイト:gaga.ne.jp/sakurairo
公式Twitter:@sakurairo114
コピーライト:(C)THRONE / KARAVAN Pictures

11/4(金)シネスイッチ銀座、ユーロスペース、新宿ピカデリー他全国順次ロードショー

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