ドキュメンタリー映画『行き止まりのむこう側』2022年3月11日(金)日本とイスラエルでオンライン特別上映決定

(c) Imakoko Media, Inc.

2011年の東日本大震災から10年の節目に駐日イスラエル大使館による震災の犠牲者を追悼するプロジェクトとして、短編ドキュメンタリー映画『行き止まりのむこう側(英題:nowhere to go but everywhere)』が、2022年3月11日(金)に公開される。
また、公開に合わせて、イスラエル・テルアビブのJaffa Cinemaにて、同日の正午12時(現地時間)から上映会と監督と高松康雄氏による対談をzoom上で開催される予定だ。

本作は、2011年東日本大震災で最愛の妻を喪い、今も探し続ける高松康雄氏の言葉で語られるドキュメンタリーだ。

高松康雄氏
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東日本大震災が起きた際に駐日イスラエル大使館がいち早く南三陸を支援したという経緯から、大使館の全面的なサポートのもと、これまでドキュメンタリー映画『The Birth of Saké』(2015)などを製作してきた、日本とアメリカの2拠点で映画製作活動を行っている津村将子氏白井エリック氏によって監督・製作された。

本作は、2022年3月11日(金)に日本とイスラエルにて、公式サイト内にて無料公開される。
(3月11日(金)午前零時(AM 0:00)公開予定)

『行き止まりのむこう側』公式サイト:https://www.nowheretogobuteverywhere.com
※映画本編は公式サイト内にて「3月11日(金)午前零時(AM0:00)」公開予定です。

コメント

監督
津村将子氏・白井エリック氏コメント

『行き止まりのむこう側』は、2020年にグローバル・パンデミックが始まり、見える世界ががらりと変わってきた時、私たちがマントラのように呟いていたことばです。こう唱えると、肉体的にロックダウンの中にいても、私たちの精神には常に無限の可能性が宿り、自由であることが再確認できたからです。そんな時、駐日イスラエル大使館から東北大震災の犠牲者への追悼のため、イスラエル人と日本人のアーティストのコラボレーションのプロジェクトの話を頂き、高松康雄さんの類稀な実話を映像化する時がきたのではないかと話し合いました。高松さんは津波で最愛の奥様を亡くされましたが、その大きな喪失と向かい合うために、ダイビングを習得し、奥様を奪って行ったその海に潜り、彼女を探しに行かれました。限りなく続く潮の流れに身を任せ、捜索を続けるうちに、思いがけない癒しをそこに見つけていったのです。先が見えない脆い時代を生きる中、人間と自然の繊細な関係がもたらすもの、私たちの精神の回復力を思い出す印として『行き止まりのむこう側』を制作しました。

津村将子氏
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白井エリック氏
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駐日イスラエル大使ギラッド・コーヘン氏コメント
『行き止まりのむこう側』は、イスラエルと日本の東北地方との深い繋がりから生まれた特別なプロジェクトです。東日本大震災後、世界最高水準の緊急対応力を誇るイスラエルは、いち早く医療チームを派遣し、東北の被災地を支援しました。また撤収時には、南三陸町の病院に医療機器を寄贈しました。イスラエル医療団と東北の人々との密接な交流は深い絆を生み、以後も続いています。
この11 年間、イスラエルは様々な形で被災地への支援を続け、多くの被災者の方々と交流してきました。震災10 年を機に、イスラエルは東北への支援を強化し、この地域の持続可能な将来の創造に貢献し、友情と連帯を深めるために、特別な資金の投入を決定しました。その一環として、駐日イスラエル大使館は、芸術的なクリエイションを含む、この地域を拠点とした一連のプロジェクトを開始しました。本作品『行き止まりのむこう側』はその一つです。
両国から映画監督、音楽家、作家が参加するこのイスラエルと日本の文化コラボレーションを通じて、東北の支援と復興活動に参加できることを光栄に思います。このプロジェクトは、イスラエルと日本が外交関係樹立から70周年を迎えるにあたり、人と人との交流が深まっていることを反映するものです。東北地方との絆は、イスラエルと日本との関係の中核をなすものであり、将来に亘ってますます深まっていくものと期待しています。


前イスラエル大使館文化・科学技術担当、プロデューサーアリエ・ロゼン氏コメント
2021年のコロナウイルスによるロックダウンの期間中、このプロジェクトに関わるすべての人が家に閉じこもり、孤立感を味わっていたとき、『行き止まりのむこう側』は非常に有機的な形で生まれました。東日本大震災から10年が経とうとしている時期でした。
そこで私は、イスラエルの作曲家でありジャズピアニストでもあるシャイ・マエストロに連絡を取り、このプロジェクトの一環として、この機会を記念した特別な文化プロジェクトを立ち上げようと提案しました。するとシャイは、即座に承諾し、津村将子、エリック・シライの両監督とのコラボレーションを提案してくれました。両監督が、震災から3年後の同じ地域を舞台にした長編劇映画「Umi」を制作中であることを、シャイは知っていたからです。バーチャル空間に集まった私たちは、何か意味のあるものを一緒に作ることができるチャンスだと興奮しました。
将子とエリックは、高松康雄さんの実話を基にした短編ドキュメンタリー映画を制作することを提案しました。高松さんは、2011年の津波で亡くなった奥様を捜すため、パンデミックの最中でも毎週のようにダイビングをしていたそうです。高松さんの体験や前向きな姿勢は私たちの心を打ち、この困難な時代に希望を与えることができればと思い、彼の話を紹介することを決めたのです。そして、このプロジェクトに、息子を失った悲しみを経験したイスラエルの著名な作家、デビッド・グロスマン氏に参加を依頼し、より普遍的なテーマを目指しました。高松さんの話に感動したグロスマン氏は、彼の著書『Falling Out of Time』から、失ったわが子のために旅立つ両親の物語を引用することを提案しました。
この映画の音楽はシャイ・マエストロが担当し、日本・イスラエル出身のチェリスト、塚本ジュピロ真由と共同でレコーディングを行いました。シャイは東北の皆さんのために特別に美しい楽曲『行き止まりのむこう側』を作曲しました。この音楽が映画と同じように皆さんの心に触れることを祈ります。
『行き止まりのむこう側』では、一人の男性とその最愛の妻の非常に個人的な物語を通して、私たちのより広いコミュニティの継続的な悲しみと回復力に触れています。2011年の東日本大震災で大切な人を海で失った2500人を超える方々の家族は、いまだにその悲しみから解放されることはありません。この映画は、古来からのの伝統と、スピリチュアルな自然に恵まれた素晴らしい風景の中で、ひとりの魂の繊細な旅を捉えようとしたものです。
この映画の繊細さ、遠く離れた地域の映像、音、言葉が、世界中の多くの人々の心に響くことを願っています。

(c) Imakoko Media, Inc.
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作品タイトル:『行き止まりのむこう側
イスラエルが贈る「東北イニシアティブ」短編映画プロジェクト。
2011年東日本大震災で最愛の妻を喪い、今も探し続ける高松康雄氏の言葉で語られるドキュメンタリー短編映画。

水は自由に動く。どこで私が終わり、海が始まるのだろう?
2011年の大津波で最愛の妻を失った高松康雄さんは、妻を奪ったその海で、真っ向から喪失と向き合った。本作は、自然の中にある人間の魂の並外れた回復力を見つめていく。

Staff & Cast
出演:高松康雄/千葉修司/小野寺翔/佐藤裕/小林岬太郎
監督:津村将子/白井エリック
音楽:シャイ・マエストロ
プロデューサー:アリエ・ローゼン/津村将子
編集:カタリナ・フィドラー/白井エリック
チェロ演奏:塚本シュビロ真由
助監督:田澤裕一
撮影監督:白井エリック
水中撮影監督:千々松政昭
水中撮影助手:荒井浩/河瀬経樹
録音:岸川達也/島香望
サウンドデザイン+ミックス:One Thousand Birds
水中撮影サポート:高橋正祥/飯田紗世/折原忠夫
撮影アシスタント:島香望
グラフィック:イナット・ガビッシュ
カラー:ナット・ジェンクス
ストーリーボード:パトリシオ・ヒホン
資料映像:岩手県宮古市提供/原吉憲/その他の皆さま
Special Thanks:ダヴィッド・グロスマン/デボラ・ハリス/宮城ダイビングサービスハイブリッジ/小岩秀太郎/村岡賢一(行山流水戸辺鹿子躍保存会)/岩手県宮古市/マイク・ビンドラバン/内田由紀/母袋夏生/キラ・マックナイト
プロダクション:Imakoko Media, Inc.
製作年:2021年/本編尺:14分/製作国:イスラエル・日本/音声:5.1ch/画面サイズ:3:4

公式サイト:https://www.nowheretogobuteverywhere.com
*映画本編は公式サイト内にて「3月11日(金)午前零時(AM 0:00)」公開予定です。
コピーライト:(c) Imakoko Media, Inc.

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