フランシス・フォード・コッポラ監督の14年ぶりとなる最新作『メガロポリス』(6月20日公開)より、場面写真12点が一挙公開された。

『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』など数々の名作を生み出したコッポラ監督が1980年代より脚本を構想。2001年に撮影準備を進めていたが、同年ニューヨークで9月11日の悲劇が起こり、企画は中断。2007年には支援も途絶え、一度は断念の危機に立たされた。そして約300回にも及ぶ脚本の書き直しを経て、ついに2021年、彼は自身のワイナリーの一部を手放し、私財1億2000万ドル(約186億円)を投じて映画製作を再始動。本作は2024年のカンヌ映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、上映後には鳴り止まぬほどのスタンディングオベーションを浴び、世界中で話題騒然となった。
さらに4月26日、コッポラはアメリカの文化発展に大きく貢献した人物に贈られるAFI生涯功労賞を受賞。授賞式にはスティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、アダム・ドライバーら名だたる映画人が駆けつけた。
スピルバーグはスピーチで、「私たちは最前線で共に歩んできた友人や仲間のストーリーテラーたちと、知性と感情を語り合っているんです。興行的にうまくいくかどうかではなく、素晴らしい芸術作品になると思うものについて。それが『地獄の黙示録』のような映画を生み出すのですから」と、彼の創作への向き合い方を振り返った。
続いてルーカスも、「コッポラは崖から飛び降りることを恐れるなということを教えてくれた。フランシス、あなたは私たちのヒーローだ。私たちにはルールがなかった。あなたがペンを握ることで、私たちは共にルールを書いた。映画を愛する映画人の時代を作ってくれてありがとう」と熱く語った。
物語の舞台は、21世紀、アメリカをローマ帝国に見立てたニューローマ。そこでは享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を推進する天才建築家カエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)と、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)は真正面から対立する。また一族の策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に直面するのだった。
到着した場面写真は、物語のスケール感と圧倒的な映像美を感じさせる印象的なシーンの数々が切り取られている。カエサルとジュリアが時計台の上から望遠鏡でニューローマを見下ろす場面や、カエサルが高層ビルの屋上で時を止める瞬間、さらにワイヤーに吊るされた鉄骨の上で、キスを交わすロマンティックなシーンなど、どれも息をのむようなビジュアルが並ぶ。壮麗な都市景観とともに、フランシス・フォード・コッポラ監督が描く”未来”と”過去”が入り混じる世界観が強烈な存在感を放っている。


またクラッスス3世(ジョン・ヴォイト)とワオ(オーブリー・プラザ)の結婚を盛大に祝うパーティーシーンでは、古代ローマのコロッセオを彷彿とさせる豪華なセットも映し出されている。人気歌手ウェスタ・スウィートウォーター(グレース・ヴァンダーウォール)による妖艶なダンスパフォーマンスのカットなど、徹底的に作り込まれた装飾や衣装デザインも注目ポイントである。



さらに、カエサルと対立する新市長フランクリン・キケロの娘であり、カエサルの運命に大きな影響を与えるジュリア、ジャーナリストでありながらクラッスス3世の莫大な遺産を目当てに結婚を画策するワオ、カエサルを陥れようと暗躍するクローディオ(シャイア・ラブーフ)など、個性豊かなキャラクターたちの姿も切り取られている。
フランシス・フォード・コッポラ監督が細部に至るまで一切の妥協なく作り上げられた本作に、40年の執念とこだわりが1枚1枚の場面写真から力強く伝わってくる。






『メガロポリス』
出演:アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマン
脚本/製作/監督:フランシス・フォード・コッポラ
2024年/アメリカ/英語/138分/カラー/原題:Megalopolis
提供:ハーク、松竹
配給:ハーク、松竹
(C) 2024 CAESAR FILM LLCALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:hark3.com/megalopolis
公式X:@megalopolis_jp
6月20日(金)IMAX(R)他全国劇場にて公開!