百日告別

2017-01-20
2015 Atom Cinema Taipei Postproduction Corp. B’in Music International Lt d. All Rights Reserved

第52回 金馬奨最優秀主演女優賞
これは僕が百日かけた(妻への)告別、そしてまた“僕の百日”との告別だ――

ある日、高速道路上で交通事故が発生し、複数の被害者が出た。助け出された人々が救急搬送で病院に送られてくる。搬送された怪我人の中にいたシンミンは、数ヶ月後にコックのレンイーとの結婚式を控えていた。旅行会社に勤めるユーウェイは、もうすぐ誕生する新しい生命を妻シャオエンと共に心待ちにしていた。二人に降りかかった突然の事故。シンミンは婚約者の死を知り、ユーウェイは妻と、未だ見ぬ我が子を失ってしまう。やり場のない怒りと喪失感。

事故のために怪我を負い、その上に大切な人を失くした厳しい現実は、容赦なく二人の心をも打ちのめす。シンミンはレンイーの婚約者だが、それも今となっては何の意味もないことだった。レンイーの弟レンヨウが理解を示してくれるものの、他の家族からは受け入れてもらえない。レンイーと二人で夢見て、ようやく実現するかに見えたレストランの開業も不可能になってしまった…。

ユーウェイは仕事も手につかず、ピアノ教師だった妻の面影を追い求めるばかり…。

人生の羅針盤を失ったかのように立ち尽くす二人。何も前に進まないままむかえた合同葬儀の日、喪に服すお互いの存在を知る。初七日が過ぎ、四十九日まで節目ごとに通う山上の寺。止まってしまった時間を確認するような錯覚に陥る二人。だが、それぞれは逃げ場の無い迷路のような哀しみの中で、もがき続けていた。

新しいメニュー開拓を兼ねて新婚旅行で行くはずだった沖縄を訪れ、レンイーとの思い出を噛みしめては涙に暮れるシンミン。ユーウェイはピアノのレッスン料を返すべく、一軒一軒、妻の生徒たちの家を訪ね歩き始めるが…。

100日後、最愛の人との忘れられない記憶と共に、最後の法要で山上の寺へ登るシンミン、ユーウェイ。深い沈黙に包まれた山道の途上、果たしてそれぞれの胸に去来するものとは…。

2012年、この映画の監督トム・リン(林書宇)は愛する妻を亡くした。《映画を作り続けて…》という亡き妻の願いを受け、自らの思いを込めて1本の作品に創り上げた。それがこの映画「百日告別」である。

2017年2月25日より、ユーロスペース他にて公開
公式サイト
配給:パンドラ

キャスト

カリーナ・ラム(林嘉欣)『カルマ』『男人四十』 シー・チンハン(石錦航)『星空』 チャン・シューハオ(張書豪)『GF*BF』 マー・ジーシアン(馬志翔)『セデック・バレ』、アリス・クー(柯佳嬿)『モンガに散る』

スタッフ

監督:トム・リン(林書宇)『星空』『九月に降る風』
音楽:コン・ユーチー(ソーダグリーンのアコン)

レビュー

この作品のレビューを投稿する
「みんなの映画レビュー」に投稿いただくには、アネモのメンバーになる必要があります。投稿いただいた内容は、一旦、編集部にて目を通した上で掲載させていただきます。詳しくは『みんなの映画レビュー利用規程』をご確認ください。

この作品の投稿レビューは現在ありません

anemoメンバーに登録して、映画レビューを投稿しよう!メンバー登録(無料)はこちら 》