名匠・大林宣彦監督の“戦争三部作”の第1作『この空の花―長岡花火物語』が、東京・Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて7月18日〜7月24日まで1週間限定で特別上映される。

『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾道三部作や『異人たちとの夏』等数々の名作を世に送り出し、「古里映画」の名手として知られる大林監督。その大林監督が2009年に長岡まつり大花火大会を見学し、長岡花火が「戦禍を忘れぬ」追悼の花火であると知り、市民とともに映画化したのが、『この空の花―長岡花火物語』(2011)だ。
2011年夏。天草の地方紙記者・遠藤玲子のもとに、かつての恋人・片山健一から手紙が届いた。山古志から届いた片山の手紙には、自分が教師を勤める高校で女子学生・元木花が書いた『まだ戦争には間に合う』という舞台を上演するので玲子に観て欲しいと綴られていた。

玲子は、手紙にある「長岡の花火を見て欲しい、長岡の花火はお祭りじゃない、空襲や地震で亡くなった人たちへの追悼の花火、復興への祈りの花火なんだ」という結びの言葉が強く胸に染み、導かれるように長岡を訪れる。

長岡を旅する玲子は行く先々で出逢う人々と、数々の不思議な体験を重ねてゆく。そしてその不思議な体験のほとんどが、実際に起きた長岡の歴史と織り合わさっているのだと理解したとき、物語は過去、現在、未来へと時をまたぎ、誰も体験したことのない世界へと紡がれてゆく。

1945年の長岡空襲と、その慰霊、復興と平和への祈りを込めて毎年開催される長岡まつり大花火大会。過去と現在が大林監督の手によって大胆に、そしてファンタジックに重ねられ、数々の戦渦や災害を乗り越えてきた長岡の歴史と美しい風土を描き出す。
『この空の花―長岡花火物語』1週間限定上映 概要
会期:7/18(金)〜7/24(木)
会場:Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
東京都渋谷区渋谷1-24-12 渋谷東映プラザ 7F・9F
料金:1,500円均一(特別興行のため各種割引適用外)
https://www.bunkamura.co.jp/cinema_miyashita/





『この空の花―長岡花火物語』
出演:松雪泰子、髙嶋政宏、原田夏希、猪股南、寺島咲、筧利夫、森田直幸、池内万作、笹野高史、石川浩司、犬塚弘、油井昌由樹、片岡鶴太郎、藤村志保、尾美としのり、草刈正雄、柄本明、富司純子
監督・脚本・編集・撮影台本:大林宣彦
製作プロデューサー:大林恭子、渡辺千雅
脚本:長谷川孝治
主題曲:「この空の花」(作曲:久石譲)
主題歌:「それは遠い夏」(作詞・作曲・歌・ギター演奏:伊勢正三)
挿入曲:「花火」(作曲・演奏:パスカルズ)
2011年/日本/160分/カラー
配給:TME PSC
協力:大林宣彦事務所
(C)「長岡映画」製作委員会 PSC 2011