ティルダ・スウィントンが主演を務めるミュージカル映画『THE END(ジ・エンド)』の本予告と本ポスタービジュアルが公開された。

本作は、1960年代のインドネシアで行われた大量虐殺を加害者視点で描いた『アクト・オブ・キリング』(2014)で第86回アカデミー賞(R)長編ドキュメンタリー部門にノミネートされ、さらに同事件を被害者視点で描いた『ルック・オブ・サイレンス』(2015)で注目を集めたジョシュア・オッペンハイマー監督が、黙示録的なテーマをミュージカルとして作り上げた作品。
舞台は、環境破壊によって居住不可能となってから25年後の地球。母、父、息子の3人は、母の親友と医者、執事とともに豪奢な地下シェルターで暮らしていた。ある日、見知らぬ少女がシェルターに現れ、彼らの日常は一変する。外の世界を知らない世間知らずの息子は、外の世界を知る来訪者に心を奪われる。そして、家族をつなぎとめていた繊細な絆が急激にほころび始め、長く抑え込んできた後悔や憤りが一家の均衡を乱しはじめる――。
母親役を演じるのは、プロデューサーも務める主演のスウィントン。息子役にジョージ・マッケイ、そして父親役をマイケル・シャノンが演じるなど、実力派キャストが集結。それぞれが劇中で美しい歌声を披露する。
地球上に人が住めなくなってから25年。映像は、地下深くに広がる巨大な塩坑で、贅沢な暮らしを送る家族のもとへ、突如ひとりの女性が迷い込んでくるシーンから始まる。予想外の来訪者に驚き、疑心暗鬼の思いは消えないまま、彼女を受け入れる家族。やがて、外の世界を知らない〈息子〉は、すべてが新鮮なその〈女性〉に惹かれていく。
非日常感あふれる華やかな歌声と、室内を彩る過剰な装飾が、行き止まりの終末世界へと突き進む未来の危うさをいっそう際立たせる予告となっている。
併せて公開された本ポスターは、添えられたキャッチコピー“その歌は、真実か嘘か――”と共に、母親、父親、息子、執事、医者――ともに暮らす“家族”の姿が切り取られたもの。行き詰まった世界を忘れるかのように陽気に振る舞う彼らの姿が、むしろこの世界の歪さを際立たせるビジュアルとなっている。
『THE END(ジ・エンド)』
出演:ティルダ・スウィントン ジョージ・マッケイ モーゼス・イングラム ブロナー・ギャラガー ティム・マッキナリー レニー・ジェームズ マイケル・シャノン
監督:ジョシュア・オッペンハイマー
脚本:ジョシュア・オッペンハイマー ラスムス・ハイスターバーグ
原題:The End/2024年/デンマーク・ドイツ・アイルランド・イタリア・イギリス・スウェーデン・アメリカ合作/148分/シネマスコープ/カラー/デジタル/字幕翻訳:松浦美奈
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
(C)Felix Dickinson courtesy NEON (C)courtesy NEON
https://cinema.starcat.co.jp/theend/
2025年12月12日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開