映画『フロントライン』小栗旬、増本淳プロデューサーが物語の始まりの地・横浜での舞台挨拶に登壇

映画『フロントライン』の横浜舞台挨拶が6月29日に横浜ブルク13にて開催され、前日(6月28日)の大阪舞台挨拶に引き続き、主演の小栗旬と本作の脚本・プロデュースを務めた増本淳が登壇した。

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(左から)小栗旬、増本淳

物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客乗員は世界56ヵ国の3,711名。横浜入港後の健康診断と有症状者の検体採取により10人の感染者が確認されたことで、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった。この状況下で<最前線>に駆けつけたのは、家族を残し、安全な日常を捨てて「命」を救うことを最優先にした医師や看護師たちだった―。6月13日より上映がスタートした本作は、観客動員数80万人、興行収入は11億円を突破している。(2025年6月29日時点)

満席の客席に、小栗と増本が登場すると、客席からは大きな拍手が贈られた。小栗は、「この映画がますます多くの方々に届いたら嬉しいです」と、増本は、「10億円突破ということは、DMATの皆さん、そしてこの災害に対して尽力した方々の頑張りや苦労が、多くの人々に届いているということだと思っています」と、感慨深い様子で挨拶をした二人。

公開後の反響を聞かれた小栗は、「医療従事者の方から『あの時の自分たちを肯定してもらった』と、お手紙をいただいたんです。自分たちもそう言ってもらえたことで、改めてこの映画を作ってよかったと思えました」と感謝のメッセージ。

増本プロデューサーは、「意外だったのが、『すごく反省しました』という声が多かったんです。あの時、船から降りて来ないでと思っていた人たちから、『こんなに苦労していた人がいたことを知って反省した』という声をいただいて」と意外な反応があったことを明かし、「僕は反省して欲しいという気持ちよりかは、『みんながみんなを温かい目で見れるようになったらもう少し良い世の中になるんじゃないかな』という思いを込めて作りました。今日もそういう風に届いてほしいです」と、観客にメッセージを送った。

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リピーターも続出している本作。MCが、「今日初めて観る方は?」と客席に呼びかけると多くの手が挙がり、「初めて見る方は『1ライン』、2回目は『2ライン』と言うんです。」と明かされると、小栗が、「本当ですか?(笑)」とツッコむ場面も。中には5ライン(5回目の鑑賞)という観客もいて、二人も驚きの様子だった。

増本プロデューサーの耳にも、「3回目でも泣いて、4回目でも泣けました」との声が届いているとのことで、その理由を、「ストーリーを追いかけるような物語だと途中で飽きてくることがあると思うんですが、今回は小栗さんはじめキャストの演技が本当に素晴らしいので、何度見てもその表情だけで胸が打たれると思うんです。何回観ていただいても、良い作品になっていると思います」と話した。それに小栗も同意し、「僕も2回目観た時に、桜井さんの記者の役が絶妙に揺れ動いている様が見えて素敵だなと思いました」と、2回観たからこそ気付けたこともあったと語った。

本作の舞台となった豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号が寄港した地、横浜での初めての舞台挨拶となったが、ここで小栗から、実は昨日28日に開催された大阪での舞台挨拶後に、沖縄に停泊しているダイヤモンド・プリンセス号を見に行ったことが観客に発表されると、客席からはどよめきの声が。

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本作で森七菜が演じている豪華客船のクルー・羽鳥寛子のモデルとなった元ダイヤモンド・プリンセス号フロントデスク・クルー和田祥子さんが沖縄在住ということで、和田さんも合流し二人で本物のダイヤモンド・プリンセス号を見たそうで、実際に沖縄でダイヤモンド・プリンセス号を見た小栗は、「本当に大きかった!」と感動した様子。ダイヤモンド・プリンセス号をバックに和田さんと撮った写真も紹介された。

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昨日の大阪での舞台挨拶で、「“結城”をもう一度演じたい」と発言したことに話が飛ぶと、小栗は、「DMATという組織は今現在もいろんなところで活躍していて、実は、ダイヤモンド・プリンセス号の後に起こった事件の時にもDMATが活躍していたという話を増本さんから聞きました。そういうことを聞くと、自分が演じさせてもらった役は、再び集まることができると思ったんです」と話し、観客からは拍手が。

これを聞いた増本プロデューサーは、「僕はこの作品が終わった後も、今日結城は何しているんだろう?仙道は災害地にいるのかな?と考えてしまうんです。もし描けるような機会がいただけるなら、いくらでも描きたいです」と、次回作への意気込みを語った。

昨日の大阪に引き続き、事前に公式SNSで募集された質問に答えるQ&Aコーナーも実施。
「これから、コロナを知らない世代がこの映画を観ることも増えてくると思いますが、そのような人たちにどんなことをこの映画を通じて感じてほしいですか?」という質問に小栗が、「どう思うんでしょうね、、、実際、その時の学生さん達の話を聞くと思い出作りが失われてしまったと聞きました。どう説明していいのかが難しいですよね」と、言葉を詰まらせる場面も。増本プロデューサーは、「映画を観て思ってほしいことは、もしまた災害が起こった時の人と人との関わり方や、優しさやリスペクトはいつの時代になっても同じだろうなと思うので、そういうところはこれからの観る方の材料になるかもしれないです」と語った。

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続いて、「この作品と出会う前と後で感じ方が変わったことは?」との質問に小栗は、「過酷でしんどい時こそ、余裕を持てる人になりたいと思ったことですかね」と一言。増本プロデューサーは、「今回観た人から、本当に真剣で温かいメッセージをたくさんいただいたんです。僕は今まで『これをわかって!』という、ちょっと強引なモノづくりをしていたかもしれないんですけど、今回は関根監督の力もあって、だいぶ引いて作ったんです。その結果、いつも以上に(お客様に)伝わっているなと感じました」と話し、「お客さんを信じて、もっと委ねた方がかえって伝わるんだなということが学べました」と、この作品をつくる前とつくった後で自身の作品づくりに変化があったことを明かした。

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最後に、増本プロデューサーは、「こんなにいっぱいのお客様の前に立てること、そして小栗さんと二人で舞台挨拶に立つというのは本当に感慨深いです。オリジナルの映画はなかなか企画が通りづらいのですが、実現しないんじゃないかなと思った時に小栗さんに電話したら『やるべきだよ』と言ってくれて始まったプロジェクトでした。その電話から丸2年経って、二人で満員のお客さんの前に立てていることが今風に言うと“エモくて”(笑)。皆さんの映画になっていると思いますので、ご家族や大切な人とこの作品の話をして欲しいなと思います」と話した。

小栗は、「『フロントライン』ような作品を皆さんに届けられたことは、本当に役者をやっていてよかったなと思います。よく皆さんに、『この作品を育てていってほしい』と言うことがあるのですが、この作品も皆さんそれぞれが育てていってくれたらいいなと思います。そして、皆さんの応援で僕らがまた違うフロントラインに立てるかもしれないので、どうぞよろしくお願いいたします」とメッセージを送り、舞台挨拶は幕を閉じた。

『フロントライン』
出演:小栗旬 松坂桃李 池松壮亮 森七菜 桜井ユキ 美村里江 吹越満 光石研 滝藤賢一 窪塚洋介
企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才
製作:「フロントライン」製作委員会
制作プロダクション:リオネス
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C) 2025「フロントライン」製作委員会

公式サイト:FRONTLINE-MOVIE.JP
公式X:@frontline2025

絶賛上映中

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